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逮捕された柔道整復業界の幹部、三橋裕之氏が訴えていた「業界の正常化」とは


柔道整復師の国家試験問題を漏洩したとして、警視庁が10月6日、公益社団法人「日本柔道整復師会」の副会長で、「柔道整復研修試験財団」理事の三橋裕之容疑者(64)ら2人を柔道整復師法違反容疑で逮捕、さらに同月26日に再逮捕するという前代未聞の事件が発覚した。ダイヤモンド編集部は、『週刊ダイヤモンド』2019年11月16日号で特集『接骨・鍼灸・マッサージの深い闇』(全6回)を掲載。三橋容疑者は、インタビューの中で、「制度そのものを根本から変えなければ」と柔道整復業界の正常化を訴えていた。その記事を含め、業界の闇を追求した有料会員向け記事の一部を、期間限定で無料公開する。
※「週刊ダイヤモンド」2019年11月16日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値などの情報は雑誌掲載時のもの

骨盤矯正は柔道整復術ではない
接骨院は柔整の原点に回帰せよ

柔道整復業界はもはや、制度そのものを根本から変えなければ、日整会員を含めて食べていけない事態です。現在の逆境に対し、日整の組織力は低下しています。原因は1988年の規制緩和。日整会員以外にも療養費(保険)の受領委任の取り扱いが認められ、個人の団体や療養費請求代行会社が次々に生まれました。

われわれは公益社団法人ですから、学術講習会など個々の柔整師のもうけにならない事業を当然やる。そうすると「自分の仕事ができない」といって、個人契約に人が流れる。保険の取り扱いも厳しく言うほど人は離れていく。結果、現在の日整への加入率は4割まで下がりました。

柔整師や業界団体の数が増えたことで競争が激しくなり、保険の不正受給だけでなく、一部のチェーン接骨院が喧伝するような骨盤矯正のほか小顔矯正に巻き爪矯正、マッサージなどの柔整師による施術があふれていますよね。ですが、それらの一体どこが柔整術なのでしょうか。

無資格施術者も行う骨盤矯正は簡単に言えばストレッチにすぎませんし、小顔矯正にしても骨は動きません。かつて消費者庁から相談されたのですが、「大学の解剖学の先生に動かないという証明をもらえばいい」と助言したら、同庁は「もらったが、その無資格施術者は『私がやれば動く』と主張している」と。おそらく、「保険を使わなければ何をしてもいい」という感覚なのです。この現状を変えなければいけません。

柔整術とは何かを端的に言えば、骨折や脱臼といった外傷を徒手整復で治す技術です。柔整の手技療法は、例えば骨折が治りかけてきて電気治療に合わせて血行を良くするといった目的を持ってけがを治すためのもの。つまり、マッサージではない。われわれは原点に戻り、柔整術の本来の技を磨き、「けがをしたら接骨院」という認識をあらためて世に広めねば存在意義を失います。(談)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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