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京都×畳×草間彌生!「フォーエバー現代美術館 祇園京都」って一体何者?


2017年6月、京都に草間彌生さんの作品を集めた「フォーエバー現代美術館 祇園京都」が誕生しました。秋田県で30年にわたって収集されてきた草間彌生作品が、縁あって京都にやってきたのです。
しかも、1913年に建てられた登録有形文化財「八坂倶楽部」で畳敷きの部屋に展示するという、斬新なスタイルの美術館!カフェのスイーツも、水玉仕様でかわいいですよ。

大規模な草間彌生コレクションが、秋田から京都へ

写真:FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園京都

フォーエバー現代美術館の代表者は、穂積恒氏。秋田県で病院や介護施設を経営している医師であり、草間彌生作品の世界的なコレクターでもあります。コレクションは約400点に及び、版画作品に至っては全作品の95%にあたる352点を収蔵しているというから驚きですね。
穂積氏は、2006年には秋田にフォーエバー現代美術館(2009年閉館)を、2011年には同じく秋田にギャラリー併設の介護施設を建設し、秋田に現代美術のアート空間を提供してきました。
そして2017年6月、そのコレクションが伝統文化の息づく京都へやってきたのです。場所は建仁寺のすぐ近く。祇園甲部歌舞練場内にある八坂倶楽部が「フォーエバー現代美術館 祇園京都」となっています。

写真:HIRATA ERIKO

歌舞練場の隣にある野外作品「南瓜」(2007年)は、入館しなくても見ることができます。通りすがりにこの南瓜を見つけ、美術館ができていることに気づく京都民も多いようですよ。
なお、こちらは2017年2〜5月にかけて東京の国立新美術館で行われた草間彌生展「わが永遠の魂」にも貸し出されたもので、フォーエバー現代美術館を象徴する作品のひとつです。

写真:FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園京都

2階の展示スペースが拡張される予定のため、現在はプレオープン期間という位置づけ。「My Soul Forever」というテーマで、約80点の作品が4部屋に分けて展示されています。
なお、当初は2017年10月29日までの予定でしたが、好評のため、2018年2月25日(日)まで会期が延長されることが決定しています。
館内は廊下の赤、各室の青や黄色の壁など鮮やかで、日本の伝統文化と現代美術が調和した空間。展示されているひとつひとつの作品だけでなく、この美術館自体もひとつのアート作品であるかのようです。
そして、こちらの美術館の最大の特徴は畳敷きであること。混雑していなければ畳に座っての鑑賞もできるため、作品が少し低い位置に展示されているほどです。靴を脱いで入館しますので、素足で訪問する方は靴下を持参されると良いでしょう。

1階の展示室は、各部屋ごとに異なる世界観

写真:HIRATA ERIKO

第1展示室で来場者を迎えるのは、壁一面を覆うように展示されている「黄樹」(1992年)。右側に展示された草間彌生さんの写真とともに、圧倒的な存在感を放っています。
この展示室のほかの作品は、渡米前の1950年代に描かれた初期の作品群。カンバスのサイズは小さく、題名が付いていない作品もありますが、すでに水玉や網の模様は描かれています。
※携帯でのみ撮影可能なエリアですが、許可を得てデジタルカメラで撮影しています。

写真:FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園京都

第2展示室は、ニューヨーク時代から帰国後までの作品群が中心。「無限の網」(1963年)や「A PUMPKIN」(2007年)などの大型作品だけでなく、百科事典を切り抜いた写真をコラージュした作品などもあり、「こんな作品もあったのか」と新しい発見もあることでしょう。
そしてこの展示室で印象的なのは、なんといっても青い壁。これは京都の花街でも使われていた色なのだそう。畳と壁と作品が見事に調和して、息をのむ美しさです。

写真:HIRATA ERIKO

第3展示室は中期以降の作品を集めたスペースで、ドレスや靴、帽子などファッションをモチーフにした作品が多数展示されています。
とは言え、まず目に飛び込んでくるのは緑色で大きな「雑草」(1996年)。初期のころから描かれていた網目の模様が、より抽象的、立体的に表現された作品です。
※撮影禁止エリアですが、許可を得て撮影しています。

