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松坂桃李 SPECIAL INTERVIEW 演じることが楽しかった 恋をすることが楽しかった
僕のなかにはSキャラはなかった(笑)
【松坂】 原作でも映画でも、表面的な格好良さだけでなく、京汰のバックボーンがきちんと描かれていたことは演じるうえで大きかったですね。仮に京汰が主役ではなく違う主人公がいて、その周りにいるひとりだったとしたら、いけすかねえヤツだな……で終わっていたと思う。でも、バックボーンを描いてくれたおかげで、彼の人間味を知ることができた。好きになったら一途だし、友だち思いだし、熱い想いも持っている。コイツいいやつだなって思いましたね。
──夢を持っているというのもいいですよね。
【松坂】 そうなんです。表面上はチャラチャラしていますけど、すごく宇宙が好きで、宇宙工学を学びたいという大きな夢を持っているんですよね。
──お話を聞いていると、京汰という役をとても楽しんで演じたようですね。
【松坂】 そもそもSキャラを演じたことがなかったので、自分の経験にないものにはやり甲斐を感じますよね。でも、(実際に演じてみても)僕のなかにはSキャラはなかったです(笑)。
──そうでしたか(笑)。あと、少女漫画の世界に立ってみて驚いたことはありますか?
【松坂】 彼氏が(自分の)知らない女性と歩いているのを見た瞬間、女性にとってそれは“この世の終わり”だと思うほどの大事件なんだということに驚きました。何か理由があって別の女性と一緒にいるのに、そういうときの女性ってマイナスの方向ばっかりに考えが進んでいくじゃないですか。「信じられない!もう生きていけない!」って、そういうレベルに一気に達することができる、その熱量がすごい!
共演相手のことを常に考えているもの
【松坂】 そうですね……現場に対する楽しみ方、気持ちの膨らみは作品を重ねるごとに大きくなっている気がします。お芝居を楽しめている自分がいて、それに比例する難しさや不安もあって、日々ハードルは高くなってはいますが、役と向き合っている時間を楽しんでいる自分がいるんですよね。そういうときに、ああ、自分は本当にこの仕事が好きなんだなと思う。その“好き”という気持ちが現場ごとに更新されていく感じです。もちろん、同じ現場はないので、毎回その現場にどう挑むのか、身を削るような思いもあります。
──今回の現場で得たもの、更新されたものとは?
【松坂】 これまでにもラブ要素のある作品はありましたけど、ここまでガッツリとしたラブストーリーは初めて。こういう作品においては、相手役との距離感、空気感がすごく大事なんだということを学べました。そして、(役とはいえ)共演相手のことを常に考えているものなんだなとも。そういう想いを知ることができたことですね。
──最後に、前回の取材では落語にハマっているとうかがいましたが、最近はいかがですか?
【松坂】 今もハマっていて、いつもCDを聞いているんですけど、なかなか観に行くことができなくてむずむずしています(笑)。あとは……山、ですね。少し前からグランドキャニオンに行きたいと思っていて。でも、グランドキャニオンの前に、富士山の頂上まで登ったことないぞと思って、富士山に登りたい衝動に駆られています。(友だちの)永山絢斗がお兄さん(瑛太)と山を登っていると聞いたので、一緒に富士山を登りたいなと計画中なんです。
(文:新谷里映/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
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