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ポルノグラフィティ45作目シングル発表、フェスでも感じたモチベーションの在り処とは?
久々のフェス出演で自信、「20代は多いけれど、40代はいない」
新藤晴一 45枚目くらいには、とっくに“御殿”が建っているだろうと思っていたけど、建っていないですね(笑)。「この塀の先まで、全部ポルノの家らしいよ」って噂になるような…。
岡野昭仁 おかしいな。「別荘持ってます」とか言いたいですけど!(笑)。
――(笑)45枚シングルを発表し続けるのも、ステージの規模を変えずにライブをやり続けるのもすごいことだと思います。今年の夏は大型のフェスにたくさん出演され、先輩や後輩アーティストに会って、今までと違う立ち位置を感じることもあったのでは?
新藤晴一 年齢は僕らが一番上くらいですけど、音楽業界は終身雇用じゃないから、僕らと同年代の人たちがだんだん減っていくんですよね。20代は多いけれど、40代はいない。僕らがそこにいられるということは、それなりに自信を持っていいことだと思うし、お客さんや周りのミュージシャンが一定のリスペクトを持ってくれるのは、とても嬉しいことだと思いました。
岡野昭仁 僕らはあまりフェスに出てこなかったからこそ、今年出演してみて、そういう立ち位置みたいなものがわかりました。若い、いかつい感じのミュージシャンたちが、「中学の時にポルノのコピーバンドをやっていました!」と言ってくれたんですけど、「ホンマかーい!」って思ったりして(笑)。これまで、自分が勝手にコンプレックスを抱いていて、そういう中には入れないと思ってきたんです。でも、僕らの背中を見てくれていた子たちがいると知れたのは嬉しいですね。それとともに、彼らが「この人たちはやっぱりカッコイイ」と思うようなステージで圧倒しないといけないという、今までにない刺激も受けました。まだまだカッコ良くいたいし、きちんと自分たちがやっていること、創り出すものに説得力を出していきたい。殿堂入りするわけじゃなくて、後ろから見ている人がいるのならば、ちゃんと前を走り続けたいという気持ちになりましたね。
――これまでフェスにあまり出なかったのは、苦手意識があったから?
岡野昭仁 そういうわけではなく、たまたまですね。「俺たちあんまりフェスに出てないね、出ようよ!」と気づいたのが2、3年前…。
新藤晴一 ワンマンライブに力を注いでいた結果かな。それとロックフェス自体、もともとはテレビのカウンターカルチャーみたいなものだったと思うんです。でもそんな時代を経て、今はテレビとフェス、二極化していたものが融合した気がする。僕もフェスで、自分たちと同じようないわゆる“お茶の間派”ミュージシャンのステージを見たけど、お客さんもすごく楽しそうでした。今は、20年前にはあった「テレビに出ているからダサい」という風潮はもうないですよね。偏狭な価値観が薄れてきて、融合されてきた気がします。
岡野昭仁 フェスの間口が広がってきたぶん、僕らがそこに出ない理由はないなと思います。
「爽やかな風しか感じなかった」グラチャンバレー選手から影響を受けて
岡野昭仁 先に「Montage」があり、そのあとに「キング&クイーン」を作ったんですが、最初はどっちも自分たちがよく知るマイナーな暗いトーンだったんです。でもバレーの試合を見たり選手に会ったら、ものすごく爽やかな風しか感じなかった。未来を絶対的に信じていて、「世界に羽ばたく!」という選手たちの淀みのない真っ白な気持ちが、結果的に「キング&クイーン」に反映されたんだと思います。久しくこういう曲はやっていなかったし、アッパーチューンでありながら明るい曲が出来たなと思いました。
――「Montage」はアニメ『パズドラクロス』(テレビ東京系)の主題歌。新藤さんの曲に岡野さんの詞がついているのもめずらしい感じがしますね。
岡野昭仁 これは、晴一に頼まれたから書いたんです(笑)。
新藤晴一 去年の「THE DAY」もアニメのタイアップだったので、曲調や世界観が近寄ってしまう気がして、頼みました。
岡野昭仁 僕が表題曲の歌詞を書く、しかも大きなタイアップがついているということも、今まであまりなかったこと。『パズドラ』の世界観をどこまで踏襲するのかを考えつつ、ストレートに間口を広くして、幅広い世代に伝わるほうがいいのかなと思って書きました。
――その2曲のあとの「夕陽の色」は久々のバラードで、気分がガラッと変わります。
岡野昭仁 ここのところ、ガッチガチに攻めてくるような曲が多かったので。ここで“古き良き”というか、僕らの中でも王道な曲を出したら新鮮かなと思いました。曲自体は3年前くらいからあったんですが、僕自身、当時はまだこの曲を歌い切るボーカルスキルがなかった。でも今、やっと歌えるようになったかなと思うんですよね。僕としても、すごく自分の成長がうかがえる曲だと思います。
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