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ORANGE RANGE、再評価の兆し かつてのリスナーからの“待望論”
ミクスチャームーヴメントの波に乗り急激にブレイク、その光と影
ORANGE RANGEがブレイクした2000年代前半は、1990年代からのラップロック、ラップメタルと呼ばれるジャンルの流行、さらに日本国内でも同時期にDragon Ashなどがブレイクしていたこともあって、いわゆる“ミクスチャーロック”という言葉が一般化しつつあった時期だった。その流れにのって、彗星のごとく現れたメンバーの大半が10代というフレッシュな新星は、ミクスチャーロックに大衆性をもたせたノリの良いサウンドと歌詞で瞬く間に若者の心をつかんだ。CDだけでなく、CMソングやドラマ、映画主題歌…彼らを見ない日はないといっても過言ではなかっただろう。新垣結衣のブレイクのきっかけになった『ポッキー』CMや映画『いま、会いにゆきます』の大ヒットも、彼らの音楽ともにあった。
しかし、メンバーの大半が10代だった時にデビューし、20代前半で一気にスターダムへとのしあがってしまったためか、影響力が高まるとともにいわゆる“アンチ”も急激に増えていった。様々なジャンルの音楽を取り入れて独自のスタイルへと昇華させるミクスチャーロックには、“オマージュ”、ともすれば“パクリ”という言葉がつきまといがちだが、ORANGE RANGEもその標的とされることが少なくなかった。デビュー後も沖縄を拠点としていたが、地元ののびのびとした風土で育った彼らにとって、東京の環境は窮屈な点もあったのだろうか、2009年8月発売の『world world world』を機に、自主レーベルへと移籍。“表舞台”に出ることが少なくなっていた。
好評だった『FNSうたの夏まつり』 かつてのリスナーからの“枯渇感”
結成15周年を迎えた今年はアニバーサリーイヤーならではのコラボベストアルバム『縁盤』(7月20日発売)の発売や9月からの47都道府県ツアーが予定されている中で、2017年2月25日には8年2ヶ月ぶりに東京・日本武道館公演を行うことも決定。かつてのような急激なブレイクではないが、しっかりと地に足をつけた活動で、再び音楽シーンに旋風を巻き起こすのだろうか? 円熟味を増したORANGE RANGEの活躍を見守っていきたい。