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SMAP反戦ソング「Triangle」なぜ再注目? “解散”時にもファンからの支持、裏側に“この曲と歩んだ人々の物語”
15年以上前の曲が再注目、なぜSMAPが反戦ソングを歌ったのか?
すると、ランキング上でも影響が見られ、3月1日付「オリコンデイリーデジタルシングル(単曲)ランキング」で3位にランクイン。「オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキング」でも、3月7日付けで89位に浮上、14日付けではなんと11位に急上昇し、初のTOP30入りを果たした。『おはよう日本』(NHK総合)で桑子真帆アナウンサーが、同曲を紹介する際に思わず涙ぐむ、といった場面も見られた。
そんな「Triangle」がSMAPのシングルとしてリリースされたのは、実に15年以上前の2005年。解散目前の2016年12月21日に発売された、最後のベストアルバム『SMAP 25 YEARS』にも収録された。
それまで約400曲を発表してきたSMAPにとっても、異色といえる反戦ソングである同曲は、なぜ生まれたのか。そして、そんな曲が400曲の中からファン投票(総数200万票)で20位に選ばれ、ベストアルバム収録に至ったのはなぜか。世の中に反戦ソングは数々あれど、「Triangle」がいま再注目された理由は、そのあたりに潜んでいるのかもしれない。ここでは、解散が発表された2016年にORICON NEWSで実施された連載企画から、『SMAPベスト盤を読み解く PART.4 あの頃にしか歌えなかった意外な“反戦ソング”』を再掲載。「Triangle」の背景から、ファンの受け止め方、長く愛される楽曲になるまでの経緯を探る。長年SMAPを追ってきたライターが読み解いた、「Triangle」の姿とは?
「Triangle」発売前夜、シングル発売はなく紅白出場も辞退
「世界に一つだけの花」が“ダブルミリオン”を記録した翌年のことだ。この年、香取慎吾はNHK大河ドラマ『新撰組!』に主演、SMAPがデビューして以来初の“ライブツアーのない1年”であり、「シングルを発売しなかったため、披露する曲がない」という理由から、その年の『NHK紅白歌合戦』出場も辞退している。
とはいえ、個々のメンバーの新しい分野への進出ぶりは目覚ましく、中居正広は同年TBSの五輪キャスターに就任、木村拓哉は、ウォン・カーウァイ監督の映画『2046』が公開され、『ハウルの動く城』でジブリ映画の声優に抜擢された。稲垣吾郎がストーリーテラーを務める『本当にあった怖い話』(フジテレビ系)のレギュラー放送が始まったのもこの年だし、三谷幸喜脚本の映画『笑の大学』では役所広司と丁々発止の会話劇の中で、現在に通じる“コメディセンス”を存分に発揮していた。草なぎ剛は、“僕シリーズ”の2作目、『僕と彼女と彼女の生きる道』(フジテレビ系)をヒットさせ、また全編韓国語の日本映画『ホテルビーナス』も話題となった。
ツアーのない夏。SMAPと一緒にはしゃげない夏。それは、ファンの心にちょっとした空洞感のようなものをもたらした。けれど、でも夏の終わりに、香取主演の映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』が公開されたりして、ファンは物足りなさを感じつつも、「来年はきっとすごいお祭りが待っている!」と信じさせてくれるパワーが、それぞれのメンバーには漲っていた。
「世界に一つだけの花」の呪縛? 国民的ソング路線への疑問
でも、7月には宮藤官九郎作詞の「BANG!BANG!バカンス」がリリースされ、ツアータイトルも『SMAPとイク? SMAP SAMPLE TOUR』と遊び心のあるものだったし、シングルとツアーとアルバムの合わせ技で、お祭り的SMAPが帰ってきた嬉しさはあった。シングル曲のように、“1曲”で今のSMAPを表現されても、不満が残ったり、趣味が合わなかったり。大勢の欲望や願望を満たすことは難しい。でも、コンサートでなら、絶対にSMAPは期待を超えるエネルギーや輝きを見せてくれた。