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『【推しの子】』星野アイ、メイクで目の輝きまで完全再現 リスペクトが肝になる“ものまねメイク”のこだわり

 アニメの第二期制作が発表された、『【推しの子】』。YOASOBIによる主題歌「アイドル」のMVのダンスを実際のアイドルたちがカバーした動画に反響が集まり、HIKAKINによるMVの完コピが話題になるなど、たくさんの関連コンテンツがアップされたが、なかでもひと際“再現性”を追求していたのが、YouTuberハウスダストさんによるメイク動画だ。写真の分析、メイクの練習、目の輝きを表現する照明の制作など、膨大な時間をかけられた星野アイの「ものまねメイク」は、どのように作られたのか? ハウスダストさんに「ものまねメイク」をする時のこだわり、キャラクターへの想いを聞いた。

アニメキャラの分析、メイク練習…リスペクトで仕上げた『【推しの子】』メイク

――『【推しの子】』の星野アイのメイクを再現した動画が今年5月にアップされ、100万回を超える再生数に。反響も多かったと思いますが、どう受け止めていますか?

「すごく嬉しかったです。アニメ系になると、そのアニメキャラが好きな方がいるので、いかにそこから離れないようにメイクをしていくかがめちゃくちゃ大事だと思っていて。大元から絶対に離してはいけないんです。いかに近くするかも大事ですが、パッと見たときに『こうじゃない』と思われてはいけない。

ものすごく膨大な数の写真を見るところから始めて、原作はこうだけどアニメはこうだと比較して、その違いを答えられるようにしました。『ちゃんと星野アイちゃんのことが好きな子なんだな』とわかっていただけるようにするのが、最大のリスペクトだと考えていました」

――そのレベルにいたるまでには、練習も必要?

「めっちゃしました。星野アイちゃんのメイクの練習にかかった時間は、7時間ぐらい。結構長く時間をとりましたね。つけまつ毛のデザイン、カラコンまで確認して。星野アイちゃんの目は独特で、基本的には紫色ですが下側がピンクになっています。それはなぜなのか…衣装のピンクが反射しているのか、髪の毛が反射して紫に見えているのかとか。どうしたらグラデーションがかった目になれるのか、その方法についても動画でたくさん語りました。『そういう視点があったんだ』と反応をもらえて、自分のメイクが正解か不正解かは置いといて、そうする理由がものすごく大事なので。星野アイちゃんのメイクをやりたかった気持ちが伝わるようにしたいと考えました」

――星野アイちゃんのメイクの特徴をどのように捉えていましたか?

「星野アイちゃんは、まつ毛がバサバサだったり、眉毛が吊っていたりしていて。そこに“意志の強さ”とか、“アイドルをやる上での決意”が表われている気がしたんです。ただかわいい女の子だったら“たれ眉”でいいのに、星野アイちゃんはそうじゃないんです。『嘘はとびきりの愛』というフレーズがありますが、絶対に嘘をつき続ける、つき通すという意思の強さを感じた顔でした」

――星野アイちゃんメイクの難しかった部分は?

「まつ毛がバサバサだったので、それをどう表現するかということですね。つけまつ毛をつけるとケバく見えてしまいます。それでコスプレとして成立するのかを考えました。あまりに強く見えすぎてもよくないので、最後まで自まつ毛で行くか、つけまつげで行くか、すごく悩みました。

 リップメイクについても悩みました。アニメキャラの唇って線で表現されているんですよね。唇のぷるんとしている部分って人間の要素でしかないので、コスプレとしてはつけないほうがいいなって。だから外側の輪郭部分を消して、グロスだけで仕上げてみようと進めていきました」

星野アイを象徴する“キラキラの目”、ライトを写り込ませるこだわりも

星野アイの”目のキラキラ”再現のため、ライトを組み合わせて自分の目に移り込ませようと考えたハウスダストさん

星野アイの”目のキラキラ”再現のため、ライトを組み合わせて自分の目に移り込ませようと考えたハウスダストさん

――特徴的なのは、キラキラの目ですよね。アイメイクについて、どのようなところにこだわりましたか?

