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熱い男子フィギュア?羽生結弦選手に続く次世代スターたちが続々
演技での多彩な表現、勝ち方の美学、オフリンクでの言動など、トータルで選手のキャラクター性を楽しむ。
そんなファンの心理と、羽生選手に続く次世代スター候補が頭角を現している現在の男子フィギュアシーンに迫ってみる。
◆強烈な個性のぶつかり合いが生み出すドラマ
男子フィギュアの醍醐味といえば、ダイナミックで難度の高い技術だが、伝統的に“キャラの濃い”選手が多いことも挙げられるだろう。演技での多彩な表現、勝ち方の美学、オフリンクでの言動など、トータルで選手のキャラクター性をファンは楽しみ、心打たれ、感情移入する。強烈なキャラクターが並び立ち、過酷な男同士の戦いを繰り広げる様は、まるで少年漫画のようだという声もあるようだ。
海外選手に比べ比較的おとなしいと言われる日本男子も、かなりの個性派ぞろい。天才的な音楽センスと天然キャラが共存する高橋大輔、哲学的な名言を数多く残した芸術家・町田樹、いまやバラエティに引っ張りだこの織田信成ら、近年引退した選手たちも、演技と本人の個性の両面で愛されていた。
◆少女漫画的な容姿のスター!?羽生結弦選手
今シーズンは練習中の衝突事故による負傷、尿膜管遺残症の手術とトラブル続きのなか、欠場せず全試合で「勝ちに行く」羽生の姿には鬼気迫るものがあった。感情の高ぶりが伝わる情熱的な演技とは裏腹に、冷静な頭脳派の一面も持つ。少年時代から、ジャンプの跳び方や問題点を理論的に分析したノートをつけていたことが、現在の圧倒的な強さの礎となっているのだろう。
性格は、先輩の織田いわく「ドS」。「僕はドMなので相性がいい」「好きなタイプのドS」と絶賛(?)されている。“ナルシスト”とも評されがちで、仲のいい村上佳菜子選手に「カッコつけてる」と言われ、照れ笑いしていたことも。一方、連覇を逃した今回の世界選手権では、優勝したリンクメイト、ハビエル・フェルナンデス選手に抱きついて泣き、祝福の気持ちと悔しさをストレートに表現。強気なドSキャラと、無邪気な弟気質のギャップも魅力につながっている。
◆頭角を現している次世代スター選手候補たち
世界選手権16位につけた無良崇人選手は、豪快なジャンプと男らしい表現が魅力。元フィギュアスケーターでコーチの父・隆志氏によれば、性格は「優しい子」。ライバルの羽生選手に4回転ジャンプのアドバイスをしたというエピソードや、町田選手の引退発表後に号泣していた姿からも、その優しさが伝わる。私生活ではファッションや車が好きな今どきの若者で、一児の父でもある。27歳で迎える次の平昌オリンピックに向け、これからのチームジャパンを牽引する頼もしい存在だ。
世界選手権に出場した3選手以外にも、続々と次代のスター選手候補が頭角を現した今シーズン。NHK杯優勝、四大陸選手権4位と大躍進した村上大介選手は、少年期からアメリカを拠点に米国選手として活躍したが、2008-2009シーズンに日本代表に籍を移した。日本語よりも英語を得意とし、一人称は「ダイス」。Twitterやインスタグラムには選手仲間と撮った写真が満載で、フレンドリーでノリのいい人柄が感じられる。
ジュニア選手では、世界ジュニア選手権で優勝した17歳の宇野昌磨選手と、3位で表彰台に乗った15歳の山本草太選手が筆頭株。高橋に憧れ、表現力や芸術性に優れた宇野。羽生に憧れ、しなやかで華のある動きが目を引く山本。宇野はシャイで繊細、山本は負けず嫌いと、演技も性格も日本男子の2大カリスマ選手をどこか彷彿とさせるふたりが、今後の台風の目となることは間違いない。
4月16日からは、いよいよ今シーズン最後の戦いとなる『世界フィギュアスケート国別対抗戦』が開幕。日本男子は羽生と無良が出場する。国別のチームで成績を競う団体戦は、選手同士の絆や和気あいあいとしたチーム感が伝わるのが楽しみのひとつでもある。さらに春から夏にかけては、アイスショーで“エンタメとしてのフィギュアスケート”を楽しめるチャンスが多いシーズン。しばらくこの熱気が収まることはないだろう。