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HIKAKIN×神聖かまってちゃん・の子異色対談 “元祖ネット配信者”たちが語る「先行者」の宿命

 YouTuber界のパイオニア・HIKAKINと、アニメ『進撃の巨人 season2』や映画『恋は雨上がりのように』をはじめ、ヒット作とのタイアップが続く神聖かまってちゃんフロントマン・の子。一見接点がないように見えるふたりだが、旧知の仲であり、YouTube、ニコニコ生放送とプラットフォームは違えども“ネット配信を10年以上継続している”共通点を持つ。いまでこそ「YouTuber」「生主」という言葉が浸透してきたが、その先駆者でもある彼らにネット配信黎明期のことから、「今後配信を休むことはあるのか?」など、根掘り葉掘り聞いてきた。

HIKAKIN、の子に対する印象は「クレイジーだなと(笑)」

――はじめての出会いって覚えていますか?

HIKAKIN鮮明に覚えていますよ。2013年のホリエモン(実業家・堀江貴文氏)さん主催のパーティでした。以前からニコ生で知っていたんですが、配信同様、尖っている人だと思っていたから、初対面で「おい、おめーよー」などと言われないかビクビクしていました(笑)。でもすごく丁寧にあいさつしてくれて。

の子いやいや、すでにそのときYouTuberとして有名だったので。始めて見たときメンバーと「うわ!HIKAKINだ!」とミーハー心丸出しでしたね(笑)。当時HIKAKINと話して覚えているのが、「企業チャンネルのチャンネル登録者数を超えたいんですよ」と目標を掲げていたこと。普通、ライバル視するなら個人じゃないですか。その相手が企業だったのが、この人すげーなと。

HIKAKINなんか恐縮です(苦笑)。僕、の子さんは、「何やらかすかわからないハチャメチャな人」というイメージでした。渋谷の交番付近で15インチのパソコン持って、ヘルメット被って生配信してたり、メンバーと配信中喧嘩したり…クレイジーだなと(笑)。でも「ネットで新しいことをするんだ」という姿勢はすごく伝わってきました。

の子当時は自分の中で「他の生主より突き抜けてやる!」って思っていたし、「この行動がいまに当たり前になる」と信じていたから配信する勇気もありました。あ、俺まだHIKAKINについて言いたいことあるんですけど、これまで色んなネット配信者に会ったけど、こんなに裏表がない人はいない!最近はテレビにも出て知名度も上がっているのに、相変わらず一般人目線で誰にでも優しいし、損得勘定ナシで行動ができる人。将来、絶対教科書に載ると思う。

HIKAKINいやいやいや、ムリです(笑)!

HIKAKINの裏表のなさにはセカオワが関係?

――HIKAKINさん自身、その謙虚さは前から心がけていることなんですか?

HIKAKIN僕も損得勘定は考えますけど(笑)、偉そうにするのが嫌なんです。それはセカオワ(バンド・SEKAI NO OWARI)に出会ったことが大きいかも。はじめて会ったのがそれこそ2013年で、の子さんからLINEで「セカオワハウス(SEKAI NO OWARIが共同生活していた住居)に行くけど来る?」って言われたのが最初です。その時はYouTuberという名前も浸透していなかったから、Fukaseくん(ボーカル)から「何それ、YouTubeが職業になるの?」って(笑)。初対面のその時以来、お花見したり、キャンプに誘ってもらったり……気さくで本当にいい人たちで。

の子確かにセカオワは誰にでも優しい。

HIKAKINあと僕、年上の人にタメ口で話せないんです。体育会系の部活にずっといたことが大きいんですが、“年上イコール敬語”が身についている。僕が尊敬する人たちは、年齢が一回り離れていても敬語なんですよね。親みたいな年齢差なのに敬語だったり、なおのこと「すごいなこの人」と思える。

「規制」が生まれ配信内容も控えめに

――互いに「これは真似できないな」と思う点はありますか?

