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SNSで変身シーンが話題の『仮面ライダーギーツ』外国人アクション俳優が語る、日本活動の壁と環境の変化
日本での外国人俳優は、役柄が少なく、役のタイプが限られること
トム・コンスタンタイン 『牙狼-GARO- 神ノ牙-KAMINOKIBA-』(2018年)に出演させていただいて、そこから少しずつ仕事が増えていき、『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズにつながりました。米津玄師さんの「KICKBACK」(2022年)のミュージックビデオにも出演させていただきましたが、その後もいろいろなお話をいただくことが増えています。
――日本で俳優活動をされているなかで、外国人であることの壁を感じることはありますか?
トム・コンスタンタイン 一番は言葉の壁です。求められる日本語能力のハードルが高いこと。それを超えると次は外国人の役が少ないことです。その役もほとんどがストーリーの本筋には関係がなく、セリフも一言二言だけの端役であることが多い。外国人の役柄があっても、ちょっと間の抜けたキャラクターだったり、コメディタッチのシーンの役回りになったり、という作品が多くを占めていることも感じます。
トム・コンスタンタイン 『仮面ライダーギーツ』では序盤から登場するキャラクターの2人が外国人であり、僕はそこに参加することができました。そういう意味では増えているのかもしれません。ただ、まだまだ変わっていく過程です。もっと多様性のある外国人のキャラクターがストーリーの中心に登場して、いろいろな外国人が出演する機会が増えると嬉しいです。
――日本語を話せる外国人のアクション俳優はどのくらいいるのでしょうか?
トム・コンスタンタイン ちゃんとしたアクションができて、しっかりとした日本語を話せる外国人俳優はそれほど多くいない。顔や身体のビジュアルイメージさえ合えば、アクションはできなくても、本来はアクション俳優が必要な役に起用されるケースも多くあります。僕の仕事が増えるのはありがたいのですが、その後に続く人がたくさん出てきてほしい。それによってそういう役が増えていくのと同時に、よい作品がたくさん生まれていくことにつながるのではないでしょうか。
現在は、外国人アクション俳優の発掘や育成、マネジメントも
トム・コンスタンタイン ハリウッド映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(2021年日本公開)の撮影が日本であり、そのときに出演していた外国人俳優で一緒にチームを作ろうという話になりました。そこからです。やはり個人よりグループで協力した方が、仕事の幅が広がります。先日はイギリス人の元軍人を講師に招いたガンアクション・レッスンを実施しましたが、外国人アクション俳優の発掘や育成、マネジメントを行っています。
――日本での俳優活動から伝えたいことはありますか?
トム・コンスタンタイン 夢と目標があって、そこに向かって不眠不休でがんばっていく熱量を持ち続けたから、僕は夢を実現できました。人はいつまででも成長できます。現状に満足せず、挑戦を続けていくことが大事です。それを感じていただけたら嬉しいです。
トム・コンスタンタイン たくさんあります。また新しい『仮面ライダー』に出演して変身したいですし、『スーパー戦隊』シリーズにも出たいです。僕は、昭和時代の顔出し幹部ような役をやってみたいです(笑)。何年経っても観客の心に残るような印象的な役柄を演じることが夢ですね。
――日本での俳優活動はこれからも続けていくのでしょうか?
トム・コンスタンタイン 日本が好きで、これからもずっと日本に住んで俳優を続けていきたいと思います。最近は犬を飼い始めたこともあり、美味しいエサを与えられるように一生懸命頑張ります!(笑)
(文/武井保之)
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