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日本最大級!大分「普光寺磨崖仏」はあじさいシーズンがお薦め


日本最大級の不動明王磨崖仏で知られる大分県豊後大野市の普光寺は、別名「あじさい寺」とも呼ばれ、シーズンを迎えると多くの鑑賞客が訪れます。また、ついつい不動明王とあじさいにばかり目が行きがちですが、他にも見どころがありますのでお見逃しなく。

普光寺磨崖仏まで続くあじさいの道

写真:小野 浩幸

あじさいの群生を見ることが出来るのは、普光寺の境内だけではありません。普光寺へ続く道中にもたくさん植えられており、まるで地域住民に変わって笑顔で出迎えてくれているみたいです。近づくにつれあじさいの密集度も高まり、期待も膨らみます。

写真:小野 浩幸

高野山真言宗の名刹普光寺は、鎌倉時代に開創され元々は普光山筑紫尾寺(ふこうざんちくしおじ)と呼ばれていましたが、筑紫尾が畜生と聞こえるため、江戸時代になってから山号を筑紫尾山、寺名を普光寺と改めました。

写真:小野 浩幸

未舗装の道は草も刈られ、歩きやすいように良く整備されています。これらは、あじさいの植栽を含め全て地元の方々のボランティアによってまかなわれているということです。ありがたいですね。

いろんな角度や場所から眺めてみよう

写真:小野 浩幸

山門を過ぎると左側に大きな谷が開けて見えます。
まずは、ここからの眺めをじっくり堪能しましょう。対岸の断崖絶壁には約12mの巨大な不動明王と二童子が掘られ、ふたつの大きな龕(がん/仏像などを納める為に岩壁を掘りくぼめた場所のこと)がぽっかりと口を開けている光景は、どこかチベットやネパール、或いは中国の山奥深くを連想してしまいそう。

写真:小野 浩幸

階段を下っていくと幾つもの撮影ポイントがあり、皆思い思いに写真を撮っています。場所や角度によって不動明王の表情やあじさいの花の色が違って見えるので、中々飽きません。

じっくり鑑賞すると見えてくる普光寺磨崖仏の凄さ

写真:小野 浩幸

不動明王の顔を良く見ると、牙をむいていて睨みをきかせているのですが、800年もの風雨により表面はまろやかに摩耗し、穏やかな優しい表情になっています。造ったばかりの姿を見てみたいものです。

写真:小野 浩幸

磨崖仏を足元から見上げてみるとその高さを実感するとともに、一体どうやって彫ったんだろうと疑問がわいてきます。約20mのほぼ垂直な絶壁で、下から足場を組むとなるとかなりの大きさになりそうですし、たいへん危険な行為です。
また、これだけの大きさとなれば、遠近感が掴みにくいはずなのに、頭身のバランスも見事にとれています。特に左側の制吒迦童子(せいたかどうじ)は、他の磨崖仏に見ない秀逸な造形だと思います。

写真:小野 浩幸

ふたつの龕へは階段と手すりがあって登れるようになっています。
ここでお薦めしたいのは、不動明王の目の高さで真横から眺めてみてください。普光寺磨崖仏のようなタイプの磨崖仏は「半肉彫り」と呼ばれる浅い彫り方で、良く見ないと気がつかないのですが、顔が少しだけ下を向いているんです。木彫りの仏像、特に如来像などが目線を落としているように、この不動明王も参拝者をこの位置から見おろしていることが分かります。

まだまだある普光寺磨崖仏の見どころ

写真:小野 浩幸

本堂から見て左側が仏龕、右側の龕には投込堂と呼ばれる護摩堂があります。この写真は6月上旬の仏龕からの眺めですが、6月の中旬を過ぎると色とりどりのあじさいがびっしりと境内を埋め尽くします。

写真:小野 浩幸

仏龕には大日如来を祀った祠や多数の石仏、磨崖仏が並んでいます。実は、このエリア一帯は阿蘇山の火砕流が固まって出来た溶結凝灰岩という柔らかい地層で覆われています。龕の天井に見える黒い斑点はスコリアと呼ばれる軽石の仲間で、火砕流であることを示す貴重な証拠。豊後大野市に磨崖仏が多いのもこうした理由があるんです。
とはいえ、手掘りでこの大きさの龕を造るというのも大変な作業ですよね。

写真:小野 浩幸

護摩堂は現在使われていませんので、多くの方がここで引き返してしまうのですが、是非とも奥まで見に行っていただきたいと思います。最奥の壁には、ゆうに2mを超える見事な毘沙門天が刻まれています。こちらの磨崖仏は龕の中にあることから、風化も少なくしっかりとした彫像。他所に独立してあれば、もっと有名になっていたかもしれません。
普光寺磨崖仏の紫陽花は、6月中旬から7月中旬にかけて本格的な見頃を迎えます。

普光寺磨崖仏の基本情報

住所:大分県豊後大野市朝地町上尾塚1225
駐車場:有(無料)
アクセス:大分市内中心部から車で約70分、JR豊肥本線豊後竹田駅から約15分
2018年6月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。

【トラベルジェイピー・ナビゲーター】
小野 浩幸

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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