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立体?平面?「脳がバグる」と話題のガンプラ“アニメ塗り” 初心者モデラーからプロまで魅了するその魅力とは?

「プラモデルや塗装が作品として楽しめるものだという可能性を広げていきたい」

 そもそも、せなすけさんがプラモデルの塗装にハマったのは、その原体験が大きく影響。イギリス発の組み立てて、筆で塗装して完成させるプラモデルに触れ、「自分の好きな色で、好きな設定で自分だけのモデルを作ることができるのは、本当に新鮮で楽しいと思いました。あっという間に夢中になってしまいました」と思ったことがきっかけになったという。

 そして、さまざまなプラモデルを組み立て、塗装するなかで、「いろんな塗り方をやってみることで、自分の可能性を広げられるんじゃないか」と、『SDCS アースリィガンダム』をモデルにアニメ塗りにも挑戦した。

「アニメをそのまま手に持てたら面白いんじゃないかと思ったので、そのコンセプトを常に意識して確認しながら作りました。多くの方に作品を見て楽しんでいただきたい一心で仕上げました」

 “人生初のアニメ塗り作品”は、多くの人から賞賛された。

「初めてのチャレンジでしたが、目指していたものに近い作品になったので、それを見て驚いてくれた皆さんのコメントはとてもうれしかったです。手を一緒にしたのも、二次元と三次元を同居させてアニメを手に持っている感じをお見せしたかったので、その点も楽しんでいただけてとても良かったです」
 これまでガンプラを含め、さまざまなプラモデルやフィギュアを“塗装”し、新たな魅力を生み出してきた同氏だが、アニメ塗りにおいては、それまでとは異なる点を意識したという。

「今まで自分が作った作品は特定の光源設定(どこから光が当たっているか)がない360度どこから見ても楽しめるものにしているのですが、『アニメ塗り』は光と影の法則があって、これまでの作品と異なる点を常に意識をして作りました」

 「アニメ塗り挑戦してみたい」と思いながら、そのハードルの高さからなかなかチャレンジできないというモデラーも多いだろう。そんな人たちに向け、アドバイスをもらった。

「いきなり自分で光と影の場所を決めるのは難しいので、まずは何かアニメの一場面やポスターなどのイラストを参考にマネてみるのがいいと思います。だんだん法則が見えてくるのでそこからオリジナルにチャレンジするといいと思います。
 あと、一番大切にしているのが、実際に塗装するときにモデルを持った時のインスピレーションです。アニメなどの設定よりも、このモデルがどう見せて欲しがっているのかを感じながら塗装しています」

 最後に、アニメ塗りの魅力を聞いてみた。

「アニメが立体になって手に持つことができるのがプラモデルやフィギュアですが、それをあえてアニメの世界に寄せることで別のリアルを体感できるのがとても面白いです。立体だけど二次元、でも三次元…また別のリアルを体験できるのが魅力かもしれません。
 私は、自分の感じている楽しさを多くの方に知って欲しいと思うようになり、YouTuber/プロ筆塗りペインターとして、本格的に活動していくようになりました。プロとして活動している限り、自分が楽しむことよりも、見てくれた皆さんが楽しめることを意識しています。プラモデルや塗装が作品として楽しめるものだという可能性を広げて、これからも提示し続けていきたいと思っています」

アニメ塗りは「見る人に楽しみと驚きを与えてくれるトリックアート」

 せなすけさんのように、さまざまなメディアで、塗装の楽しさを伝えている発信者がいる一方で、plamocrossさんは、そういった“カッコいい”ガンプラに魅せられ、自身も挑戦し始めたモデラーといえるだろう。ガンプラ歴1年ほど(取材時)ながら、アニメ塗りを施した『ジム改』で1.5万いいねを獲得。その作品は、やはり「脳がバグる」仕様になっている。

「この『ジム改』はアニメ塗りで仕上げたガンプラの4作目なんですが、作り始めた当初、自分の中でどのように完成させるのかイメージがわかず、素組みのまま放置していたキットでした。その頃は、プラモデルに関するツイートを投稿しても、いいねが1とか2しかついたことがなく、コメントはおろか閲覧数もほとんどない状況。そんな時、アニメ塗りを施した『EGガンダム』の途中経過をツイートしたところ、突然1,000を超えるいいねをいただきました。コメントには、『すごい!!』『脳がバグりました?!!』などの自分では思いもよらない反応がありとてもうれしく感じました。その時にアニメ塗りしやすそうな『ジム改』でもやってみようと思い作成するに至りました」

 そもそも、同氏がアニメ塗りに出会ったのは、昨年の6月ごろ。プラモデルについていろいろと調べているときに、たまたまたどり着いたアニメ塗りのやり方を解説しているWebサイトがきっかけだったという。

「『すごい発想の人がいるんもんだなぁ』と関心しつつ、『自分もやってみよう』と思い実践してみたのが最初です。私は、プラモデル知識が乏しいので、新しいことを生み出すというよりは『カッコいい』とか『すごい』と思った作品を参考に作成をしています。アニメ塗りを作成したのも、その流れのうちのひとつでした」
 自身がアニメ塗り作品を手掛ける際、最も大切にしている工程があるという。

「アニメ塗りで重要な作業の一つがエッジに線を引くこと。この工程の時に一気にアニメっぽさがでてくると思っているので慎重かつ丁寧に作業するようにしています。本作で苦労したところも、やはりこの工程でした。気を抜くと簡単にはみ出したり太くなりすぎたりしてしまうので、アニメ塗りをする時にはいつも苦労しています」

 『ジム改』の制作においては、「カメラアイの白い光の反射にこだわりました。反射をいれたことでアニメらしさが増したと思っています。一番お気に入りです」とそのこだわりを語るplamocrossさん。ガンプラ歴1年ほどの間に、すでにアニメ塗り作品を4作も制作する(取材時)など、どっぷりハマっている様子。最後に、その魅力について聞いた。

「見る人に楽しみと驚きを与えてくれるトリックアートのようなところが魅力だと感じています。自分自身トリックアートを見るのが好きなので、そのような感じのものが自分で作れる面白さもありますね」

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