ORICON NEWS
「若者たち」が若者世代に浸透!音楽家・森山直太朗の本質とは
「若者たち」がSNSで話題に――森山直太朗の歌の力に再注目!
そのタイミングでリリースされたのが「若者たち」である。こちらも同時期に放送されたフジテレビ系のドラマ『若者たち2014』の主題歌となっていたこともあり、着実に浸透していったのは間違いないが、森山の透明感のある歌声と楽曲の持つ普遍的なテーマが合わさって、オリジナルを知る世代にも知らない世代にも新鮮に受け入れられたと言えそうだ。オリジナル版を歌ったブロードサイド・フォーの中心人物だった黒沢久雄が、森山直太朗の母である森山良子の歌手デビューに深くかかわっていたことと併せて、このマッチングは時空を越えた結びつきを感じさせもするが、森山という天性の歌唱力を持った歌手が歌ったからこそ、現代に鮮やかに蘇ったのだと思われる。そして、そのまっすぐな歌唱が、人々の「歌ってみたい」という欲求を目覚めさせ、関連動画が約200万回超の再生回数を数え、カラオケランキングにおいても上位に入るなど各方面で歌われているという。1966年にオリジナルがリリースされたおよそ半世紀ほど前の曲のリメイクが、21世紀に生きる若い世代にも浸透し、いま改めて森山直太朗の歌の力に注目するきっかけともなったのだ。
8月29日に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で「若者たち」を歌唱した際にはTwitterなどのSNSで大きな反響があり、森山の歌唱力の高さが話題となった。最近では、11月22日に放送された『ミュージックフェア』(フジテレビ系)で、旧知の仲である玉置浩二とともに玉置屈指の名バラード「メロディー」をデュエット。心に響く名演に視聴者から多くの賞賛の声が上がった。
楽しさと発見に満ちた新作『黄金の心』
普段、茶目っ気や親しみやすさ溢れるキャラクターで楽しませてくれる森山直太朗が、シンガー・ソングライターとしての「本気」を叩きこんだ渾身の一作『黄金の心』。より芳醇な仕上がりとなった今作によって、多くのリスナーが「音楽家」森山直太朗の神髄に触れ、その稀有な才能に改めて気付かされることとなるだろう。
(文:田井裕規)