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山口もえ、風当り強いママタレ枠で“良妻賢母”の独自路線
激戦区の“ママタレ”枠、日本的慣習の影響もありバッシングの対象になりやすい
では、ママタレは、どこからがママタレなのだろうか。タレントが母になった時点からか、お母さんであることを“ウリ”にした時からなのか。そのへんの線引きは曖昧だが、どうも些細なことで何かと叩かれやすい、叩きたくなる存在ではあるらしい。ブログに夕食の写真を掲載しただけなのに、やれ「バランスが悪い」「高カロリー」などと言われ、ちょっと派手な格好をすると、「母親なのに下品だ」と叱られる。
不景気のもと、夫婦共働きをしたくても、なかなか保育園に子どもも預けられない……といった今の世の中、華やかな芸能界で優雅に見えるママタレたちは、世間からのやっかみも買いやすい。また、女性は「三歩下がって男性についていく」べきだとし、控えめでしおらしい女性が称揚されてきた日本的慣習の影響もあるのだろう。特に、夫がアスリート系や梨園系の場合、批判はより強まる傾向があり、ときには度を超えるようなバッシングさえ受けたりもする。
結婚、出産、離婚を経て、天然キャラから自立した強い女性に変貌
本人も記者会見で「自分が頼もしくなって、男性化したので、私ひとりで頑張れる」と発言し、おっとりした見た目からは想像できないたくましい姿を見せた。また、「16歳の時からこのお仕事をしているから、お仕事をしていない自分は想像ができない」と仕事と子育ての両立は“当たり前”と断言。ふたりの子どもとのスキンシップも欠かさないと言う。今や自分の離婚を自虐的に“ネタ”にしたり、元夫に毒舌を浴びせるなど、あからさまな“炎上商法”さえするタレントが多い中、いっさいネガティブな発言をせず、毅然とした態度で対応した山口もえ。いつも笑顔で穏やかなイメージがあるだけに、そんな芯の強さを見せた山口の好感度はさらにアップしたのである。
そして、もともと好感度も高いバツイチ男、爆笑問題の田中だが、交際当初は周囲からは心配する声もあったようである。しかし、再婚もあくまで子供を中心にゆっくりと歩み、山口の連れ子に「パパ」と呼ばれていると告白しながら、田中が幸せそうな表情を見せると多くの視聴者が安心し、世間も“よかったね”と晴れてふたりを温かい目で見守りはじめた。日本の典型的な“いいお母さん”タレントが減っている今、山口もえは単なる“ママタレ”を超えて、新世代の“良妻賢母タレント”の枠を作り出していくのかもしれない。