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メンズアイドルグループ38組が一大プロジェクトに参戦 『リアルアイドルプロジェクト』が“推し”の新たな魅力を掘り起こす

 メンズアイドルグループ業界に革命が起きようとしている。事務所の垣根を超えて38組のメンズアイドルグループそれぞれが同じ楽曲『トキメキUNITED』でパフォーマンスを魅せる『リアルアイドルプロジェクト』だ。“推し活”がトレンドワードとなった現在、アイドル市場は1500億円の経済規模を持つと言われる。中でも昨今、大きな盛り上がりを見せるメンズアイドル業界。だが多様性に富み、カラーや人数も違うメンズアイドルグループそれぞれが同じ楽曲でのパフォーマンスを披露するのは困難も生じるはず。自身もPASSPO☆元メンバーで、FRUITS ZIPPERなど多くの女性アイドルグループの振り付けを手掛けてきた槙田紗子に『トキメキUNITED』の振り付けへの想いやメンズアイドル観について話を聞いた。

振りのポイントは“昭和のこぶし”「現在のアイドルのルーツと思われる振りが直感的に浮かんだ」

――38組のメンズアイドルグループが同じ楽曲『トキメキUNITED』でパフォーマンスする、そしてその振り付けを担当すると依頼を受けた時の感想をお願いします。

槙田紗子今回の『トキメキUNITED』は作詞・作曲が玉屋2060%さん、振り付けが私という、メンズアイドルグループのパンダドラゴンの『パLIFE! パLIKE! パLOUGH! パLOVE!』という楽曲と同じタッグなのですが、今回の企画では大きなプレッシャーを感じました。『パLIFE!〜』がおかげさまでTikTokで大きな反響を得られた上に、38組のアイドルグループと一緒になって動いていくという大規模な企画のなかで、「玉屋さんとのペアでやるということは絶対にバズらせないといけない」という強い使命感を覚えました(笑)。

――玉屋さんの『トキメキUNITED』を聞かれての印象は?

槙田紗子「玉屋さん節だな」「最高だな」というのがありつつ、自分たちを肯定するテーマがあるように感じました。系統も歴史もメンバーそれぞれの空気感もまったく違うさまざまなななかでも「志は一緒だよね」という芯があるように感じたので、とても素敵だし、アイドルという職業を突き詰めた楽曲だと思いました。

――38組すべてが踊る振り付け、という意味でも相当困難に思えるのですが。

槙田紗子当時、私は38組中パンダドラゴンとナナクロニクルしか振り付けをしたことなく、その他のグループさんのことはまったく分からない状態でした。もちろん拝見したことがあるグループは何組かいるんですけど、自分の知らない子たちに踊ってもらうことも考え、その難しさに「どうしよう」と悩みました。楽曲がポップでキャッチーで可愛さやふざけたところも入った曲なのですが、ロック系だったりヒップホップ系だったり、ゴリゴリのダンスで魅せたりとそれぞれのグループの持ち味がさまざまななかで、(楽曲の世界観とグループの良さに)違和感が出たらどうしよう、やってもらえるのだろうかという不安がありました。

 とはいえ、振付師の仕事というのは、やはり楽曲に対していい振り付けを作ること。私も覚悟を決めて「アイドルを肯定する」というテーマを崩さないなかで、そこにフィットするおふざけを入れました。例えば、昭和の郷ひろみさんや田原俊彦さん、近藤真彦さんたちが魅せた、令和の今ではすることはないだろう古いポーズや、逆に今っぽいハートマークを入れたりキザな感じを入れて「自分大好き」感を取り入れました。

――なぜ敢えて昭和を取り入れたのですか?

