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ORICON NEWS
著名人の写真集、“2冊同時”発売が主流となったワケ “写真集・冬の時代”は去ったのか?
価格も手頃になり、女性も写真集を買うことに抵抗が無くなってきている
「スタイルブックの形式だと価格も1500円前後と手ごろだし、女性も手に取りやすい。それに今は、『an・an』(9/14号)でマギーさんの胸元を表紙にした“ふんわり美乳。”なんて特集が組まれるぐらい、女性がバストやお尻などのパーツをアピールすることに抵抗がなくなっています。女性たちにも、憧れのボディであるタレントの写真集を買いやすくなっているんですね。“同時発売”というインパクトも話題になりやすいので、宣伝・営業的にもメリットでしょう」(エンタメ誌編集者)
“新たな側面”をアピールできるタレント側、制作費が抑えられる出版社側ともにメリットが
だが1990年代初頭からのヘアヌード写真集ブームも去り、写真集が売れない“冬の時代”ともいわれる今、こうした“2冊同時発売ブーム”は、今後の写真集復活を牽引していけるのだろうか?
「確かに写真集が売れない時代が続きました。“写真集は1万部を超えれば大ヒット”と言われ、長引く出版不況で経費も抑えなければならないんですが、“逆転の発想”で生まれたのが2冊同時発売です。以前から“相乗り”と言って、グラビア撮影でも他社や他誌と一緒に撮影して、カメラマンさんのギャラやスタジオ代、モデル代、ロケ費などの経費が折半でき、結果としてワンランク上のタレントさんも使える……というシステムがありました。2冊同時発売も同じです。深田さんの写真集では、“同じ写真は使っていない”ことをアピールしていましたが、水着やシチュエーションを変えればいくらでも対応できます。タレントさんの拘束時間も効率化できるし、1冊をスタイルブックにすることで新たな女性ファン層の獲得も期待できる。タレントさんにとっても“新たな側面”を見せることで“転機”ともなり得ますし、2冊同時発売は、タレント側と出版社側が“ウイン・ウイン”関係になれるシステムとも言えますね。ヘアヌード写真集ブームの頃は、宮沢りえさんの写真集も4500円と今より価格が高かったんです。現在は、カバーを簡略化することで低価格を抑え、ファンにとっても手に取りやすくなっていますね」(前出の編集者)
そして今年は、『オリコン2016年年間“本”ランキング』(集計期間2015/11/23〜2016/11/20)の「写真集部門」で首位を獲得したのは、乃木坂46・西野七瀬の2nd写真集『風を着替えて』(集英社/9月発売)。そのほか、1月に発売された乃木坂46・生田絵梨花の初ソロ写真集『転調』(集英社)、3月発売のHKT48・指原莉乃の『スキャンダル中毒』(講談社)、10月のAKB48・渡辺麻友の約5年ぶりとなる写真集『知らないうちに』(講談社)など、アイドルグループの写真集も好調。どれも価格が2000円以下と、ひと昔に比べ、手に取りやすい価格帯というのも共通している。
今では写真集も男性からの視点だけではなく女性の視点からも制作され、セクシーのみならずキレイ、カワイイ、オシャレといった要素も加味された。さらにインスタグラムの普及によって、MEGBABYなどのモデルやインスタグラマーのスタイルブックが注目され、ファッションや美容を主軸としたスタイルブック形式の写真集も女性層を惹きつけている。こうした写真集ブームが再燃するなか、“同時発売”のスタイルは今後もますます多様化していくのではないだろうか。