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学生アスリートがイメージできない「競技を続ける未来」…“キャリア確立”をサポートする、 三井住友銀行の新たな挑戦

 昨今のスポーツ界では、女子競技人口の減少が一つの課題に。特に18歳(高校卒業時)を境に一気に減少する傾向が著しく、「スポーツ=部活で終わり」「アスリートとして活躍できるのは一握り」という考え方も根付いている。多くの若年層アスリート、特にライフステージに変化が訪れる女性アスリートは「競技を続ける未来」を描けていない実情がある。企業や社会として、この問題をいかに支えていけるのか? 三井住友銀行(SMBC)では女子バスケチーム「SMBC TOKYO SOLUA(ソルーア、以下SOLUA)」のWリーグ参戦を機に、「競技」と「仕事」の両立と未来を見据えたキャリアモデル確立を目指す新プロジェクトを立ち上げた。その名も、「SOLUACTION! プロジェクト」! アスリートはどのような課題と対峙しているのか?

mokuji目次

  1. 「ママ社員だから、夢を諦めなければいけないのか?」育児家事とアスリートの両立
  2. 「女子アスリートの91%が競技と仕事の両立をカッコいいと思っている」
  3. 「競技を続ける未来」を描く…女性アスリートの仕事とスポーツの両立を支援する「SOLUACTION! プロジェクト」が開始
  4. 「SMBC TOKYO SOLUA」新体制の発表で、福留頭取が決意「女子スポーツ発展に寄与し、社会に貢献できるチームに」

「ママ社員だから、夢を諦めなければいけないのか?」育児家事とアスリートの両立

 7月17日、女子バスケチーム「SMBC TOKYO SOLUA(ソルーア)」の新体制・新プロジェクト発表会が行われた。トークセッションでは、女子100mハードルの元日本記録保持者・寺田明日香さん、男子400mハードル日本記録保持者・為末大さん、SMBC社員で現役SOLUA選手である平田彩乃さんらが登壇し、若年層アスリートが抱える競技継続の課題について議論が交わされた。

 今回SMBCでは「現役アスリート、過去アスリート、保護者」を対象に「ジェンダーギャップやセカンドキャリア不安による若年層アスリートのスポーツ離れ」に関する調査を実施。その調査によると、現在学生アスリートで「就職後もプロ・社会人アスリートとして続ける予定」と答えた人は、男性10.0%、女性1.0%。実に9%もの格差があったという。
 これに対して寺田さんは「思っていた以上に(女子は)少ないですね。やはり女性は男性よりもライフステージの中での選択(結婚、出産など)を求められる機会が多くなりますが、自分の将来を見据えた時に、スポーツと仕事との両立をイメージできないのかなと感じました」と、為末さんは「こんなにも大きな開きがあるのはショックですね。学生の頃は『その道(アスリート)に行けば幸せになれるのか?』と考えますが、将来結婚したい、子どもがほしいということもイメージして考えると、生き方に関するロールモデルが少ないのではないかと思います」と私見を述べた。
 さらに「女性アスリートの75%が周囲の反対で社会人の競技継続を断念」「女性アスリートの81%が結婚・出産・育児を理由に、社会人での競技継続を断念」というデータもある。
 結婚・出産を経て、現役ママ選手として活躍している寺田さんは、「やはり”周りの目”というのは大きいです。直接自分に届く声もあれば、空気感や同調圧力のようなものもあります。前例がないと、周りからの”口撃”も大きいんです。私も出産後に復帰した時、『母親なんだから家事育児に専念しては?』という声もあって、『やっぱり自分の夢は諦めなきゃいけないんだ』と思ったこともありました。そういう声がなくなっていけばいいなと思います」と自らの経験を交えて話した。

「女子アスリートの91%が競技と仕事の両立をカッコいいと思っている」

 一方で、「女子アスリートの74%が働きながら競技を続けたいと思っている」「女子アスリートの91%が競技と仕事の両立をカッコいいと思っている」とのデータもある。つまり「競技を続けたい」という気持ちを持つ人は多いのに、実際にはほとんどの人が断念している。意識と行動の間に大きなギャップがあるのだ。
 現在SMBCで働きながらSOLUA選手として活躍している平田さんは、大学卒業時の進路選択を振り返って、こんな話をしている。

「大学時代はバスケットボールに打ち込んでいましたが、卒業後は就職する気しかなかったです。やはりアスリートとして生きていけるのは本当に一握りの方だけなので、自分の将来を考えると不安で、就職した方が良いのかなと思って。同級生の男子はプロを目指したり、競技を続けたりする人もいましたが、女子で競技を続けた人はいなかったと思います。その後、私はSOLUAに参加させていただくことになりましたが、これは稀なケースだと思います」

 自身の経験も交えつつ、女子アスリートの実態について語りつくした3人。最後に、現役アスリートたちに熱いメッセージを贈り、トークセッションを締めくくった。
寺田明日香さん
「真面目な人ほど一つのことを一生懸命に頑張ろうと思いがちですが、様々な役割の
”自分”を持つことで、相互に良い影響を与えられるし、視野も広くなります。もっと貪欲に進んでほしいし、そんな自分を好きになってもらえたら一番良いと思います」

為末大さん
「現役の時にやったことは、セカンドキャリアでも良いブリッジになるんです。たとえばチームで力を合わせることは、社会に出てからも役に立ちます。スポーツで学んだことは仕事にも活かせますから、ぜひそういう視点を持ってほしい。何よりスポーツは選手が幸せになるためにやるものですから、これをやって良かったと思ってほしいです」