HIKAKINの子さんは生放送ということもあって、思いついたことをそのまま配信するのがすごい。お酒を飲んだテンションで「おめーら!」とか言えるし(笑)。僕、無理ですもん。見ていてリミッターがないのが気持ち良いなと。

の子ああ、でも自分も以前と比べたらネットリテラシーが高まっていると思います。最近は「こんなことで炎上するの?」っていう事例が多いし……ただでさえ俺は炎上しやすいので、配信の捉え方が変わった。前ほどアグレッシブなことがしにくい。

HIKAKINテレビもそうだと思うんですけど、見ている人が増えてくると、「規制」が生まれてやれることが限られてくるんです。昔の配信でやっていた企画を、いまやったら炎上する可能性だってある。裏を返せば、それほどYouTubeがお茶の間に浸透して日常ツールになっているんですよね。

“先行者利益”があったから先頭を走ってこれた

――最近の子さんは、禁断ボーイズ、レイターズ、へきトラハウスなど人気のYouTuberからオファーを受けて共演する機会が多いですよね。彼らは、の子さんがやっていたような過激な“外ロケ”企画を実施していますし、シンパシーを覚える部分があるのかなと。

の子本当は反対っすよ(笑)。たまたま俺は“先行者利益”で目立つことが出来たけど、いまの若い配信者は、もっと過激に振り切らなければいけないのが辛いですよね。

HIKAKIN僕も“先行者利益”は常々感じています。みんながやっていない企画を先に気づけているのは「強い」んですよね。そもそも、僕が最初YouTuberとして活動し始めた頃はカメラに向かって話すことが「この人、芸能人気取り?」と言われてましたが、いまでは小学生があこがれの職業に挙げてもらえるくらいになってきたのは嬉しいですね。先行者の宿命かも知れませんが、「キモい」や「死ね」などといった罵声を浴びた数はギネス級なんじゃないかと思います(笑)。

――そこでメンタルが折れなかったのもすごいですね。

HIKAKIN基本的に挑発には乗らないようにはしています。乗っちゃう人の気持ちもわかるんですけどね……基本プラスにはならないと思っています。

の子ネット配信で成功している人は、スルー能力が本当に高い。自分はできないときと出来るときがあります。あと、酔っ払って配信すると善悪の判断ができなくなるんで、最近は飲まないで配信する機会が増えました(笑)。

HIKAKIN&の子の「結婚願望」は?

HIKAKINこれ聞いていいかわからないんですけど、30歳を過ぎて、バンドのボーカルという立場で、「結婚したい」っていう願望はあるんですか?

の子それはないねえ。

HIKAKIN無いんだ!

の子うん。配信とか曲作りに集中して喧嘩して、それが発端で離婚につながる…という未来が見えてる(笑)。離婚のとき金取られるところまでも(笑)。40歳になったらしたいと思うかも知れないけど、いまは「無理だな」って思ってる。

HIKAKIN僕もしばらくはないんじゃないかな……いつかはしたいですけどね。兄貴(YouTuberのSEIKIN)は結婚しているんですけど、YouTuberは基本ずっと家にいるので、料理が出てきたり、編集も手伝ってくれたりしているのを見ると「ああ、いいねえ…」と思う(笑)。一人、部屋でブツブツ言っていて寂しい生活ですからね。

の子一週間だけYouTuberを経験したことがあるんですけど、編集が本当に大変だった。俺には無理だなと思うし、それを10年以上続けているのは尊敬する。

10年以上続けてきた配信も…今後は充電期間に突入?

――それこそお二方とも10年以上定期的に配信を続けてきましたが、今後お休みすることは考えているんですか?

HIKAKINボーッとする時間は欲しいですね。アーティストの人が街を歩いていて「歌詞が降りてきた」という話はよくありますが、外に出てインプットしたい。毎日これでいっかというクオリティの動画を作るより、1日置きで満足のいく動画をつくるほうがいい。去年あたりからそんなことを考えています。

の子俺は今後もマイペース放送です(笑)。休むときは休む。

HIKAKINどういうときに「放送したい」って思うんですか?

の子気分です(笑)。長い間見てくれる人たちは、俺のキャラをわかってくれているから、毎日求めていないし、こちらもその分プレッシャーがない。

HIKAKIN僕が年間800本以上アップしていたときは、毎日家にいて動画を作るだけの日々で、どこにも遊びに行けなかった。2016年の頃は今よりもYouTuberが少なく、チャンネル登録者数を競い合う雰囲気があったんですよ。いまは人数も増えたし、その頃よりも楽しくやっています。海外でも、毎日2本アップしていた海外YouTuberが、数日に一本ペースになっていたりするのを見ると、みんな「突っ走りすぎたな」と抑え気味にしているんでしょうね。

(写真/飯岡拓也)

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