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村から3キロ離れた場所に水を汲みに行く…カンボジアの困難な水事情を漫画に「個人で井戸を建設してみた話」

  • (画像提供:山本かなさん @kana_in_tokyo)

    (画像提供:山本かなさん @kana_in_tokyo)

 日本に住んでると蛇口を捻れば水が出てくるのが当たり前だが、カンボジアなど発展途上の国では、全ての人が恵まれた環境下にいられるわけではない。昨年ニュースを見ていて、個人でカンボジアに井戸を建設することができると知ったクリエイターの山本かなさん(@kana_in_tokyo)は、「やりたいことはやってみよう!」と個人で寄付することを決めた。依頼先の検討から井戸完成までの様子を漫画に綴り、カンボジア農村部の人々が置かれている環境を知っていったという。

現地でボランティアしている人にも話を聞き、団体を選定

 カンボジア農村部の生活環境を調べていくと、電気ではなくバッテリーを使用して家の明かりとしていたり、雨水や井戸水を貯めて生活用水としている現状を知った。ヒ素の有無など水質調査をきちんとしてくれるか、建設会社がどこか明記されているか、現地からの報告書送付・建設後の視察が可能であるかなどを条件として、山本さんは複数ある団体のなかから選定していった。

「安全な水を手に入れられるのはカンボジア全人口の41%で、トイレなどの衛生施設の使用率はその中の17%だそうです。現地で実際ボランティア活動されている方にもコンタクトを取り、様々なご意見を聞いた上で自身が納得し今回井戸建設に踏み切りました」

「井戸1つを3世帯13人で使用」報告書で分かったカンボジアの水事情

 2基の井戸をカンボジアに寄付した山本さん。2ヵ月半後、1基目の建築場所から報告書が届いた。利用者の住環境、井戸がなかった時期に水を確保するためにどんな困難があったか、井戸を利用して経済的にどう変化するか、その状況が細かく書かれていた。

 月収は100ドル、水は3キロ離れた業者からタンク5個を1ドルで購入して村まで運んでいる、電気は通っておらずソーラーパネルを使用するか、業者に車両用のバッテリーを充電してもらうしかない。それらの事情を報告書を通して知った山本さんは、次第にカンボジアの環境について考えることが多くなっていったという。

「井戸1つを3世帯13人で使用するとあり、13人の方が水に関して少しでも楽になったらいいなぁ…と思いながらしみじみ報告書を読んでしまいました。建てた井戸の使用用途は炊事、洗濯、水浴び、トイレの後のお尻洗いなど生活のための水に、家庭菜園の野菜にも井戸水をあげたりしているそうです。

 こんなにしっかりと報告書や写真・また動画までいただけると思っていなかったので、すごくすごく安心して井戸完成まで待つことができました」

 今回レポート漫画を描いたきっかけについて「寄付としてはマイナーとされているものを、レポートとして残したい」という気持ちもあったという山本さん。

「完成した後の感動は、人生で味わったことのないものでした。私のちょっとしたきっかけで建てた井戸で少しでも不安が無くなったと思うととても嬉しかったです。井戸建築や寄付に疎い部分もあったので、依頼先探しは半月かけて調べました。この投稿が、井戸の寄付を検討されている方の参考になれば幸いです」
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