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ソバージュ・ボディコン…… 今“バブル”ネタが注目されるワケとは?

 広瀬すずの実姉で、モデル・女優の広瀬アリスが3月24日放送のスペシャルドラマ『ひこうき雲』(BS NHKプレミアム)で1980年代のバブル時代を過ごす女性を演じ、ワンレンのバブルファッションを披露して話題となった。また、平野ノラなる“ソバージュ・太眉・ボディコン”の3拍子そろったバブリーな女芸人も登場し、「おったまげー!」「いただきマンモス」「アッシー・メッシー」といったバブル語連発で注目されている。さらに、ボディコン姿の地下アイドル、ベッド・インも登場と、なぜか今“バブルネタ”がもてはやされているのだ。いったいなぜバブルなのだろうか?

“バブル”ネタで異彩を放つ芸能人がインパクト放つ

 先述の女芸人・平野ノラが一般に知られるようになったのは、1月28日放送の『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系)に女優の竹内結子が出演した際、竹内から“一番会いたい人”として指名され、出演したことによる。ワカメのようなソバージュヘアに、海苔を貼り付けたような極太眉毛、ボディコンスーツの肩パッドに掛けられているのは、巨大な携帯電話・ショルダーフォン(自作)と、かなりゴージャスなバブル初期型のルックス。キメ台詞の「おったまげー!」「OKバブリー!」を引っ提げてバブルど真ん中の芸を披露し、強烈なインパクトを残した。オードリー・若林正恭もラジオ番組『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、平野のDVDを何回も見ているとカミングアウトし、さらにはSMAP・中居正広まで絶賛するなど、にわかに平野ノラブーム、そして“バブル”ブームが巻き起こったのである。
 平野ノラと同路線の“ジュリ扇・ボディコン・お立ち台”をウリにしている地下アイドルもいる。中尊寺まい・益子寺かおりのふたりによる「ベッド・イン」だ。路線的には往年のC.C.ガールズを彷彿とさせるセクシー路線で、逆さ言葉(例:銀座=ザギン)やら、オヤジギャグ全開(もちろん太ももやら胸やらも全開)なのだが、年齢は非公表。その姿を見る限りは、当時現役で踊っていた世代よりは若く見える。つまりは、当時は現役ではなかった世代が、今のバブル懐古ブームの中心になっているということなのだ。

日本中でバカ騒ぎ“狂乱の時代”を嫌悪するのではなくネタに

 バブルをネタにしたきっかけについて平野ノラに話を聞くと、「はじめは昭和を題材にしたネタをしていたのですが“広くてわかりづらいな”と感じて、もっと象徴する物を探したらバブルでした」と語る。バブル時代に感じた父親や、世の中のキラキラした印象が強く記憶に残っていたのだという。「バブルを知っている方はいい時代だったと懐かしんで笑ってくれます。知らない若い世代の方は動きやキャラで笑ってくれますし、特にバブルキャラを見ると元気が出るとよく言われます」(平野ノラ)

 バブル時代とは、1980年代中頃から90年代前半にかけて起こった日本の好景気。一般人も含め多くの人が小金持ちとなり、深夜の繁華街ではタクシーがつかまらず万札をちらつかせて奪い合ったり、伝説の巨大ディスコ・ジュリアナ東京で、ジュリ扇(羽のついた扇子)を持ったワンレン&ボディコンギャルがパンツを見せて踊り狂ったり…とまあ、日本中でバカ騒ぎが続いた時代なのである。

嫌悪感が時代と共に懐かしさや笑いに変化

 「バブルが遺した文化を若い世代が注目する動きは今、確かにあります。かつては映画『私をスキーに連れてって』で大人気を博した制作集団、ホイチョイ・プロダクションズが2007年に『バブルへGO!!』(広末涼子、阿部寛主演)を制作しましたが、傑作にもかかわらず、それほどのヒットはしなかった。10年近く前まではバブルに対する嫌悪感が残っていたけど、今になってやっとバブルを振り返って楽しむ余裕ができたってことでしょう」(バラエティ制作会社スタッフ)

 確かに今振り返ってみれば、当時をよく知らない世代も楽しめるような、“万人ウケ”する雰囲気ではあった。テレビ番組も海外ロケは当たり前だし、W浅野(浅野温子と浅野ゆう子)が「だしょ〜」などとバブル語を連発するトレンディドラマなども全盛、『三宅裕司のいかすバンド天国』(通称:イカ天/TBS系)といった深夜番組の名物コーナーも生まれ、バンドブームが起きた。個性派はラジオの『オールナイトニッポン』で伊集院光や電気グルーヴにハマり、さらにはバブル騒ぎとは真逆のフリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴなどの“渋谷系”といったジャンルも生まれた。そうした文化の背景には、いわゆる“サブカル”が育まれていた時代でもあったのだ。

 ここにきてじわじわと沸き起こってきたバブル懐古ブーム。先述の平野にしろ、ベッド・インにしろ、あの時代のよくわからない“熱気”を感じさせるものがあるからこその人気なのだろう。とは言え、これからワンレン、ボディコン、ハイレグ水着などが流行るかと言えば、それはさすがにちょっと…という感じはある。日本経済はともかく、海千山千の芸能界においては、また新たな“バブル景気”が起こる可能性があるのかもしれない。

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