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AARON(アーロン)、TAKUYA×ミッツがタッグを組んだ日本オリジナル曲とは
【TAKUYA×ミッツ・マングローブ対談】プロデューサー&作詞家の2人が語る!
【インタビュー】AARONが語る!台湾での日本の音楽事情とは!?
僕が今まで学んできたことを全部注ぎ込んだ
AARON 僕自身、本当に今までにはなかった曲だなと思いました。僕はアーティスト活動を始めて10年になるんですが、この曲と出会って、また新しい何かが掴めた気がしました。すごく気に入っています。
――ジャジーなテイストのあるオシャレなサウンドにミッツさんのセクシーな歌詞が載って、味わいがありますね。
AARON そうなんです。だから、自分でパフォーマンスをするときも、よりオシャレにしようと思いました。それと、ちょっと小悪魔的というか、悪い男っぽい感じを出そうと意識しながら歌いました。
――レコーディングのときも、まさにミッツさんから「もっと悪い男になって!」とリクエストされたそうですね。
AARON はい(笑)。やっぱり最初はちょっと恥ずかしくてやりにくかったです(笑)、あまりにもセクシーに歌ってしまうと、聴いている人が驚いちゃうんじゃないかなとも思いました。でも、ミッツさんが「もっともっと」と言ってくださったので、そこからはさらにセクシーさを意識するようになりました。その結果、今までの曲とは違う面が出たんじゃないかと思います。あと、この曲のジャケット写真やミュージックビデオを撮るとき、ちょうど雨に濡れるシーンがあって。そこでちょっと自分の身体のラインがあらわになったりもしたので、そういうセクシーさも表現できたんじゃないかと思います。
――AARONさん自身、セクシーさを表現したいっていうことは、以前から思っていたりしたんですか?
AARON 確かにそういったことを考えた時期もありましたが、今まではそういう作品がなかったですね。そういった意味でも今回の曲は、それを出せるいいきっかけになりました。それと、ジムで鍛えた身体を披露することができたのもよかったです(笑)。
――そこも新たな一面ですよね。ただ、やっぱり初めてのタイプの曲だということもあったのかもしれませんが、レコーディング中は、かなり緊張していたそうですね。TAKUYAさんが「終わったらカラオケとかに行くのかと思っていたら、すごくストイックで、すぐに帰っちゃった」って残念そうでした(笑)。
AARON そうだったんですね。でも、この曲は、スイングな感じがある上に歌詞がとても難しくて、本当に歌うのが大変でした。しかも、TAKUYAさんが「自分のなかで一番いい作品にしたい」って言っていたので、それもプレッシャーで……。最初にTAKUYAさんと仕事したときは同じチームのメンバーとしてステージに立ったので、今回とは全然違いますね。TAKUYAさんはプロデューサーという立場だったので、ムードや情感について、こういうものが欲しいと僕にいろいろ話をしてくれて。だから、僕は歌手として、そこに集中し、TAKUYAさんの期待に応えたかった。そうするためにも、僕が今まで学んできたことを全部注ぎ込もうと思って、ストイックになっていたんだと思います。
――そんな努力のかいあって、とってもステキな楽曲に仕上がりましたもんね。
AARON ありがとうございます。でも、それにはやっぱりTAKUYAさんとミッツさん、ふたりの才能が大きいと思います。
――ミッツさんが自分以外のアーテイストに歌詞を提供するのは初めてだったんですけど、AARONさんがカッコイイからこそ、この歌詞が書けたっておっしゃっていました。
AARON そうなんですか? どういうふうにリアクションしていいかわからないんですが、ありがとうございます(笑)。
――TAKUYAさんとは『a-nation』でバンドを組み、その後も交流なさってきたそうですね。そもそもTAKUYAさんが所属していたJUDY AND MARYというバンドのことはご存じでしたか?
