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RADIO FISHだけじゃない 歌手として紅白出場したタレントたち
とんねるず出場以降、確立された“芸人枠”
「これまでもアーティストだけではなく、多くのタレントや芸人さんたちが出演して『紅白』を盛り上げてきましたが、私は1991年のとんねるずさんの初出場が始まりだと思いますね。すでに『一気!』(1984年)や『雨の西麻布』(1985年)といったヒット曲もあり、1989年には、お笑いコンビで初めて東京ドームでコンサートを開催するなど、本人たちも常日頃から“紅白出場が目標”を公言していました。でも、“民放の人気タレント”のイメージが強すぎたのかどうか、ずっと紅白出場は見送られてきたんです。でも、『情けねえ』のロングランヒットで、とうとうNHKさんも初出場をオファー。すると、パンツ一丁で木梨(憲武)さんは赤、石橋(貴明)さんは白で全身を塗り、背中には“受信料を払おう”の文字が…。さすがにNHKさんに抗議の電話が殺到したものの、高視聴率を記録したんです」(エンタメ誌編集者)
えなりかずきや宮沢りえら俳優・タレントも出場 他局番組での企画枠も恒例化に
「お笑いということで言えば、出場歌手ではありませんが、NHKさんは1983年に前年放送の『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の絶大な人気を受けて、タモリさんを総合司会に抜擢しています。1981年には、西田敏行さんが『もしもピアノが弾けたなら』で初出場し、当時は俳優が出場したことで大きな話題になりました。その後も、1990年にトレンディ俳優として人気を博した吉田栄作さんや、宮沢りえさんもともに初出場してますし、1989年には市村正親さん、2001年にはつんくさんプロデュースで歌手デビューした、えなり(かずき)さんも初出場を果たしてます。企画っぽいところで言えば、1999年の茂森あゆみさんと速水けんたろうさんの『だんご3兄弟』がありますし、2011年に出場した人気子役コンビ、芦田愛菜ちゃんと鈴木福くんの“薫と友樹、たまにムック”なんかは記憶に新しいところですね。昨年2015年でも、歌こそ歌いませんが、初出場の星野源さんの応援ということで、バナナマンのふたりと、『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合)内のキャラクター・ドランクドラゴンの塚地(武雅)さん扮するイカ大王が出ています。そういった意味では、本業が歌手ではなくても、その年に話題になった歌い手さんや人物を出場させるというNHKさんの基本的な“紅白ポリシー”は、ずっと変わっていないとも言えるでしょう」(前出の編集者)
確かに『紅白』は、これまでその時代を反映させるべく、いろいろな“企画枠”が設けられて、多くの芸人やタレント、海外アーティストなどが出演してきた。依然として『紅白歌合戦』は、日本の1年を締めくくる“国民的お祭り番組”として、強力な存在感を放っているのである。今年の出場歌手たちの“当落”や初出場の顔ぶれを見ながら、ゆるく、のんびりと大みそかの『紅白』を楽しむことは、日本人の“たしなみ”としてまだまだ有効なのかもしれない。