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【話題のマンガ試し読み】ホリエモン“美少女”化に本人の反応は?『左ききのエレン』作者が描く民間ロケット開発マンガが話題

 ホリエモンこと堀江貴文氏が創業に関わった、民間企業によるロケット開発、打ち上げの裏側をベースにしたマンガが誕生。しかも、なぜかホリエモンは“美少女”として描かれている。リアルとフィクションを融合した『晴天のデルタブイ』(LINEマンガ、ebookjapanで独占先行配信中)は、ドラマ化もされた『左ききのエレン』の作者・かっぴー氏が原作を担当。開発に打ち込む人々の熱い物語が描かれているが、ホリエモンからの反応は…? 作品を企画したナンバーナイン代表の小林琢磨氏と、かっぴー氏に話を聞いた。

ホリエモン“美少女”化の理由「僕にはああ見えてます。本来の姿を書きました」

ロケットの街、北海道大樹町。大学生の天野天は就職活動終了を間近に控え、幼い頃からのロケットへの憧れを諦めかけていた。大学生活最後のペットボトルロケット打ち上げの日、ある男との出会いが天の運命を大きく変えていく。

――そもそも、「民間ロケット開発」を題材に、実話をベースにしたマンガを制作しようと思われたのは?
小林さん宇宙マンガってめちゃくちゃ名作が多いんですけど、基本的にはどうしても未来を描くから、フィクションになりがちなんですよね。その中で、今回はちゃんとリアルを描くっていうところも1つテーマとしてありつつ、エンタテインメントとして、面白さとリアルさをどっちも出さなくちゃいけない。それが日本で1番うまくできるのがかっぴーさんということで、お願いしました。

――かっぴー先生は、『左ききのエレン』でも仕事について描かれましたが、本作のテーマについてはどのように思いましたか?
かっぴーさんマンガのテーマとしては、めちゃくちゃ最高に面白いと思いました。熱い仕事ってマンガにすると面白く書ける題材だと思うんですけど、その中でもロケット開発って夢もあるし、関わる人数も多いし、題材としてはめちゃくちゃいいと思ったのが最初の印象でした。
――とくに話題になっているのが、ロケット開発の会社の創業者のひとり・堀江貴文さんの美少女化です。「キャラクター造形を堀江さんの本来の姿である美少女にしたい」とご自身が熱望されたとのことですが、なぜこうしようと思われたのですか?
かっぴーさん僕にはああ見えてます。本来の姿を書きました。

――小林さんは、かっぴーさんのこのアイデアについてどのように思いましたか?
小林さん「堀江さん、怒らないのかな」って一番最初に思いました。ちょっとヒヤヒヤしながら、堀江さんに確認したの覚えてます。実際はすごく喜んでて、「え、めっちゃかわいいじゃん、めっちゃいいじゃん」みたいな感じで、もうすごいノリノリでした(笑)。かっぴーさんからは、普段ああいう風に見えてるんだろうなって感じなんですけど、女性化のアイデアは本当に天才的だなと思いました。

「今まで読んできたマンガの中でも、ダントツで面白い」ホリエモンも絶賛

――2月7日から配信が開始され、現在までに12話まで配信されています。作品を読まれた堀江さんの反応はいかがでしたか?
小林さん「本当最高、本当に心の底から面白い」と言われました。「今まで読んできたマンガの中でも、ダントツで面白い」という評価をいただいていて。堀江さんとしても、ロケットへの思い入れがすごく強くあると思うので、それがリアルに描かれていたのかなと思います。堀江さんとの付き合いもありますけど、そんなこと言ったの初めてだったので、それぐらい気に入ってらっしゃるのかなとは思いました。

――マンガの内容について、堀江さんから要望が出たことはあるのですか?
小林さん「ディテールを詰めてほしい」みたいな要望をもらったことはないですね。ベースとして、そのINCLUSIVEさん(ナンバーナインと協力体制で本作品を制作)との方で、今の正しい知識っていうのをしっかり出していこうというコンセプトで作っている形です。堀江さんも本当に協力的でびっくりしちゃいました。

