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共感度の高い日本語詞が魅力の期待の新人バンド・Cloque.「お茶の間でも聴いてもらえる音楽を」
ライブバンドとしての地道な活動で築いた共感度の高い日本語の歌詞
「ライブバンドが好きだし、自分たちもそうありたいと思って。以前活動していたバンドで出演したことのあるライブハウスに連絡して、自分たちでツアーを組んで、ひたすらライブをやる生活でしたね。現場でしか掴めないものが絶対にあるし、その感覚を大事にしたかった」(村松)
「上手くいかないライブもあるけど、続けることで必ず良くなっていきますからね、バンドは」(吉見)
「『ツアー中は車で移動して、車で寝る』と言ったら驚かれたりするけど(笑)、それがやりたいことの1つだったので、まったく苦はなかったです」(古田)
ELLEGARDEN、dustbox、Hi-STANDARDなどをルーツに持つ彼らの音楽性は、速いビートとドラマティックなメロディーが軸となり、共感度の高い日本語の歌詞もバンドの大きな魅力だ。
「ライブ感のあるバンドであること、歌を大事にすることを意識していますね。以前やっていたバンドは半分以上が英語詞で、海外ツアーをやることが夢でした。先輩の『日本語の曲で海外ライブができたらすごいよね』というひと言が心に残っていて、それ以来、日本語でしか歌詞を書いてないです」(村松)
喉の不調や紆余曲折を経たメジャーデビュー後、ストリーミングシーンでも注目される存在に
さらに、Amazon Music「Weeekly One」に選出され、AWAのプレイリスト「Dear Tuesday」に選ばれ、リアルタイム急上昇楽曲で1位になるなど、ストリーミングでも存在感を示している。今年3月18日には、1stフルアルバム『ネイキッドブルー』を発売。ライブハウスで鍛えられたバンドサウンド、リアルな人生経験に裏付けられた歌が刻まれた本作は、彼らのこれまでの集大成と言えるだろう。その中心にあるのは、“ありのままの自分を大事に”というメッセージだ。
「昨年発売の配信シングル「モノクローム」のテーマは“自分の人生の主人公は自分”。アルバムではさらに発展させて“いろんな自分を大事にする”ということを表現したかったんです。上手くいかなくて泣いていた自分、怒ってしまった自分。すべてを肯定したいし、それを聴いてくれる人たちにも伝えたかった」(村松)
リード曲「スピカ」は、生々しいバンドグルーヴと前向きな意志を感じさせる歌が1つになったナンバー。「デモ音源を聴いたときに、“これだな”という感覚がありました」(吉見)とメンバー自身も大きな手応えを感じているようだ。
「メンバーが最初のリスナーというか、2人が『いいね』と言ってくれることで、自信を持つことができる。「スピカ」のテーマは、“上手くいかないときも、必ず誰かが見守ってくれている”ということ。喉が不調だったとき、僕は“バンドが止まってしまった”と思っていたんですね。でも、活動を再開するときに、レーベルの方が『ここからギアを上げていきましょう』と言ってくれて、“休止中も見ていてくれていたんだ!”と思えたんです」(村松)
どんなシーンでも順応できるのが強み、お茶の間でも聴いてもらえるバンド
「アルバムの曲が揃ってきたときに、変化球として4つ打ちでテンポが速め、マイナー調の曲があったほうがいいなと」(吉見)
「トゲを感じる曲がほしかったんですよね。聴きやすい曲だけではなくて、“こういうロックな曲もあるんだ”と思ってもらえる曲ができて良かったです」(村松)
「いろいろな毛色の曲が入って、フルアルバムらしい作品になったと思います」(古田)
4月下旬からはアルバム『ネイキッドブルー』を携えたツアーを開催する予定だ。バンドシーン、J-POPシーンの両方での活躍を大いに期待したい。
「メロディックパンク系から歌モノのギターロックまで、どんなシーンにも入って行けるのが自分たちの強みだと思っています」(古田)
「アニメのテーマ曲もやってみたいし、いい意味でこだわりはないです。Cloque.は、お茶の間でも聴いてもらえるバンドだと思っています」(村松)
(文/森朋之)