激しいバイオレンス描写でヤクザ社会の抗争を描き、話題を巻き起こした北野武監督作『アウトレイジ』から2年。その続編『アウトレイジ ビヨンド』が公開された。昨今少なくなってきた、メジャー映画でヤクザの抗争劇を真正面から描く同作に登場するのは、全員が極悪非道の男たち。北野武、三浦友和、小日向文世、中野英雄らに加えて、今作からの参加組となる西田敏行、塩見三省、神山繁、中尾彬らベテラン俳優陣が、熾烈な下剋上の世界を生き抜く男たちの姿を体現し、その迫力に圧倒される。 西田や塩見など、文部省選定作品などを含めいわゆる善人を演じることが多い俳優たちが、この作品でみせる悪人ぶりは新鮮であり、激しい怒鳴り合いの応酬だけでなく、そのもの静かだが威圧的な空気を感じる居住まいに圧倒されるのも、今作のおもしろさのひとつだろう。前作では、三浦や小日向のなかなかみることのなかった激しい悪の顔の迫力が衝撃的だった。そんなギャップをもっとも感じるのが、前作から続いて出演している加瀬亮だ。演技派俳優として多くの作品に出演。映画を中心に活躍中だが、その細身で物静かそうな容姿からか『アウトレイジ』出演前はヤクザや裏社会に生きる悪人の役はなかった。実際の加瀬も、空き時間があると初対面のスタッフとも談笑する気さくな人柄で、誰もが好感を抱くであろう人当りのよい“いいひと”だ。
2012/10/07