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山がご馳走!山梨・十谷温泉郷「山の湯」自慢の超パノラマ


甲斐の国こと山梨県は戦国時代に天然の要害とも称され、急峻な山々が囲む攻められにくい地形だった。裏を返せば海が無く塩は貴重品。江戸時代に富士川舟運が開発されると中継点の鰍沢(かじかざわ)は、塩などの運搬で賑わった。閑話休題、舟運が廃れ今は静かな鰍沢より富士川の支流となる大柳川を遡った十谷地域に、3つの異なる温泉が湧く。下流側の「山の湯」はダイナミックな展望が売りで突き抜けた素晴らしさがある。

その宿(山の湯)、眺めが売りにつき

写真:永澤 康太

十谷は甲斐源氏の祖・新羅三郎義光=源義光(平たく言えば戦国武将武田信玄の御先祖様)と深く繋がっている。大柳川源流の源氏山に城を構えたとされ、この地に伝わる郷土料理「みみ」は、源氏の武将が戦勝祝いに作り始めたのだという。
富士川と別れた後、不動滝を過ぎれば十谷はもうすぐ。少し進んだ大柳川渓流公園と十谷集落の分岐点まで路線バスは走る。集落内は道幅が狭くヘアピンカーブもあり、加えて急坂なので車と歩き、どちらの場合も要注意。みみ料理を味わえる「つくたべかん」の先が、渓谷を見下ろす「山の湯」。既に入口からして眺めの良さが分かる。キャッチコピーは「天然物、地物、食材にこだわった宿」。

眺望の良さMAXの客室!展望トイレも注目!

写真:永澤 康太

眺めの良さは「山の湯」の構造に直結。傾斜地ゆえ館内はアップダウンが激しく、階段移動が必須な点に留意しよう。廊下はほんのり薄暗く、ちょっぴりドキッとするかもしれないが、それは客室手前まで。扉を開けると評価は一変する。
決して大袈裟ではない「群を抜く」眺めが旅人を迎え入れ、廊下とのギャップがより景色を引き立てている。気付くと広縁に立っている人も多そうだ。セルフサービスの布団敷きも、外に広がる光景を考えれば、苦にならなくなる。

写真:永澤 康太

上記写真は客室の広縁から撮影。見事なほど遮るものが何もないため、近隣の山々や通って来た十谷集落、果ては遠方の蛾ケ岳(ひるがたけ)をいっぺんに見渡せてしまう。更にタイミングが合えば雲海と巡り合うチャンスも。また、言うまでもなく自然が豊かで、夏季に運が良いとミヤマクワガタが飛んでくる。正に天然ガチャと言ったところ(拒否権が無いのが玉に傷だが)。
それともう一つ。客室のトイレとは別に、宿廊下と露天風呂を繋ぐスペースに「眺めのトイレ」が設置してある。なんと便座の対面がガラス張りで、山を望みながら利用出来るのだ。何か開放感やら緊張感やらがいろいろ凄く、なかなか言葉にならない。一つ確かなことは、思い出に残ること間違いなしということ。

これが「山の湯」クオリティ!露天風呂で絶景を刮目せよ!

写真:永澤 康太

「緑礬泉」と宿の看板に書かれている通り、宿の風呂で使われているのは2q離れた自然湧出する自家源泉から引く温泉。もともとの内湯に加え、御主人自らが2年3ヵ月かけて造り上げた露天風呂「眺めの湯」(2012年完成)は、今では「山の湯」の名物になっている。左官の経験があるとはいえ、一から建てたと思えぬ立派な湯屋だ。

写真:永澤 康太

露天風呂は立ち寄りでも利用可。外に積んである薪を使い、冷鉱泉を沸かして提供している。檜で造られた湯船は男女別になり(仕切りは簡素、マナー厳守)、天井に動物の剥製を飾るなど、御主人の遊び心が随所に見られ、利用者を飽きさせない。
そして何と言っても、眼前の絶景。雄大、壮観、壮大、どれを口にしても足らないぐらい、日常を彼方に追いやってしまう超パノラマがここに存在する。併せて日の出を仰ぎながらの湯浴みは格別で、これも宿泊すればこそ。なお、泉質は含鉄(U)-カルシウム‐硫酸塩冷鉱泉(低張性弱酸性冷鉱泉)、灰がかった色をした湯で、やや鉄の匂いがする。

写真:永澤 康太

こちらは内湯(大)で宿泊者専用。露天風呂と位置は離れているが、使用源泉は同一。大小二つの浴室に別れ、当日の客の比率で男女入れ替わる。やはりどちらも山の眺めは良い。ただ、場所が宿下部に当たるため、客室によっては長めに階段を昇り降りする。

十谷温泉郷が育んだ幸を食む

写真:永澤 康太

「山の湯」で出される食事の一貫したテーマは「旬」。前記した様に天然物・地物食材にこだわって、御主人が十谷温泉郷の山・川・谷を巡り集めたもの(山菜、野生動物、キノコ、川魚、野菜etc)を、旬彩料理に仕上げている。その際レトルト、真空パックの食材は使わないという徹底ぶり。
つまり、必然的に訪ねた季節やその日仕入れた食材によって料理が変わってくる。猪のモツが並ぶ時もあれば、へぼ(蜂の子、別注)を頼める時もあり、何が出て来るかは乞うご期待。なので写真の料理はあくまで参考程度に。

十谷温泉郷へ出掛け、超パノラマの「山の湯」に遊ぶ

宿で山を肴にのんびり過ごすのもまた良いもの。しかしもっとアクティビティに過ごしたい方は、「山の湯」の御主人と一緒に十谷温泉郷の大自然へ出掛けてはどうだろうか。山菜狩り、渓流釣り、キノコ狩り、登山、写真撮影に無料で同行してくれる(要予約)。休みがとれたら是非「山の湯」へ。超パノラマを前に「出掛けて良かった」と思えるはず。
※一口メモ
泉質:含鉄(II)-カルシウム‐硫酸塩冷鉱泉(低張性弱酸性冷鉱泉)
・特別料理あり(予約のみ)
・鰍沢口駅〜十谷入口の路線バスは土日祝日のみ運行なので要注意
・一人旅可
・12月中旬〜3月中旬は冬季休業
2020年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
十谷温泉郷 山の湯ホームページ(外部リンク)
http://www.yadoyamanoyu.com/

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
永澤 康太

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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