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転売問題渦中の『HG ナイチンゲール』をフラフラになりながら正規購入 “シャア専用”の赤から“オリジナル仕様”の白にカスタムした理由

 今夏、大きな社会問題となったガンプラの高額転売問題。多くの“転売ヤー”が、通販、店舗で人気のモビルスーツのガンプラを買い占め、購入できなかった多くのガンプラモデラーの嘆きがSNSに響き渡った。モデラーの七式ガンプラ部さん(@NanaShikiTak)は、そんな渦中にあったガンプラ『HGナイチンゲール』を、炎天下のなかフラフラになりながら並んで購入。シャア専用機らしい“赤”のイメージを覆す白のクールな機体に見事に変化させた。思い入れが深いという同機を、「オリジナル仕様」にカスタムした狙いとは?

子どもたちにガンプラが届かない状況が悲しい

――近作、『HGナイチンゲール』は、今夏転売問題の渦中にあったガンプラです。七式ガンプラ部さんはどのようにして手に入れたのですか?
七式ガンプラ部発売日当日、開店数時間前から近くの家電量販店に並んで購入しました。ものすごく暑い日でフラフラになりながら、なんとかゲットできました。

――それは大変でしたね。普段から並ぶことも多いのですか?
七式ガンプラ部いえ、私は実店舗での購入機会が少ないからこともあって、並んだことは滅多にありませんでした。『ナイチンゲール』は、ガンプラにハマったきっかけともいえる個人的に大好きなモビルスーツ(MS)で、どうしても手に入れたかったんです。通販で品切れ続出だったので焦って、早朝から並びましたが、ガンプラを買うためにこんなことをするなんて、まったく予想していませんでした。

――SNSでも購入できなかった人が嘆きをつぶやくなど、買い占め、転売問題が浮き彫りになりました。
七式ガンプラ部モデラーからすると、本当に迷惑です。そして一番ガンプラを楽しんで欲しい子どもたちの手にキットが届かない現状を悲しく思います。早く以前の状況に戻ることを祈るばかりです。

――そんな苦労して手に入れた『HGナイチンゲール』を、大胆にカスタムされましたね。
七式ガンプラ部そうですね。ただ、最初から方向性を定めていたわけではなく、仮組みしながら「誰とも違う自分だけのナイチンゲールを立体化したい」と考えて、イメージを膨らませていきました。
 大枠としての「ナイチンゲール感」をある程度残しつつ、どの部分を何と置き換えればいいのか悩みましたが、試しに最も特徴的な翼のようなバインダーを外してみた瞬間に砲撃装備のイメージが固まりました。
 デザインアレンジとしては大好きなシリーズである『Advance of Z』のMSのデザインを取り込み、曲線的なナイチンゲールのボディラインに直線的な追加装備を配しました。このアンバランスさこそ、ナイチンゲールのもつ「異形感」を強調してくれると思いました。

連邦の弾かれ者も協力?さまざまなデータを駆使してできた機体

――本機の背景に、どのような物語を想像して制作されたのですか?
七式ガンプラ部『逆襲のシャア』時点でのネオジオン軍には、ジオン系の人間だけではなく、連邦から弾かれたあらゆる勢力の人員が集まっていたと想像しました。そこにはティターンズの技術者やレジオンの人員も含まれていた。もしそういった人員が開発に関わっていて、持ち寄ったさまざまなデータを駆使したナイチンゲールを設計したらこうなったのではないか?という設定です。

――連邦、ジオンの技術が結集して生まれた機体だったんですね。ナイチンゲールというと、いかにも“シャア専用機”らしい、神々しさを感じる赤が印象的ですが、白にしたのはどういった理由からですか?
七式ガンプラ部正直なところ一番の理由は、赤いMSの製作が多かったので赤以外を塗りたかったからです(汗)。もちろん赤以外にする事で「既存のナイチンゲールとは違う」というインパクトを与える目的もありますし、シャアではないパイロットを想定できる意味もあります。
 白に決めたのは白と紺の機体色がティターンズにおける試作機カラーだからです。そこから見方によってはプロトタイプを連想でき、「もしかするとこの後バインダーが取り付けられ、赤く塗られて本来のナイチンゲールになったのかもしれない」という想像も出来ます。

――ボディカラー以外にも、細かくカスタムされており、パーツの多さからも苦労が伝わってきます。
七式ガンプラ部そうですね。自作パーツのデザインと制作が、非常に多くて大変でした。作ったあとも、各部のサイズ感やバランスの調整も大変でした。こだわった部分はどっしりとした重心の位置と横幅を広げないこと。正面から見てピラミッド型になるシルエットを目指しました。これはバインダーのあるナイチンゲールの真逆のバランスです。ナイチンゲールは完全な人型ではないMSなので、出来る限り人型に寄せないスタイルバランスを目指しました。

――ナイチンゲール=バインダーを広げたMSという印象があるので、とても新鮮ですね。完成後、SNSの反応はいかがでしたか?
七式ガンプラ部こういった改造ガンプラにはさまざまな意見が寄せられます。もちろん否定的な意見も毎回出るので覚悟していましたが、意外と皆さん好意的に受け取っていただけたのでホッとしました。特に印象的だった意見は「アムロと仲良さそう」「アムロと共闘しそう」というものですね。これは白にしたことの“弊害”だと思わず苦笑してしまいました。

――ツイッターでの作品発表や、YouTubeでの活動など、実に充実のガンプラライフを送っていらっしゃいます。最後に、七式ガンプラ部さんにとって、「ガンプラ」とは?
七式ガンプラ部子どもの頃はただの遊びでした。大人になってガンプラと再会してからは、ある意味人生のパートナーです。ガンプラに費やした時間、制作過程で得られた技術、ガンプラを通じて知り合う事の出来た多くのモデラーさんたち。どれも全て私の人生を彩ってくれています。ガンプラに「ありがとう!」と声を大にして言いたいですね。

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