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30歳で事務所から独立…社長兼アイドルのプー・ルイが語る、アイドル市場の10年間での変化とは

「NiziU(と日本のアイドル)は別物」日本に押し寄せる韓流アイドルの波に“共存”の可能性は?

 ところで、現在はAKBや坂道シリーズなどのほか、韓流アイドルも日本で活動。Nizi Projectなどのように、日本人が「韓国のあのプロデューサーにプロデュースされて、アイドルになりたい」と考える、グローバルな流れも生まれている。そうしたアイドル面での韓国の台頭をどう感じているのだろう。

「NiziUは私も結構ハマっちゃったタイプ(笑)。でも別物だという気がします。日本のアイドルってどちらかと言うと未完成なものが愛される。『ダンスちゃんと出来てないよ、頑張って』と応援できるような子が可愛いという風潮がある。韓国は完璧なものが格好良く、それが憧れにつながっている。なので、その二つはバトルにならないと言うか、住み分けが出来ていて、ファンを取り合ったりしないような気がします。共存していけるんじゃないでしょうか。PIGGSも完璧な方ではないので、その成長を応援してもらえるとうれしいです」

 10年前と現在のアイドル市場の違いは「“悲壮感”があるかどうか」だとも。「10年前は(青春スポ根的な)“悲壮感”が話題になりやすかったのですが、現在はYouTubeを見ていても感じる通り、“自己肯定感の強さ”や“ハッピーなもの”が人気。彼女らがそのまま大人になったとしたら、自己肯定&ハッピーの時代が来るかも知れない」

 そんなプー・ルイも先日30歳に。「本来の夢は、20代半ばで芸人さんと結婚して、30歳頃にはママタレになっている予定だったので、こんなはずではなかった(笑)」と自虐するが、「こうなった以上は、30代でもアイドルでいられる、ツインテールが出来ることを体現する存在になりたい。アイドルの賞味期限とか、女性のそういった年齢制限を取っ払って、もっと個人がやりたいことが出来るような世の中にしたい」と前を向いている。

「先日、メンバーのSHELLMEがギャルのような編み込みの髪型をしたいけど、アイドルファンはそういうの嫌いだから悩んでいると話してきたんです。でも、私は『自分にウソをつくのはやめよう』と。自分の好きなものを偽ると、それがバレた時にファンは離れてしまう。例えば処女を売りにして、恋人との姿を週刊誌に撮られるとファンは裏切られたと感じてしまう。自分の好きなものを好きと言って、それを好きになってくれるファンを大切にした方が良いと私は思います」

 自分を偽らず、裏方もメンバーもファンも、多角的な視点で常に前を見続けるプー・ルイ。そんな彼女の躍進は、30歳になった今もまだ始まったばかりだ。

(取材・文/衣輪晋一 撮影/逢坂聡) 

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