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広島県“西の日光”「耕三寺博物館」で究極の建築美を満喫!


広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」にある生口島は、美術館や野外彫刻が点在し、芸術的雰囲気に包まれた島です。その中心となるのが、日本各地の古建築を模して建てられた堂塔が並ぶ「耕三寺博物館」で、その煌びやかさから「西の日光」とも呼ばれます。耕三寺独自の発想と装飾が加えられ、耕三寺様式と称される堂塔伽藍で、究極の建築美を満喫してみませんか?

西日光・耕三寺博物館とは

写真:モノホシ ダン

耕三寺博物館は、浄土真宗本願寺派の仏教寺院で、山号は潮声山です。寺としての歴史は新しく、実業家「金本福松」氏が、母親の故郷の尾道市瀬戸田で、菩提追悼のために、1936年(昭和11年)から伽藍の建立を始めました。金本氏は、昭和初期の日本の鋼管溶接技術のパイオニアで、特殊鋼管の製造会社を大阪で設立し、成功を収めた人物です。
金本氏は、約30年間かけて耕三寺博物館の建立を進める途上で、「耕三寺耕三」と改名し、ほかにも町内の病院の新設や学校の新校舎の新築などに貢献し、のちに瀬戸田名誉町民に顕彰されています。

写真:モノホシ ダン

耕三寺博物館の最大の特徴は、日本各地の著名な歴史的建造物を模した建物が配置されていることです。国も、この「耕三寺様式」と呼ばれる造形を高く評価し、耕三寺博物館では、15件が国の登録有形文化財の指定を受けています。写真は、女人高野で知られる奈良県室生寺の五重塔をモデルにしたもの。
塔の建築のため、室生に滞在して図面を作り、1955年(昭和30年)に完成。心柱は鉄製で、室生の五重塔が柿葺であるのに対し、垂木を使用するとともに、各層を銅板葺としています。

写真:モノホシ ダン

五重塔を挟んで、両側には、法宝蔵(写真)と僧宝蔵が。これは大阪・四天王寺の金堂をもとに建立されたもので、二重入母屋造りの錣(しころ)屋根や、連子窓など荘重な美を醸し出しています。

耕三寺博物館のシンボル「孝養門」

写真:モノホシ ダン

耕三寺博物館の顔というべき建物が、写真の「孝養門」。絢爛豪華な日光の陽明門を再現したもので、西日光と呼ばれるのもこの門があるから。孝養門の建立は、耕三寺最大のプロジェクトで、日光陽明門の実測図面を得るのに文部省まで足を運び交渉し、さらに各部の工匠たちを日光に派遣、実地見学の後、1964年(昭和39年)に約10年かけて完成しました。

写真:モノホシ ダン

孝養門の名称は、この門を建立するにあたり、「母が子を養育するように年月をかけて手間暇を惜しまず慈しみ建設しよう」との思いからきています。門の寸法、木組みなどは陽明門と同じです。

写真:モノホシ ダン

陽明門との違いは、彫刻、金具、彩色などで仏教様式を取り入れ、昭和を代表する彫刻家の作品で飾られています。本物に匹敵する豪華な極彩色の門をじっくり鑑賞してみて下さい。

大屋根の両端で銀色の鳳凰が羽ばたく「本堂」

写真:モノホシ ダン

さらに孝養門に向かい合うように建っているのが、本堂(阿弥陀堂)です。宇治の平等院鳳凰堂をモデルにしたもので、大屋根の両端に銀色の鳳凰が羽ばたいています。約9年の歳月をかけて、1940年(昭和15年)に完成。中堂には、本尊の阿弥陀如来像を安置。
なお、本堂前面には総大理石造りの大礼壇があって、壇をめぐる濠には、本願寺から拝領した睡蓮が植えられていて、春や夏には紅白の花が繁茂します。