2階の第4展示室は、広大な舞台座敷を生かしたギャラリー

写真:FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園京都

2階にある第4展示室は、時代にとらわれず様々なモチーフの作品を集めたスペースになっています。もとは舞台のあるお座敷なので非常に広く、奥の舞台上にある作品が彼方に感じるほどです。
魚介類や動植物の版画(シルクスクリーン)が中心ですが、色違いで同じデザインの版画が並んでいるさまは見応えがあります。これは、版画を多数収蔵しているフォーエバー現代美術館の強みと言えるでしょう。
なお、展示ボードの深みのある赤は第2展示室の青と同じく、京都の花街で使われていた色なのだそうです。
※建物が古い文化財であるため、2階へ上がる手段は階段のみです。

写真:HIRATA ERIKO

舞台上で静かに照らされているのは、「私の魂を乗せてゆくボート」(1989年)。既成の手漕ぎボートに、水玉模様の布製の突起物を貼り付けた作品です。魂を乗せるためのボートが無数の水玉で覆われていることは、草間彌生氏の世界観を象徴しているように感じますね。
※携帯でのみ撮影可能なエリアですが、許可を得てデジタルカメラで撮影しています。

写真:HIRATA ERIKO

草間彌生作品と言えば、赤と白の水玉。そんなイメージを持っている人も多いかもしれません。こちらの美術館には紅白の作品はそう多くありませんが、第4展示室の一角には、「私の犬リンリン」(2009年)などの愛らしい作品が展示されています。
※撮影禁止エリアですが、許可を得て撮影しています。

着物で訪れたくなる、四季折々の純日本庭園

写真:HIRATA ERIKO

館内には縁側があり、庭を眺められる休憩スペースになっています。夏は眩い緑の庭ですが、グランドオープンを迎えるころには紅葉の庭になることでしょう。季節ごとに訪れたくなる美術館ですね。

写真:FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園京都

縁側にはスリッパが用意されていますので、八坂倶楽部を眺めながら庭を散策することもできます。この伝統建築の中に草間彌生作品が並んでいるとは、夢のような贅沢!

写真:HIRATA ERIKO

庭は自由に撮影できますので、着物で訪れて記念撮影するのもいいですね。暑い季節には、番傘も用意されています。

アイデアに脱帽!フォトジェニックな草間彌生スイーツ

写真:HIRATA ERIKO

畳敷きの和室から一転、併設のカフェ「KYOTO GION MUSEUM CAFE(キョウト ギオン ミュージアムカフェ)」は、ハワイアンな雰囲気。大阪のカフェ「NORTHSHORE(ノースショア)」がプロデュースしているお店です。
写真は日替わりの「草間彌生ランチセット」。生野菜たっぷりのメインに玄米ごはん、スープ、デザート、ドリンクが付きます。トッピングにあしらわれているマイクロトマトが、水玉を思わせますね。
ほかに「#わんぱくサンド」「#萌え断」とハッシュタグをつけてインスタに投稿したくなるようなサンドイッチや、コールドプレスジュースも人気です。

写真:HIRATA ERIKO

白玉とレッドカラント(ベリーの一種)で水玉を表現したあんみつは、食べるのがもったいなくなるキュートさ。下には角切りのフルーツとあんこが隠れています。
側面に草間彌生さんの写真がデザインされた水玉模様の器は、隣接するミュージアムショップで販売されています。レッドカラントを手に入れて、おうちで再現してみてはいかがでしょうか。

写真:HIRATA ERIKO

ロールケーキはイチゴとチョコバナナの2種類。インスタ映えを狙うなら赤い水玉模様のイチゴがポップですが、チョコバナナも捨てがたいですね。ほかにジェラートもありますので、何度も訪れて全種類を制覇したくなってしまいます。
さて、京都に突如現れたフォーエバー現代美術館ですが、八坂倶楽部は築100年を超える古い建物。一般的な美術館や博物館のように、半永久的にそこにあるとは限りません。ひとまず1〜2年は大丈夫だろうとのことですが、数年先はどこへ行くかもわからない美術館でもあります。
「行きたい!」と思ったら、善は急げで計画を立ててくださいね。

フォーエバー現代美術館 祇園京都の基本情報

住所:京都市東山区祇園町南側570-2
電話番号:075-532-0270
アクセス:京阪本線・祇園四条駅より徒歩約8分、阪急京都線・河原町駅より徒歩約10分
駐車場:なし
料金:一般:1200円 中高生:800円(2月25日までのプレオープン期間中)
営業時間:午前10:00〜午後6:00(入館は午後17:30まで)
休館日:12月30日〜1月3日
2017年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
FMOCA フォーエバー現代美術館 祇園京都
http://www.fmoca.jp/

【トラベルjpナビゲーター】
HIRATA ERIKO

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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