平田彩乃さん
「仕事とスポーツの両立というのは本当に難しい挑戦だと思いますが、SMBCとしてもSOLUAとしてもこの新しい挑戦にチャレンジして、これからの学生の皆さん、女性アスリートの皆さんの光になれるよう頑張りたいです」
≫「競技スポーツに関する意識調査2025」を見る

「競技を続ける未来」を描く…女性アスリートの仕事とスポーツの両立を支援する「SOLUACTION! プロジェクト」が開始

 SMBCの女子バスケットボールチーム「SMBC TOKYO SOLUA」は、第27回Wリーグ(2025-26シーズン)に参戦することが決定。それを機に、新たな働き方と生き方の選択肢を社会に問いかける「SOLUACTION! プロジェクト」をスタートさせた。 

 先のトークセッションで語られたように、将来の不安や周囲の反対など様々な要因から多くの女子アスリートが「スポーツを続ける未来」を描けない状況にある。また企業が保有するスポーツチームでは「選手を引退して職場に合流しても、多くが社会人1年目の扱いとなり、職場に居づらくなる」という課題もあるという。このような課題を認識し、一人でも多くの女性アスリートが仕事とスポーツを両立できるようサポートするために「SOLUACTION! プロジェクト」を立ち上げた。その最たる事例としてSOLUAが存在しているのだ。

 SMBCでは、SOLUAに所属する選手が現役時代からWリーグでの活躍に加え、将来のキャリア形成に向けて仕事にも積極的に取り組み、引退後も同グループ内で希望する職種で活躍できるキャリアモデルの確立を目指していく。その活動対象を、SOLUAだけに留まらず、スポーツ継続やセカンドキャリアに悩む女子アスリートに新たな選択肢を提供し、社会を明るく照らす存在となるべく「SOLUACTION! プロジェクト」を始動することとなった。

 具体的な活動として、「現役アスリート、過去アスリート、保護者」を対象とした「ジェンダーギャップやセカンド キャリア不安による若年層アスリートのスポーツ離れ」に関する調査を実施。現在の「競技とキャリアの両立における課題」を把握し、その結果をもとに7月末〜8月上旬にかけて東京都と岡山県にて屋外広告の掲出。世の中に新たな働き方と生き方の選択肢を社会に問いかけていく。
 社会的価値創造推進部長である市邦仁さんは、SOLUACTION! プロジェクトの意義について「目指すところは、仕事とスポーツの両立に関する実態を改善すること、そして将来の不安の解消です。現役時代から仕事に励んでいただき、将来に向かって引き出しをいくつか持っていただく。そして引退後も、適性を見ながら、次のセカンドキャリアへとつなげていく。この取り組みはSOLUAだけでなく、SMBCグループ全体にとっても非常に大きなチャレンジだと捉えています。さらに地域社会への貢献も考え、女子アスリートを中心にしながら、次世代の子どもたちをも含めた展開をしていこうと思っています」と述べた。

 またSOLUACTION! プロジェクトにはアディダス ジャパンもパートナー企業として賛同。今後は、現在アディダス ジャパンにて取り組まれているバスケットボールやマルチスポーツの活動と連携し、Wリーグのホームゲームはもちろん、三井住友銀行が手がける子どもの居場所拠点「アトリエ・バンライ-ITABASHI-」などにおいても様々な協業を進めていく。
 参加者には三井住友銀行の担当者による金融経済教育を実施するとともに、SOLUA の選手と直接対話ができるブースを設け、競技とキャリアの両立について具体的なイメージをもてる機会を提供していく予定だ。

「SMBC TOKYO SOLUA」新体制の発表で、福留頭取が決意「女子スポーツ発展に寄与し、社会に貢献できるチームに」

 記者会見では「SMBC TOKYO SOLUA」の新体制が発表され、選手たちが真新しいユニフォーム姿で登壇。
 SOLUA選手を代表して中村和泉キャプテンは「SOLUAは仕事と競技の両立をコンセプトとしています。この両立を私たちがしっかり体現することで、両立を目指しているすべての女性アスリートの先頭に立って走って行けたらと考えています」と、ヘッドコーチの今野駿氏は「バスケットボールの試合に勝てばいいという問題ではなく、日頃の仕事場での態度や挨拶など、当たり前のことをしっかりとやっていけるチームを作り上げていきたいと思います」と力強く語った。
 SOLUAのWリーグ参戦にあたり、三井住友銀行 頭取CEO・福留朗裕氏は「SOLUAのWリーグ参戦は、第一に社員のエンゲージメントにつながると思います」と今後の戦略と展望を明かした。

「挑戦するからには、社員やファンの皆様に愛され、応援されるチームになってほしいですし、そのためのサポートは惜しみません。SOLUAはバスケットボールで強いだけでなく、女子スポーツの発展に寄与し、社会に貢献できるチームにならなければいけない。そうした思いから、「SOLUACTION! プロジェクト」を通して、真に仕事とスポーツを両立できるキャリアモデルの確立に挑んでいく所存です」

 SMBCとして“挑戦の礎”となる新チーム「SMBC TOKYO SOLUA」。女子アスリートのみならず、スポーツ界全体の活性化にも一石を投じるものとして期待される「SOLUACTION! プロジェクト」。いかにアスリートたちの未来を変えてゆけるのか、今後の動向が注目されるところだ。
■SMBC TOKYO SOLUA:三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/solua/
sponsored by 三井住友銀行

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