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　肝臓がんで昨年10月に死去した俳優の緒形拳さんを偲ぶ会が6日（金）、都内のホテルで行われ、映画などで共演した三國連太郎をはじめ浅野忠信、加藤剛、木村佳乃ら総勢650人が参列した。友人代表挨拶には入院中の津川雅彦に代わって、俳優で映画監督の奥田瑛二が登壇（※下段に全文掲載）。式後には報道陣の取材に応じ、緒形さんを主演で次回作のクランクイン直前まで準備が進んでいたことを報告した。

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　奥田監督は「当初は昨年6月頃に撮影開始だったが、緒形さんから『体の動きがない役にならない？』と聞いてきたし、ちょうどドラマの撮影時期も重なったので延期したんです」。内容や配役には「ネタバレになるから」と多くは語らなかったが、続けて「台本も完成してるし、10年後に僕が主人公でやります。その分、僕も役者として精進しないといけませんね」と神妙な顔つきで語った。

　亡くなる7時間前には奥田監督の長女で映画助監督などをする桃子さん宛てにメールが届いていたことを明かし、その翌日には作家・倉本聡氏から「緒形さんが亡くなった」という未確認情報が入りバタバタだったという。最後には「人って死んで生きる人はそんなにいないが、緒形さんはまさにそれ。凄い人だと思う。心の中でも永遠に生き続けますし、これから沢山、映画監督や役者としてやらなければならないことがあるので上から見ていて、声をかけて欲しいですね」と故人への想いを語っていた。

※奥田監督による友人代表あいさつ全文

緒形さん、急に津川雅彦大帝からメールがきました。
『俺、どうしてもダメでお前に頼む』と。
大変な席になるだろうから。会場の皆さんが納得してくださるのか心配だったのですが『大丈夫、がたがみているから』と返信されて、僭越ながら緒形さんに送る言葉を述べさせていただきます。

緒形さん、そちらはどんな状況でしょうか。
たぶんそちらは賑やかなことでしょう。大好きな今村昌平監督、大好きな深作欣二監督、大好きな野村芳太郎監督らお歴々がいらっしゃるわけですから。
緒形さんがいなくなって4ヶ月、十分にあちらで休養していることでしょう。
新しい企画をどの監督でとっているのか知りたいです。
そちらに行くと好きな年に戻れると何かで読んだことがあります。
『復讐するは我にあり』の緒形さんが44か45歳だったと思います。
私がちょうど映画デビュー、結婚したてのころ、そのころに映画を観て大変な衝撃を受けました。
アラン・ドロンが憧れの自分だったが、その時から緒形さんにあこがれるようになりましたが、日進月歩の努力はまだかないません。
3年前『長い散歩』でどうしても緒形さんでなければとお願いしました。
私のワガママな要求に応えてくれてありがとう。そして思いっきり走ってくれてありがとう。
もう一本企画をたてて緒形さんに話したけれど、今生にはかないませんでした。
『風のガーデン』でご一緒させていただきました。
『ありがとう、ありがとう、うん、ありがとう（緒形さんの口調で）』と言う言葉が大好きでした。
その時、書を書いてほしいと言われ、書道家の緒形さんに「何を」と言ったのですが「お前の字でありがとう」と書けといわれ、書かしていただきました。

これだけのすごい俳優、女優、映画監督、TV関係者お揃いになるのは緒形さんしかいらっしゃらないと思います。
これだけの俳優が集まったら素晴らしいドラマができるでしょう。ありがとうございました。
たまたま緒形さんが下駄をはいて長い散歩にでかけたと思ってます。あちらもこちらも同じ。
日本映画、TV、舞台、演劇界を守っていただきたくお願いいたします。
我々が精進することによって大先輩の声が聞こえると思います。
本当にありがとうございました。