AARON もちろん知っています。レジェンドですから。そういう方と一緒にできることは、とても光栄に感じました。
日本のバラエティ番組は、とても多様性がある
AARON アジアのバラエティ番組は、ほとんど日本のバラエティ番組をお手本に作られていると思いますね。僕はいろんな国のバラエティを見てきてるんですが、台湾のバラエティ、韓国のバラエティ、中国大陸のバラエティを見て、いつもちょっと笑っちゃうんです。というのは、これは全部日本のアイディアじゃないかって思うからなんです。それに日本のバラエティは、とても多様性がありますよね。いろんなテーマをバラエティにしちゃう。例えば収納や家のリフォームをテーマにしたり。そういう部分は、本当にすごいなって思います。
――ミッツさんのような女装家も台湾の芸能界にはいるんですか?
AARON いえ、全然いないです。だから、そういう意味でも日本の人が受け入れる芸能人の幅はすごく広いなって思います。例えば、ある芸人さんは“ゲイ”だということをセールスポイントにしていますが、実際には奥さんがいますし、裸で芸をする人もいる(笑)。つまり、その人がどういうふうにしたいかを尊重しているわけで、そこがすごいなって思います。
――ところでAARONさんは、もう何度も日本に来ていると思いますけど、最初の頃と今とでは何か印象が変わりましたか?
AARON 印象は特に変わらないんですが、日本に慣れました。そのなかでも東京には何度も来ているので、とても自由に行動しています。
――えっ。街を歩いたりするんですか?
AARON はい。よく電車に乗っています(笑)。しかも、日本を旅行しているとちょっとした優越感も感じるんです。なぜかというと僕は旅行者なので、ゆっくり歩いているんですね。でも、日本の人はみんな働いているので、歩くのがとても速い(笑)。その姿を見ながらゆっくり歩けることに優越感を感じるんです(笑)。
――確かに、みんな急いでいますもんね(笑)。最近行ったところでお気に入りの場所はありますか?
AARON 富士山! この間、日本に来たとき、3日間くらい富士山の近くに滞在したんですが、そのうち2日間は雪が降ってしまって富士山が見られなかったんです。でも、最後の日に朝起きたら晴れていて、富士山がハッキリ見えた。その景色が素晴らしくて感動しました。とってもキレイでした!
――それだけあちこち行ってると、ファンの方に見つかっちゃったりしませんか?
AARON はい、富士山に行ったときもアジアから観光に来ている方がたくさんいて発見されました。でも、そういうことは、あまり気にしないです。今後行ってみたいのは軽井沢と下北沢。それ以外にも、日本には景色がキレイなところがたくさんあると思うので、そういう場所にも行ってみたいです。若い頃はショッピングが楽しかったんですが、今は大自然を味わいたいなって思うようになりました。
――来日中も楽しんでいるようですね。今回おふたりと仕事したことは、AARONさんにとって意義深いことだったんでしょうか?
AARON はい。とても大きな収穫だったと思います。先ほど言ったように、この曲の中に今の自分の持っているものを注ぎ込みましたし、この曲を通して学んだことも多かったですから。僕が音楽をやっている楽しみって、やっぱり歌いながら学べることなんですよ。特に今回はTAKUYAさんとミッツさんのこだわりがわかって、まだまだ僕はそこにたどり着いていないなって思ったんです。だから、今後もっともっと学んでいきたいという気持ちになりました。
――TAKUYAさんは、AARONさんとアルバムを作りたいっておっしゃっていましたよ。
AARON 1曲1曲を自分のベストの曲にしたいってTAKUYAさんはおっしゃっていたので、アルバムとなると、余計プレッシャーがかかりますね(笑)。でも、もしそれが実現したら、僕もすごく嬉しいです。
――もちろんミッツさんも歌詞で参加して。
AARON おおっ! きっと、また難しい歌詞が来るんでしょうね(笑)。でも、そのときは頑張ります。
(文:高橋栄理子)