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【コラム】アラフォー抜きでは語れなくなってきた様々な“市場”

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 今年の夏、松田聖子の日本武道館でのコンサートを観る機会を得た。彼女のコンサートを観るのはこの日が初めて。武道館3日間公演であったにもかかわらず会場は満席。客層は40〜50代の女性がほとんど。気のせいかもしれないが、年配女性の好む強めの香水の匂いが会場には充満していた。

松田聖子[07年6月撮影] 

松田聖子[07年6月撮影] 

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 私の隣では40代前後の女性3人が開演までの時間を子供の進学の話と四十肩について熱く論議を交わしながら、紙コップのビールを片手に松田聖子の登場を待ち続けていた。会場に集まったファンの9割ほどがそういったハードコアな女性たち。既婚か未婚かまではわからないが、人生を謳歌(エンジョイ)していることだけはしっかりとわかった。

 男性ファンは予想以上に少なく、全体の1割程度。肩身狭そうにしていたのが印象的だった。特攻服の背中に松田聖子という文字の刺繍を入れてコールするような男性ファンはいない。少し寂しい気持ちになったが、これが現実なのだろう。20年前とは違う。

 40代前後のいわゆる“アラフォー(Around40)世代”の女性パワーに圧倒され、若い10代・20代のファンもいたのだろうが目につくことはなかった。会場前の物販テントもタイムセールス時のスーパーさながらの盛り上がりをみせ、ここぞとばかりにお金を使いまくる女性客が目立った。ひとり何万円というお金を物販テントで落としていく。会社の同僚、ご近所、親戚、友人、お世話になった人たち……松田聖子のタオルやTシャツを配ろうとでもいうのだろうか? 松田聖子のコンサートよりも、松田聖子の女性ファンに驚かされた武道館であった。

 10/13付週間アルバムランキングにて初登場13位となったオムニバスアルバム『Around40〜アラフォー〜』。40歳前後の女性がターゲットとなった本作にはPRINCESS PRINCESS、渡辺美里、小比類巻かほる……といったアーティストによる“アラフォー世代”にとってはど真中!の青春ヒットソングが全15曲収録されている。松田聖子は名曲「赤いスイートピー」でエントリー。CDショップから遠のいていた層が懐かしさも手伝って再びCDショップへと足を運んでいる光景が目に浮かぶ。

 アラフォーのアラフォーによるアラフォーのための1枚。ちなみに、AV業界のネクストブームも40代・熟女らしい。若くて可愛い女のコ作品をリリースしている<プレステージ>や<MAXING>の作品が売れるのは当然だが、その次に売れているのが40代の女優による美熟女モノをリリースしている<溜池ゴロー>、<マドンナ>というのも興味深い。どの業界もいまやアラフォー抜きでは成立しないのかもしれない。

 余談ではあるが、10月13日付のオリコン、アルバムチャート1位は竹内まりやの『Expressions』であった。彼女にいたってはアラフォーどころかアラフィー(Around50)である……たくましい。英語で言えばスマートだが、言い換えれば「おばさん」ということ。そう呼ばれることに対しての『まだまだ、おばさんじゃないわよ!』という自衛本能が働き、逆にその世代が強くなっているのかもしれない。(ライター・松本哲也)

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