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フジ王道コント番組復活の裏側、『ピカル』の無念晴らす演出Pが“視聴率とれない”コントに懸ける思い

  • 新しいカギ

    23日よりスタートする新番組『新しいカギ』(C)フジテレビ

 フジテレビのコントを中心とした総合バラエティ番組『新しいカギ』が、23日から放送をスタートする。出演は霜降り明星、チョコレートプラネット、ハナコの3組。数々の伝説的なコント番組を世に送り出してきた同局だが、今まさに勢いのある旬の芸人を起用したコント番組をレギュラー放送するのは実に久しぶりのことだ。しかも、金曜8時という激戦区で勝負をかける。その狙いについて、総合演出を務める同局の木月洋介氏に話を聞いた。

『やるやら』『ごっつ』に憧れてフジ入社、念願の『ピカル』立ち上げも3年で終焉に…

  • 新しいカギ

    『冒険家オカベ』後列左から)岡部大、粗品、秋山寛貴、菊田竜大、長田庄平、松尾駿、せいや前列左から)丸山礼、生見愛瑠(C)フジテレビ

 『新しいカギ』は、今年1月に正月特番として放送され、Twitterのトレンド入りを果たすなど反響が大きく、特に小学生〜30代の個人視聴率が高かった。またSNSには「こういうコント番組を待っていた!」と、フジテレビ制作のコント番組に期待を寄せるコメントも散見された。

 かつては『欽ドン!』(72年-79年)に始まり、『オレたちひょうきん族』(81-89年)、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』(90-93年)、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(91-97年)、『笑う犬』シリーズ(98年-03年)など、数々のコント番組で社会現象を巻き起こしてきたフジテレビだが、近年はめっきり鳴りを潜めていた印象がある。
  • (C)フジテレビ

    (C)フジテレビ

 ところがここに来て、コント番組復興の兆しが見られる。その理由を木月氏は「昨年よりフジテレビが若い世代をメインターゲットとした番組制作の方針に大きく舵を切ったからです」と明かしている。

 木月氏は、『やるやら』や『ごっつ』に影響を受けて「フジテレビでコント番組を作りたい」と入社。念願叶って『ピカルの定理』(10-13年)で初めてディレクターとしてコント番組の立ち上げから携わった。

 ところが、近年はお笑い番組の企画が通らない状況が続いたという。その理由は視聴率に他ならない。「一般にコント番組を好むのは若い世代。かつての伝説的番組を支えていたのも、当時の若者たちだったはずです。しかし現代にコント番組を作ろうとすると、若い世代の人口比率の少なさが影響し世帯視聴率の指標においては絶対に苦戦してしまうんです。」

視聴率に苦戦するコントは企画が通らなかった… 昨年からの“追い風”にすかさず掴んだ好機

  • 『痛快TV スカッとジャパン』   毎週月曜20時〜放送

    『痛快TV スカッとジャパン』   毎週月曜20時〜放送(C)フジテレビ

 それでもコント的なものをどうにか残したいという思いで木月氏が企画したのが、『痛快TV スカッとジャパン』。「『ピカル』が終了してしまったときに、どうやったら世帯視聴率と折り合いをつけながらコントのようなお話ものの番組を残せるか考えて企画した番組なんです」

 コントの形をドラマ風に変え、俳優を起用し、スカッとする結末に向かうカタルシスを設けることで世帯視聴率とも両立できる人気番組を作り上げた。

 しかし全世代がお茶の間に揃う光景を前提とした世帯視聴率の測定は、もはや現実を表すものではなくなった。昨年3月に視聴率の指標が「世帯」から「個人」に移行するとともに、地上波キー各局ではそれぞれメインターゲットを明確化させた。フジテレビでは、昨年10月の改編より、「キー特性」と名付けた13〜49歳に重点を置いた番組編成を本格化させている。

 図らずもコロナ禍による在宅率の高さから、若者のテレビの接触回数が増えた時期でもあった。昨年2度にわたって不定期放送された大型コント番組『ただ今、コント中。』(フジテレビ系)で、サンドウィッチマンやバイきんぐといった手練の芸人たちが織り成すスタジオコントに魅了された若者も多かっただろう。こうした追い風のもと、『新しいカギ』はいきなり金曜8時という激戦区に切り込んだ。

「『ピカルの定理』をはじめ、過去の多くのお笑い番組がそうだったように、当初は深夜番組で、演者の3組とスタッフのチーム感を固めてからゴールデンに臨むイメージでいました。ですがフジテレビは今こそ"フジテレビのコント番組"を世に問う絶好のタイミングと捉えて勝負をかけたいようです」

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