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【編集長の目っ!】aikoの13年間の“まとめ”

■13年間、約160曲への想いを“まとめた”傑作。

 仕事柄、本当に色々なアーティスト、ジャンルの音楽に触れる機会が多いが、物心ついた時から、気がつくと好んでよく聴いていたのが、女性シンガー・ソングライターの作品だ。中原めいこ、ユーミン、古内東子…それにしてもなぜ女性シンガー・ソングライターの作品が好きだったんだろう?自分好みのメロディと、そしてあくまで日常生活の中の恋愛シーン、感情の揺れみたいなものを的確に、また共感できるものとして描いていたからだと思う。
 そして13年前、またひとり素晴らしい才能のシンガー・ソングライターに出会うことができた―――それがaikoだ。


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 aikoの当時の担当者から「今度うちでやるaikoって女のコなんだけど、聴いてみてくれる?」と、彼女のインディーズ時代の作品と、後のデビューシングル「あした」の音源を渡されたのが最初だった。ちなみにデビューシングル「あした」は彼女が書いた曲ではなかった。いい曲だけど。
 インディーズ時代の、音源の完成度の高さに驚いたことを今でも覚えている。それからというもの、彼女のインストアライブがあると聞けば取材に行き、ライブがあると聞けば観に行き、ますます気になる存在になっていった。その後の活躍は周知の事実だが、彼女の歌は幅広い層に広がっていった。
 これまでにシングル27作、アルバム8作をリリース。世の中に出ている約160曲の中から、選りすぐりのaikoの子供達32曲をチョイスしたのが2/23にリリースされる初のアルバム『まとめ?』『まとめ?』だ。


 キャリア13年、これだけヒット曲を出し、音楽シーンに確かな足跡を残してきたaikoが、ベスト盤を出していなかったというのは、業界の七不思議のひとつだっだ。でもこれはaikoの確固たるこだわりがあったからだ。「昔はあんまりベストを出すっていう概念がなかったんですよね。自分はまだまだベストを出せるくらいの人間になれてるとは思ってなかったし、新曲をどんどん聴いて欲しいっていう思いもあったので。でもデビューから13年経って、いろんな人に“ベスト出さないんですか?”って言ってもらえるようになったので、ここまで応援してくれた人と、ここから“はじめまして”の人に渡せるアルバムを作りたいなって思ったんです。ファンの人たちを思い浮かべながらぶわっと選んだ曲たちと、新たに録り直した曲や初めてCDにする曲も入れることができました。自分にとって特別なアルバムになったので、たくさんの人に聴いてもらえたら嬉しいです」(『oricon style』より)。

 自分の血が通った、一曲一曲への愛情の深さゆえ、そしてどんどん生まれてくる新しい曲達を、真っ先にファンに聴いて欲しいという想いとが、13年という時間を育んできた。その想いが唯一無二の世界観を作り上げ、そして支持を得てきた。

 色褪せないメロディと、どの世代からも支持される普遍的な詞。特に彼女が紡ぐ詞は、「唇」「頬」「瞳」「口」といった、自分と相手の体の部分を示す言葉が多く、だから、登場人物の顔や性格、表情を瞬間的に想像、映像化でき、具体的な詞の世界が広がっていく。そしてより印象的なものとして、聴き手の心に残る。

 『まとめ?』『まとめ?』を聴いて、改めてそう思った。そして、aikoの作品はどの曲もイントロが抜群にいいということも、改めて感じた。いわゆる“掴みはOK!”という感じ。これはシングルには絶対はずせないことで、イントロでその世界に引き込んで、さらに聴かせる、感じさせなければいけない。世の中には、イントロから最後まで、全く引っかからずに終わってしまうものも少なくない中、aikoの作品のシングルになっていない曲も含め、どの曲もイントロが秀逸だ。

 というわけで、とにかく『まとめ?』『まとめ?』を聴いて欲しい。この作品を聴けば彼女のライヴに行ったことがない人も行きたくなるし、32篇の短編小説を読んだような満足感を得られるはず。

 今年の音楽シーンを、また数多く存在する“ベスト盤を代表する1作”になりそうだ。

⇒ 『編集長の目っ!!』過去記事一覧ページ 

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