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aiko『誰もが病みつきに!遊び心も満載のツアーをレポート!!』

 素晴らしい楽曲と楽しいトーク、そのうえ遊び心も満載!誰もが病みつきになってしまうのがaikoのライブだ。7月13日の埼玉・川口総合文化センター リリアを皮切りに、11月28日の長崎ブリックホールまで行われた同ツアーの10月18日の東京・NHKホールでの公演をレポート。この日も始まる前から客席はワクワクでいっぱいで、誰もが待ち焦がれていたことが伝わってきた。

頑張る元気を与えてくれる=aikoのライブ

 胸にグッとくるドラマティックなナンバーにジッと3000人が耳を傾ける。15回目を迎えた“Love Like Pop”は、最新アルバム『時のシルエット』でもオープニングを飾っている楽曲「Aka」で幕を開けた。だが、一転2曲目からは「白い道」「シャッター」「milk」とアップチューンを続け、オ―ディエンスも一気にテンションが上昇!誰もがaikoとの時間を楽しもうと手を叩き、身体を揺らし、歌っている。そんな客席に向かってaikoが告げたのは「1人ひとりのみんなとアホな時間をいっぱい過ごしたいと思います!嫌なことは全部この床に垂れ流して帰ってや!」という言葉。そう、aikoの世界に染まることこそが、この日を待ち焦がれた3,000人に明日からまた頑張る元気を与えてくれるのだ。

 それだけにaikoのライブは内容が濃密。数々の名曲を生で味わえるのはもちろんだが、aikoが客席とのコミュニケーションをタップリと取ってくれるので、どんな広い会場も、まるでリビングにいるようにアットホームな空間になってしまうのだ。そのなかでもファンが楽しみにしているのが、客席からもらったお題を組み込んで、aikoが即興で1曲作ってしまう弾き語りコーナー。この日も“猫のみーちゃん”“最近ひとり暮らし始めました”“胃腸炎”“腰痛になった”“シルエット”“ガンバ大阪”というバラバラなお題を見事にまとめたユニークな楽曲が完成。3000人から笑い声が沸き上がった。このコーナーの前後にスケール感のある「雨は止む」やノスタルジックな「天の川」、ガットギターとaikoのキーボードのみで聴かせてくれた「キョウモハレ」などしっとりしたナンバーが並んでいたので、そのギャップは相当なもの。だが、胸に響く楽曲を作り出す才能と親しみやすい人柄が同居しているのがaikoの魅力。そして、その両方を存分に味わえるのがライブだからこそ、彼女のツアーは、どこに行っても常に満員なのだろう。

熱気と興奮の渦に包まれた会場は、真夏のような暑さに

 後半は新旧&アップもスローも混ぜたメドレーでスタート。真っ赤なワンピースに着替えたaikoがステージの上をクルクルと回る。メドレー最後の「ジェット」では、aikoもオ―ディエンスも超ハイテンションに!10月も半ばを過ぎたこの日、外の気温はかなり下がっていたのだが、NHKホールだけは別。ひとつになった会場の熱気で、まるで真夏のような暑さになっていた。

 さらに「クラスメイト」「運命」「be master of life」と勢いのあるナンバーを立て続けに演奏したラストスパートのおかげで、客席の熱は、もはやMAX状態。けれど、それでもaikoは手を緩めない。「まだまだ元気残ってる!?では、最後の力をこの曲に振り絞ってもらいたいと思います!」と「beat」を繰り出したのだ。その想いを受け止めた3000人も、もちろん満面の笑顔で熱唱。熱く盛り上がったまま、ライブはエンディングを迎えた。「自転車」と「シアワセ」を聴かせてくれたアンコールでaikoは言った。「こうやってみんなと一緒に奇跡のような時間を過ごしたことをふとした瞬間に思い出して、明日も明後日も笑ってくれたらいいなと思います。これからもaikoは頑張るから、みんなも一緒に頑張りましょう!そして、一緒に年を重ねて行きましょう」と。この時代に生まれたおかげでaikoに出会え、共に年齢を重ねていく喜びを感じることができる。それは、なんて幸せなことなんだろう。そう思っていたのだろうか?ライブが終わり、急ぎ足で駅へ向かうオ―ディエンスの表情は、とても満ち足りているように感じられた。
(文:高橋栄理子)

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