俳優の唐沢寿明が31日、都内で行われたWOWOW『連続ドラマＷ フィクサー Season1』（4月23日スタート）の完成披露試写会イベントに登壇。共演した町田啓太に向かって、「僕もね、町田くんみたいな時期があったんですよ。こう見えても『王子さま』って言われていた。王子さまに点がついて玉子になっちゃった」と絡むなど、重厚なドラマとは相反する軽妙な唐沢節で会場を沸かせた。

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　同作は、脚本家・井上由美子氏が書き下ろすオリジナルドラマシリーズ。唐沢が演じる、政財界のトラブル収拾から企業間の揉め事回避まで、警察や法律では解決できない事案を処理する謎のフィクサー、設楽拳一（したら・けんいち）の暗躍と金（カネ）と権力に群がる人間たちを全3シーズンにわたって描く。

　イベントには、ほかに、藤木直人、内田有紀、小泉孝太郎、要潤、小林薫、西浦正記監督が出席。最初にあいさつした唐沢は開口一番「まりもっこりです。好きで緑色のスーツを着ているんじゃないんですよ」と言い、全身緑色の北海道のマスコットの名前を出して笑いを誘った。井上由美子脚本の作品は4作目だが、「いままでで一番いいんじゃないですかね。そう言わないとね」と絶口調。

　その後、唐沢は自身が演じる設楽拳一について「気持ち悪い」「とにかくキモイ」「本当にキモイ」と連発。そこへ西浦監督が、「いかに設楽拳一が謎の人物かというのを非常に気を付けて、それをどんどん助長していこうと思って演出したので、なんだろうこいつ、気持ち悪いなって思っていただけたら幸い」と追い打ちをかけ、唐沢が「やっぱり気持ち悪いんだ…」とすねる一幕もあった。

　西浦監督は「謎めいた人物に見えるように、唐沢さんにはすごく笑ってもらっている。ニヤリだったり高笑いだったり、いろんな種類の笑いを観ていただくのも楽しいと思います」と、力説。唐沢も「普通の人ぽくないところがいいんじゃないですかね、どういう生活をしているのかもわからない。たまに出てくると笑っているし。キモイんですよ。それでいいのよ」と話した。

　そんな唐沢に対し、内田は「ただキモイだけじゃない。人にはいろんな面がある」と必死にフォローを試みるが、「唐沢さんが近づいてくるシーンや突然ふっと振り向くと急に立っていたり、西浦監督がキモイ演出をするんですが」と思わずキモイことを認める発言も。

　その流れで唐沢が「僕にも町田くんみたいな時期が…」と切り出し、「玉子になって、キモイになっちゃった。あなたも年齢を重ねれば、王子に点がついた玉子になるのよ」と言われた町田は「玉子を目指します」と返し、内田が「何の助言ですか」と突っ込む、仲の良さ垣間見せた。

　唐沢の「王子」時代を裏付けるような発言もあった。総理の首席秘書官・中埜弘輝役を演じ、唐沢との共演シーンも多い藤木は「僕が役者になる前、20歳の時に『愛という名のもとに』を観てから唐沢さんは僕の心の中のリーダー。共演できるのはご褒美だと思ってがんばりたいと思った。しかも、一番好きなドラマが『白い巨塔』で、井上さんの作品で共演できたのは、ご褒美のご褒美。撮影が終わった後に唐沢さんにおいしいお寿司をごちそうになったのは、ご褒美のご褒美のご褒美でした」と話していた。

　同ドラマは4月23日より、WOWOWプライム・WOWOW4Kにて放送（毎週日曜　後10:00、全5話※第1話無料放送）、WOWOWオンデマンドにて配信（各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信）。