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(更新: ORICON NEWS

榮倉奈々、起業&CEO就任の理由語る「“賀来奈々”として、社会と繋がりたかった」 背景に夫の支え

 14歳で雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとして芸能界入りし、昨年デビュー20周年を迎えた榮倉奈々。これまで俳優として映画『余命1ヶ月の花嫁』『図書館戦争』シリーズ、ドラマ『Nのために』『東京タラレバ娘』など、数多くの作品に出演してきた彼女が先月、アパレルブランド「newnow(ニューナウ)」を立ち上げ、それに伴う新会社設立およびCEO就任を発表した。’16年に俳優の賀来賢人と結婚し、現在二児の母でもある榮倉は、子育てを機に、改めて社会との繋がりについて考えるようになったという。代表取締役就任への想いを聞いた。

育児を通して、初めて社会に出た感覚があった「今まで整えられた環境にいたと実感」

――「newnow」を立ち上げられたきっかけ、想いを教えてください。

榮倉奈々 かねてから芸能人“榮倉奈々”としてではなく、“賀来奈々”として、社会と繋がっていきたい思いがありました。子育てを通して、初めて社会に出た感覚があって、今まで整えられた環境にいたんだなと実感したんです。それと同時に、社会の仕組みをもっと見てみたいと思うようになりました。芸能人としての“榮倉奈々”としてもできたのですが、そうではなく、“一人の社会人”として挑戦してみたい思いがあり、起業に至りました。

――プロデュースのみという形もできたかと思いますが、会社を設立し、CEOに就任された理由は何だったのでしょうか。

榮倉奈々 「newnow」を立ち上げた理由はたくさんあります。その中でも、スタイリストの上杉美雪さんが作った洋服を着たいと思ったことが一番大きなきっかけです。彼女の着ている服・スタイリングを尊敬していたので、上杉さんのフィルターを通した服作りが一緒にできたら嬉しいなという思いからお声がけをしたのですが、上杉さんにディレクションしてもらうからには、彼女の世界観を責任を持って守れる立場に就きたいと思い、新会社を設立しました。
――約1年前から準備されてきたそうですが、実際に事業を立ち上げてみていかがですか。

榮倉奈々 全てのタスクを抱えているので、とにかく時間がいくらあっても足りないです。家の中でもずっと仕事モードになってしまうので、オンオフの仕方から教わるようなスタートでした。でも、起業する前よりも子どもと一緒にいる時間がずっと楽しくなったと感じています。

意識が全部子どもたちに向いていたのが、上手く分散したんですよね。監視をしているつもりはなかったのですが、今の形が、子どもも私もハッピーです。6歳の我が子も「ママ今日も仕事でしょ?頑張ってね」という感じで、応援してくれています。

育児と仕事の両立で重要なのは「頑張りすぎないこと」 起業は夫・賀来賢人も応援

――育児と仕事の両立において、何が大切だと実感されていますか。

榮倉奈々 何より頑張りすぎないことだと思います。自分だけで抱えこまないで、少しでも楽で息が抜ける何かを探した方がいい。私の場合は、家の中のタスクを夫婦で分担しています。スケジュールに波がある仕事なので、夫が忙しい時は私が家を担当、私が忙しい時は夫が。両親に助けてもらっていることもあります。そうでなければ、仕事と育児の両立はできなかった。今までは“自分がやらなきゃ”と思っていたけれど、「人を頼る」という修行の最中です。

責任感でいっぱいだった6年前の自分に、「もうちょっと手抜きなよ」「親が思うより子どもはたくましく育つから」と言ってあげたいです。でも、その渦中にいるとその言葉は受け入れられなかったりするんですよね…。
――「newnow」のメインビジュアルには夫の賀来賢人さんが登場されましたが、どのような想いで2ショットを撮影されたのでしょうか。

榮倉奈々 商品がユニセックスであることを表現したかったこともありますし、家族で着てほしいという思いを込めました。会社の立ち上げに対しても、ずっと「やりたいようにやったらいいよ」と応援してくれていたので、ローンチタイミングのメインビジュアルにも出てもらいました。

――受注生産を基本とされている理由を教えて下さい。


榮倉奈々 作り手の責任として、過剰な在庫を持って無駄な物を増やさないことを目標にしています。とはいえ、洋服は日常品ですし、着たい服や着心地の良い服を着ると幸せな気持ちになることに変わりはない。洗練された女性像を提案し続けたい気持ちもあるので、両立させるために受注生産という形にしています。サスティナビリティの輪が広がり、生活していることが社会に還元していくシステムにしたいという目標です。

20周年振り返り「激動であまり記憶がない」 出産を経て、仕事への向き合い方に変化

――昨年デビュー20周年を迎えられましたが、振り返っていかがですか。

榮倉奈々 激動であまり記憶がない、ということが本音です。建設的に問題解決をする知識がなかったので、悶々と悩んで答えを探すという時間が長かったですね。そういう環境も変えていきたいと思い、起業したかったというのもあります。企業の中で起こった問題を解決するときには、誰でも理解できる言葉を使って道筋を立てることが必要だと思うのですが、そういう経験がしたいという思いもありました。

――芸能界は特に変化が激しい業界だと思います。そこに対して、疲弊感を感じることはなかったですか。


榮倉奈々 ”榮倉奈々”という商品であること、を理解することが大切だったと今は思います。”榮倉奈々”が消費されていってしまうと、自分の心もすり減るのは当たり前なので、極力そうならないように距離の取り方に気をつけていました。ただ、自分がこれまで守られた場所にいたなと思う理由の一つは、周りに気を遣わせてしまい、本音が聞けていないと思ったから。なので今回、受注会で実際に直接お客様と会話できたことはとても新鮮でした。「newnow」に対しても消費されるブランドにはなりたくないという共通した思いがあります。
――SNSが普及し、様々な意見や過多な情報に感情を揺さぶられてしまう方も多いようですが、榮倉さんはそのようなご経験はありますか。

榮倉奈々 もちろん私自身もそういう気持ちに振り回されていた時もありましたし、トゲトゲした気持ちの時もあったと思います。まさに6年前に出産した時は分からないことばかりで、育児について検索しすぎて頭でっかちになってしまったので、2人目の時はあまり見ないようにしていました。物理的にデバイスと距離を置いたり、他にエビデンスがしっかりある情報から知識をつけるということが大切かなと思っています。

――結婚や出産を経て、仕事への向き合い方に変化はありましたか。

榮倉奈々 生活の中に育児が加わり、時間の制約ができてからは、受けられる仕事と受けられない仕事が明確になりました。受けさせていただける仕事の有り難さをより強く感じるようになったのは事実です。それと共に、自分の為だけに仕事をすることへの価値が私の中になくなりました。社会貢献へつながるように…という言葉を使うと大袈裟で恥ずかしくてしっくりこないですが、目標の立て方が社会への還元、地球への還元という部分への意識が大きくなったと思います。newnowとしても、そのような目標を立てつつ、まずは企業としてどっしり構えられるよう弊社一同努力している最中です。
newnow(外部サイト)
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