写真:モノホシ ダン

本堂の右手の小高い丘に見える多宝塔は、紫式部ゆかりの滋賀県石山寺の塔をもとにしたもの。均整のとれた美しさを感じさせます。

写真:モノホシ ダン

総高約15メートルの大露仏である救世観音大尊像は、奈良県法隆寺の夢殿のご本尊、秘仏救世観音を手本としたもの。コンクリートと漆喰を併用して肉付けした上に塗装されています。仰ぎ見て、オーラを感じ取ってみて下さい。

丘の上に白一面の世界が広がる「未来心の丘」

写真:モノホシ ダン

ほかに、耕三寺博物館では素晴らしい大理石庭園があります。それが、本堂の裏手に広がる「未来心の丘」。イタリアで活躍する彫刻家・杭谷一東(くえたにいっとう)氏が家族愛をテーマに、設計・製作したもので、約5000平方メートルの敷地に、約3000トンの大理石を使って大小様々なモニュメントが造られています。写真は、「天猫」から「光明の塔」を望んだもの。

写真:モノホシ ダン

未来心の丘の象徴である「光明の塔」は、おすすめのフォトスポット。ここからの周囲の眺めは、海も見えて最高。

写真:モノホシ ダン

未来心の丘にある「カフェクオーレ」では、バケットサンドやブラッドオレンジジュースなどがおすすめ。窓から見える白一色の世界と多島美を楽しみながら一息入れましょう。

潮音山・向上寺の「三重塔」もあわせて訪れたい

写真:モノホシ ダン

耕三寺博物館のある瀬戸田町では、もうひとつ見逃すことのできない名所があります。それが、瀬戸内海を見下ろす潮音山(ちょうおんさん)の中腹に立つ「向上寺」の三重塔です。写真に見える、耕三寺博物館からは、しおまち商店街を通って、登山道を徒歩で片道約20分ほどの道程です。

写真:モノホシ ダン

向上寺は、1403年(応永10年)に三原にある臨済宗仏通寺の修験者の宿泊施設として創建。さらに足利幕府の4代将軍義持により、室町幕府の祈願所に指定されて繁栄。1432年(永享4年)に建立された三重塔は高さ19メートル、室町時代の禅宗建築の粋を集めた唐様と和洋の折衷型の美しい建築で、国宝に指定されています。

写真:モノホシ ダン

瀬戸田港を見守るように立つ三重塔は、多くのカメラマンや画家の目を引き付け、人気の被写体となってきました。地元の瀬戸田町出身で、日本画家の「平山郁夫」氏の、しまなみ海道五十三次のスケッチポイントにもなり、そのスケッチは、同じく瀬戸田町にある「平山郁夫美術館」の表紙にもなりました。
瀬戸田を訪れたなら、ぜひ、西日光・耕三寺博物館とあわせて訪問してみて下さい。まるで時間が止まったようなのどかな景観を味わえますよ。
<向上寺三重塔の基本情報>
住所:広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田57
電話番号:0845-27-0051(尾道観光協会瀬戸田支部)
見学料:無料
アクセス:耕三寺博物館から徒歩約20分。瀬戸田港から徒歩約10分
車利用の場合は、しまなみ海道・生口島北インター(本州方面)より約10分。しまなみ海道・生口島南インター(四国方面)より約10分。周辺駐車場利用

耕三寺博物館の基本情報

住所:広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2
電話番号:0845-27-0800
入館料金:大人1400円、大学生1000円、高校生800円、シニア(65歳以上)1200円
潮聲閣入館料:大人・子供とも200円
開館時間:9:00〜17:00(年中無休)※潮聲閣のみ10:00〜16:00
アクセス:船利用の場合、三原港から瀬戸田港まで快速船で約25分。尾道港から瀬戸田港まで普通船で約40分
車利用の場合、しまなみ海道・生口島北インター(本州方面)より約10分。しまなみ海道・生口島南インター(四国方面)より約10分。周辺駐車場利用
2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
耕三寺博物館
http://www.kousanji.or.jp/

【トラベルjpナビゲーター】
モノホシ ダン

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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