2012年に六代目中村勘九郎を襲名する歌舞伎俳優の中村勘太郎（29）が12日、都内で襲名披露会見を行った。「この上ない緊張。結婚や息子が生まれた時よりも緊張してます」と硬い表情の勘太郎は「それだけ“勘九郎”という名前が、僕にとって大きなものなんだと思う。プレッシャーとともに嬉しさも感じています」と喜びを口にした。父の中村勘三郎については「まだまだ先にいる人」と尊敬の眼差しをみせ、「これまで以上に“愛”のある役者・男になりたい」と意気込んだ。

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　勘太郎は中村勘三郎の長男として5歳で初舞台を経験し、以降は時代物、世話物、舞踊を問わず、立ち役も女形も幅広くこなす役者として活躍。幼少時より父の背中を見て育ってきた勘太郎は「常にこういう一人の男・役者になりたいと憧れてきた」と語り「襲名までに、少しでもいい役者になって勘九郎になりたい。熱く、お客様のために芝居を続けていけたら」と更なる向上を誓った。

　私生活では2009年に女優・前田愛と結婚。今年2月に第1子となる男児が誕生したばかりの勘太郎は「僕が父に感じていたように、息子が（僕に）憧れを抱くような役者でいたい」と父の顔。歌舞伎役者に育てたいという気持ちは「ある」といい「強制はしないですが、いつか一緒に舞台に立てたらいいなと思います」と共演を望んだ。

　中村勘太郎の『六代目中村勘九郎襲名披露公演』は、2012年2月、東京・新橋演舞場を皮切りに東西各座で上演される。