――読者の方からさまざまな声が上がっていますが、この反応をどう受け止めていらっしゃいますか?
小林さん北海道の人たちが、本当に自分のことのようにすごく喜んでくれて、ポスターとかを貼ってくださってるみたいで。そういう話を聞くと、北海道の方々が誇りを持ってくれてるんだろうなと感じています。僕はキャッチコピーとして「読むエナジードリンク」って勝手に言ってるんですけど、まさに読むと元気が出るというか、頑張ろうと思えるような、そういう作品になってると思っています。実際そういう感想もいただけるので、本当にかっぴーさんはエナジードリンク製造機だなと思ってます。

かっぴーさん私は、読者の反応はあんまり気にしないですね。まだそんなに反応の数も少ないですし、「ここからかな」っていう感じですね。

宇宙産業に対する熱い思いをすごく届けたい

――本作には、堀江さんを女性化した“ホリエリ”以外にも、主人公の天をはじめ、個性豊かなキャラクターが登場します。描く際に意識したことは?
かっぴーさんロケット開発に限らず、仕事って役割を持つことだと思うんです。本作ではそれぞれの役割がはっきりした状態でキャラにしてるので、イメージしやすかったんですけど。ただ、そうすると最初からキャラクターのレベルが高すぎる。かと言って、僕がこれまで書いてきた作品のように、能力値が低いところから、少しずつ成長していくっていうのだと、ちょっとWebtoonのノリと合わないなと思いました。

――なるほど。
かっぴーさんそこのバランスをどうしようかと考えた時、主人公の天を、最初は別業種を志望してるっていう設定にしました。能力が足りないんじゃなくて、ミスマッチっていうところで、少しずつ役割を見つけていく展開。そのおかげで天が色々悩んだりもしますけど、役割を見つけていく気持ちよさは描けてるんじゃないかなと思います。どんどんフィットしてく感じの成長の仕方だと思うので、そこは描いてても読んでても、多分気持ちいいんじゃないかなと思います。

――設定の段階から物語の展開の心地よさまで考えていらっしゃるんですね。作中、「人を不幸にするのは叶わなかった夢じゃねぇ。追わなかった夢だ」「誰かのために背負ったヤツは、いつか誰かのせいにする」など、人生訓になるような名言が出てきます。これらの言葉はどのように生み出しているのでしょうか?
かっぴーさん日頃思ってることをセリフにしてる感じで、別に名言を書こうと思ってやってるわけではないんです。セリフから入るとウソ臭くなるんですよね。だから毎回「こういう時、このキャラクターだったらなんて言うかな」と、ちゃんと向き合って考えています。「普通だったらこうだよな」と平均的な返答を考えた時、それに対して「このキャラだったらなんて言うかな」というのを、毎回流さずに書いています。いいことを書こうと思ったことはないですね。

――今後もワクワクする展開を期待していますが、どのような展開が待っているのでしょうか? また、読者に届けたい、伝えたいメッセージとは?
小林さんそうですね。基本的には実話を基にしたシンセフィクションとして、続けていく形になります。逆に言うと、どこまで描くかに関しては、読んでのお楽しみっていう形になります。史実としては、民間として世界で4番目、日本で初めてロケットを(宇宙空間まで)飛ばした。言ってしまうと、これが結末です(笑)。だけど、そこまでの過程をどうやって描いていくかが、すごく大事になるのかなと思っていて。宇宙産業に対する熱い思いをしっかり届けたいと思っているので、ぜひ楽しんで読んでいただければなと思っております。

かっぴーさん宇宙を題材にする時に、花形はどうしても宇宙飛行士になりがちです。わかりやすいし。一方で、やはり開発は難しいし、描きにくい。そういった意味で、民間のロケット開発を描くのはすごい珍しいと思います。宇宙という切り口で反応してくれる人はもちろん全員読んでほしいんですけど、一方で、ベンチャー企業の話の側面もあると思うんですよね。ベンチャーマインドみたいな部分は、働く大人にとっては身近な世界にも見えると思うんです。なので、宇宙を目指すという話がそんなに遠い話じゃないんだって思って、読んでもらえたらいいなと思ってます。

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