槙田紗子私もリアルタイムではないのですが、当時のアイドルはそういったある種恥じらいのない魅せ方をプロ意識でやりきっていたと思うんです。いつの時代もアイドルはいますが、現在のアイドルのルーツと思われる振りが直感的に浮かびました。またサビにも「夢、そして光」など演歌っぽいと個人的に感じて、その感覚を生かそうと、振りにも“こぶし”を取り入れました。

 そもそも私の振り付けが“令和っぽい”気がするので、若者ウケする振り付けに昭和のエッセンスを入れた形です。ライブの楽しみ方は人それぞれですが、「一緒に踊りたい」と思わせるような振りを心がけているので、一度見て頭に残ってしまうようなキャッチーさとして、今回は昭和っぽさを入れ込みました。

メンズアイドルにも“かわいさ”にこだわるワケ「女性が男性を愛しいと思う瞬間は“かわいい”の感情が生まれたとき」

  • 槙田紗子

    槙田紗子

――38組がすべて同じ楽曲の同じ振り付けという部分では、グループそれぞれにお約束や歌割り、個人特有の仕草やポーズ、踊りながら歌うのか、歌いながら踊るのかなど、たくさんの課題があるように思います。

槙田紗子そうですね。例えば挨拶をする時にポーズがあるグループも多いので、そこは「空白」にして「それぞれのポーズを入れてください」といった形で作っています。またフォーメーションに関しては、グループごとに人数もやり方も違いが必ずあります。サビを一人で歌うことにこだわるグループ、ユニゾンのグループ、半々のグループなど、さまざまなのであえてシンプルにしました。振り付けは基本、歌割りがあるなかでフォーメーションまで作り込んでいくものですが、今回はフォーメーションではなくダンスだけで魅せなければいけないのが難しく、普通の振り付けとの大きな違いでした。またソロパートのダンスでは歌わなくていいなど、グループの個性や自由さも意識したつもりです。

――超ときめき▽宣伝部(▽=ハート)やFRUITS ZIPPERなど女性アイドルグループの振り付けを手掛けられてきましたが、振り付けをされる際に、男性と女性アイドルグループでの見せ方の違いもあるのでしょうか。

槙田紗子私はファンが喜ぶものを…ということを心がけていまして、そこの根本的なところでは男女変わりません。ただ男女は体のつくりが違う。例えば男性は骨盤が固くて動きにくい。女性アイドルでしたら衣装もスカートで広がっていますから骨盤を振ったり体をなるべくひねったりというところで、いかにカッコいい系グループだったとしても“女性らしいかわいらしさ”を常にどこかで意識しています。男性の場合も可愛い曲を担当させていただくことが多いので、その場合は体のつくりを考えた上で、“かわいらしさ”が出るように心がけています。

──槙田さんが“かわいらしさ”にこだわる理由は?

槙田紗子持論ですが、結局女性って、男性に対して「愛おしい」と思う瞬間は「かわいい」という感情が生まれたときなのではないかと思うんです。リアルな恋愛でもそうだと思うんですけど、好きでもない人に「かわいい」とはならないですよね。好きという前提で、お茶目だったりドジだったり…。カッコいいのにドジをして照れる姿はやっぱり見ていて「うわー?」ってなるじゃないですか。そういうのって“推し活”でも大切だと思っていて、特にここ昨今は男性の「かわいい」の需要がどんどん高まっているように思います。

『リアルアイドルプロジェクト』がなければ見られなかった推しへの新たな発見を

――改めて、槙田さんからみた『リアルアイドルプロジェクト』の魅力はどんなところだと考えますか。

槙田紗子今、芸能界の形が変わってきているなかで、メンズアイドルグループにどんどん光が当たる時代になってきていると感じます。これに従い、男性が「アイドルになりたい」と言いやすくなっていると思うんですね。その時代に、事務所の垣根を超えるというのは大人の事情もたくさんあるので本当に大変なことですが、それを成し遂げたというパッションに感動しました。メンズアイドル業界自体が盛り上がろうとしている動きも感じました。

『リアルアイドルプロジェクト』以前と以降で、男性アイドルグループ業界が変わるぐらいのものになればいいなと思います。

――最後に『リアルアイドルプロジェクト』を推されるファンの方に向けて、メッセージをお願いします。

槙田紗子アイドルグループは基本、自分たちの曲を普段魅せています。今回の『トキメキUNITED』のような曲を歌う機会も、『リアルアイドルプロジェクト』がなければなかったはず。自分たちの曲じゃない音楽と振り付けを通して、新たな推しの魅力の発見につながればいいなと思っています。私のカラーの振り付けで恐縮ではありますが、“いつもとは違う”推し活を楽しんでいただけますとうれしいです。
(取材・文/衣輪晋一)

『トキメキUNITED』

発売:4月2日
公式HP:https://rockfield.tokyo/realidolproject/
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