「星野アイちゃんは目をアップで見てみると、下まつ毛まで書いてあるのでそこはしっかりと書きました。目元がキラキラしているので、上まぶたにラメを入れたりとか、そういう工夫をしながらメイクを進めていきました。ちょっとケバくなったとしても星野アイちゃんだったら成立するかなと納得して、みんなにはしっかり理由も言って納得してもらえたんじゃないかなと思っています」

――キラキラの目を再現するために、特徴的なライトを使っていましたね。

「目に入れる光、あの輝きを加工で入れるのはちょっと違うよね、という話をマネージャーとして。棒状のライトを組み合わせて固定させたものを光らせて、すごく近い距離に置くことで、自分の目に移り込ませて撮影しました。普通に顔を映すだけではその光は見えなくて。目を強調させるエフェクトがあったので、動画ではさらにそれを使って、アイちゃんのあの目力を作っていった感じです」

――すごいアイデアですよね。

「愛が伝わってくれたらいいなという思いで作ったんです。普段のメイクの参考にはならないので、コスプレメイクが100万再生いったのは本当に奇跡なんです。みんなが楽しんでくれたらいいよねという思いと、私がすごく考察が好きなので、そういうところも話せればと今回このメイク動画に挑戦しました。本当に星野アイちゃんが好きな人たちが、星野アイを検索をして見に来てくれたという感じでした」

――ものまねメイクをするには、その人が使っているものを実際に使ったりする?

「それが王道の方法だと思うのですが、例えばその子と同じカラコンを使ったからといって、同じ目になれるかと言われるとちょっと違うと思っています。重要なのは比率です。黒目と白目の比率を、なりたい子と同じにする。ある程度同じデザインだったら、アイテムが違くてもそうするほうが近づけると気づいたんです。

自分が鏡を見たときに、その子と同じような色味に発色しているかが大事です。鏡で見たときの感じと、なりたい子の写真の感じが、同じような色に見えていること。だから私は有名人のものまねメイクをするときも「新しいコスメを買わなくていいよ」と言ったりするんです。同じように発色すればいいだけですから。今持っているコスメで、似たような色で、似たような見え方をすればいいという風に動画を作っています」

――その人の見え方と自分の見え方を照らし合わせることが大事なんですね。

「はい。だから、商品紹介はあまりしないんです。それは私じゃなくてもできると思っていて。話題の人が『これ新しく買ってめっちゃいいんだよね』と言ったら、すぐ売り切れになるくらい、みんな買うじゃないですか。 私もそれなりに、そういう風になってきたとは思っていて、私がいいと言えばみんなはきっと買ってくれると思うんです。ただお金がかかるから、私が頻繁にいろんなものをオススメしたら、みんなのお財布が間に合わなくなっちゃう。なので私は10万人ずつ増えていった記念で新しいコスメを買うことに決めているんですけど、それ以外ではリピートしているものしか買わないですね」

「私を免罪符にして、どんどんみんなが自信を持ってかわいくなっていってくれたらうれしい」

――世界観が好きだというファンの方をがっかりさせないようにする考え方、気を付けているポイントを教えてください。

「例えば、サンリオのキャラクターだったら、“闇落ちマイメロメイク”みたいな感じで、マイメロちゃんを地雷っぽくしたメイクを上げました。その動画もみんなに見ていただけたんですけど、そのクロミちゃんバージョンを作ったときに、何を間違えたのか鼻に黄色を入れてしまったんです。本来クロミちゃんの鼻はピンクだったのに…。あんなに確認したのに、指摘のコメントがきて気づきました。それはよくないと思って、その動画は消しました。考察から対応まで全部リスペクトを持ってやらないと、こちらはキャラクターや人の名前を使わせてもらっていますし、それで収益も発生しているので、絶対にそこはなくしてはいけない部分だと思っています」

――今後動画を発信していく上で、こういうメイクに次は挑戦したいとか、こういうジャンルに注目しているとか、今後の活動についてお聞かせください。

「今までは話題になったものを取り入れてメイクをしていましたが、今後は私が話題を作っていきたいと思っています。私が流行ると言ったメイクが流行っていったら、もっともっとみんなにわかりやすく伝えられると思っていて。

 新しくやりたいことはたくさんありますけど、ずっと変わらないこともすごく大事だと思っています。美容系のYouTuberさんをすっと見ていた側なので、よくありがちなのが、最初は手を出しやすいアイテムを使っていたのに、どんどんデパコスになっていく。みんなお金を持つようになるから、しょうがないのでしょうけど、私はプチプラコスメにもいっぱいいいものがあると思っています。私自身もお金がないなかで、いかにかわいくメイクするかを研究していたので、そこは変わらずにいたいです。そうやって美容系のYouTubeで1番になって、『ハウスダストちゃんが言っているから』って説得力をもってメイクの楽しさを伝えたいです。私を免罪符にして、どんどんみんなが自信を持ってかわいくなっていってくれたらうれしいなって思っています」

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