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ORICON NEWS
Salley『デビュー曲制作秘話から意外!? なキャラまで2人の魅力に迫る』
運命的な出会い!? ふたりの第一印象は……
上口浩平僕が当時組んでいたロックバンドを解散して女性ボーカルを探しているときに、知り合いからうららのことを聞いて。彼女が弾き語りをやっているライブハウスに行ったんですよ。で、歌を聴いた瞬間、電撃が走ったっていう。
うらら電撃? いま初めて聞いた(笑)。
上口浩平いや、あんまり言ったら引かれるかなと(笑)。うららの声は“ハイ抜け感”がいいというか。キレイだけどあったかい感じがあるし、抑揚のつけ方もセンスがあって単調な曲でも鳥肌が立つぐらい歌心があったんですね。あとギターのコードやリズムもしっかりしていてミュージシャンとしても良かったので、その場ですぐ一緒にやりたいと思って。でもガツガツいったら引かれちゃうしサラッとしすぎてもどっか行っちゃうし。怪しい人に思われないように程よくいくにはどうしたらいいか、そればっかり考えて頭が回っていなかったです。
――そんな上口さんを見てうららさんは?
うらら背が高くてボーっとした人が来たなと(笑)。でもちょうどその頃、ひとりで歌うことに行き詰まっていて。音楽をやるために大学を中退して大阪から上京してきたけど、自分の歌に対してこの先どう進めばいいか完全に迷っていた時期だったんですね。だから上口君からすごく良かったって言ってもらえた時点で一緒にやってもいいなと思ったし、そのあと彼が作って送ってくれた曲からも本気度とか真剣な姿勢を感じられて。この人の曲を歌いたい、この人ならすごいとこまで連れて行ってくれそうって思ったんですよ。
上口浩平僕もそれはいま初めて聞いた。ビックリです(笑)。
衝撃のラストに注目、魅力たっぷりのMV撮影秘話
上口浩平元々民族音楽的な質感をポップスに混ぜたら面白いなと思っていたんですけど、うららの声から透明感とかアイリッシュっぽい印象を受けて。じゃあそこは崩さずにギターのリフを入れたりアレンジをハデにして、明るいポップ感と哀愁のある雰囲気を1曲の中で表現したんですよ。
うららでも私が最初に曲をもらったときはギターアレンジをのせる前だったので、もっと暗い印象でしたね。だから歌詞もそのイメージのまま書いたんだけど、たまたまそのタイミングで周りの友だちが結婚したり働き出したりして。自分の中で置いて行かれる感があったせいか、曲を聴いたとき暗闇の中に自分ひとりが立っている絵が浮かんだんです。で、その寂しくて孤独なイメージの中に主人公がひとりで踊り続ける童話の『赤い靴』が出てきて、そこをモチーフに歌詞の世界観を作っていったんですよ。
――ミュージックビデオも『赤い靴』をベースにした、ダークでポップな独特の世界観になっていますよね。しかもラストは衝撃的な“オチ”がついてる。
うららそう、どこまでも追いかけてくる赤い靴を最後は食べちゃうっていう(笑)。あそこは曲の世界観だけではなく、私自身の性格や人生も表現されている。私も逃げ切れないものならいっそ自分に取り込んで一緒に生きてしまおうって、覚悟したり受け入れてしまうところがあるんですよ。そういう話を監督さんとしたわけじゃないけど、私のことを理解してストーリーを考えてくれたのかなと感動しましたね。
――ちなみにあの“赤い靴”は何味?
うらら外側はマジパンで中はチョコレートケーキ。めちゃくちゃおいしかったですよ。
上口浩平ケーキが1個しなかなくて一発撮りだったのに、ガッツリ食べてたよね(笑)
――うららさんはパッと見、小柄で可憐なのにキモが据わっているというか。動じない印象がありますよね。逆に上口さんは寡黙でクールなギタリストという風貌とは裏腹に、ちょっとひょうきんな感じで(笑)
うらら上口君は人前で話すときはいつもこんな感じです。
上口浩平僕、語彙(ごい)がない上にむちゃくちゃ噛んじゃうんですよ。
うらら楽曲制作とかSalleyの活動では私が上口君に頼っている比重が大きいけど、インタビューとかしゃべることに関しては上口君がだいたい途中でグチャグチャになる。糸が切れたパラシュートみたいにクシャッっとなって着地できなくなるので、私がそれを繋ぐ作業をしているんですよ(笑)。
上口浩平でもクシャッとなっているときに突っ込まれるのは嫌いじゃない。たまにうららがヘンに優しかったりすると物足りなくて、もうちょっときてくれてもいいんだけどって思いますね(笑)
(文:若松正子)
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