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心洗われる美しさ〜世界遺産ルーマニア・ホレズ修道院を訪ねる


世界遺産がどこも人気観光地で華やかとは限りません。ホレズ修道院は今も現役のルーマニア正教の女子修道院。修道女たちはここで、静かに祈りをささげる生活をしています。ホレズ修道院は21世紀の現代からみても、まるで世間から隔絶された場所にありますが、修道女たちは常に外部から訪問客を歓迎しています。巡礼に行くような気持ちで行ってみたい場所です。

美しい自然の中に調和するホレズ修道院

写真:小谷 雅緒

ホレズ修道院(Manastirea Hurezi)は焼き物の里としても知られるホレズ(Horezu)の隣村にあります。ホレズはカルパチア山脈のふもとにあり、修道院の北側は森や高原が広がっています。修道院前には小さな集落があるとはいえ、公共バスも通らない「人里離れた」場所です。

写真:小谷 雅緒

ルーマニアはかつて、カルパチア山脈によりワラキア公国とトランシルヴァニア公国に分かれていました。ワラキア公国は14世紀に建国され、ホレズ修道院はワラキア公国の君主ブルンコヴェアヌの命で建てられ、1697年に完成しました。
ルーマニア国内には今も数多くの現役修道院がありますが、ホレズ修道院の美しさはまた独特です。このデザインは君主の名前にちなみ「ブルンコヴェネスク様式」と名づけられました。
白を基調としたワラキア建築でありながら、随処に均整のとれたルネッサンス様式です。とはいえ、完成は18世紀になる少し前ですから、見た目ほど古くはありません。しかし、どことなく中世の雰囲気が感じられるようなデザインです。

写真:小谷 雅緒

教会内には自由に入ることができます。教会内部は正教会らしく、キリル文字とビザンツ風のフレスコ画が壁と天井にびっしり描かれており、カラフルで迫力もあります。
キリル文字が読めれば、もう少しこの絵を理解できるかな・・・。あれ?ルーマニアはラテン文字(ABC)の国です。実は中世まではキリル文字を採用していたため、教会ではキリル文字で表現することは珍しくありません。
教会内では係の修道女がパンフレット(英語あり)や絵はがきなど、ごく簡単なものを販売しています。なお、売店は別に修道院入口脇にあります。
残念ながら教会内部は写真撮影禁止です。

ホレズ修道院に行ったならば・・・

写真:小谷 雅緒

もしマイカーで来たならば、写真にある門近くの駐車場に車を止めて、まっすぐ門の中に進みましょう。門前には数件の民家、数件の小さな民芸品店とひなびたバーがあります。食事ができるような店はありません。

写真:小谷 雅緒

ホレズ修道院が世界遺産になったのは1993年のこと。認定後、それなりの時間が経過していますが、観光地としてのにぎやかさや華やかさはまったくありません。
先ほどの門から緩やかな登り坂が300メートルほど続きます。教会(本堂)にたどり着くまでにも、いくつかの歴史的な建造物を見ることができます。
なお、お手洗いは第二の門入って右側にあります。(写真中央奥にある建物で、訪問者用の宿泊施設です)

写真:小谷 雅緒

石の積み方がユニークです。

静寂が広がる修道院内部

写真:小谷 雅緒

教会(本堂)を取り囲むように生活スペースとなる建物があります。

写真:小谷 雅緒

教会(本堂)以外に見学できる場所はごく限られています。写真は集会所です。ここにも壁と天井にフレスコ画がびっしり描かれています。

写真:小谷 雅緒

見学は完全に自由です。ロープの張られていない場所は、どこでも歩け、写真撮影も自由です。案内係や見学ツアーもなく、各所に多少のルーマニア語の説明書きがあるだけです。

お土産に修道院オリジナル品はいかが?

写真:小谷 雅緒

修道院には売店があります。売店ではパンフレットや絵はがき、宗教系グッズが販売されています。こちらはあまり日本人向きのお土産には難しそうです。
修道院ではオリジナルのはちみつ(写真右側)、シロップ(炭酸水で割って飲むもの、写真奥3本のビン)、ジャム(写真左側)も販売しています。はちみつはアカシア、菜の花、ヒマワリの3種類ですが、シロップとジャムは種類豊富です。
価格は15〜20レイ(※1レイ=約28円)

写真:小谷 雅緒

はちみつなどの販売所は売店と異なる場所にあります(写真左の階段脇)。看板はあるものの、閉まっている場合は、売店あるいは教会内に常駐している修道女に声をかけましょう。
会計は現金のみです。入場無料なので、寄付代わりにたくさん買いたいところですが、ビンものは重い・・・。また、余談ですが、手作り品であるためか、キャップの締めが甘いです。移動中に漏れる心配があります。ごく簡単にレジ袋に入れてくれるだけなので、持ち帰り時にはご注意を。

写真:小谷 雅緒

これも余談ですが、ホレズはルーマニアを代表する焼き物の里。修道院の外にある民芸品店はもちろん、ホレズ市内には多くの陶器店が軒を連ねています。でも、持って帰るにはちょっと重いのが難・・・。

ホレズ修道院へ行くには・・・

写真:小谷 雅緒

たいてい修道院は人里離れた場所にあるものですが、ホレズ修道院も公共交通でのアクセスは極めて悪いです。ブカレスト市内から長距離バスでホレズまでは行けますが、そこから先の交通手段はありません。歩くには遠すぎる距離ですし、人気のない場所も多いため徒歩はおすすめしません。タクシーをチャーター、またはホレズ市内の宿泊施設に相談するもよいでしょう。
ホレズのバスターミナル周辺にもペンションなどの宿泊施設が数軒あります。修道院にも宿泊施設がありますが、英語がほとんど通じませんので、利用にはかなりハードルが高いでしょう。
個人で行く場合は、ブカレスト発の現地ツアーに参加する方法がもっとも簡単です。日本出発前に旅行会社でドライバー(またはガイド付き)プライベートツアーを手配してもらうことも手です。
※写真は教会の前を通り過ぎる修道女

ホレズ修道院の基本情報

住所:Strada Manastirii, Romanii de Jos 245803
電話番号:+40-787-665-726
アクセス:ブカレスト市内のアウトガラ(バスターミナル)・ミリタリからホレズまでは約4時間。1日6便ほど
入場料:無料(トイレも無料)、寄付歓迎
定休日:なし、随時入場可能
2018年8月現在の情報です。現在、修道院の公式サイトURLは表示できません。

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
小谷 雅緒

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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