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編集者が選ぶ文庫小説賞発表! 『千の花も、万の死も』が受賞

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 文庫・文芸編集者によって選ばれる第9回小学館文庫小説賞の贈呈式が8日(木)、都内にて行われ、受賞作家の斉木香津(43)と、優秀賞を受賞した藤井建司(42)が登壇。斉木は受賞の喜びを語り、「これまで誰も行かなかった道を行き、誰も書かなかった小説を書いていきたい」とスピーチした。

 2000年に第1回がスタートし、読者に近い目線で編集者が選ぶことで、これまでにヒット作品、人気作家を輩出してきた小学館文庫小説賞。今回は380篇の応募のなかから5作品が最終選考に残り、文章力、表現力、書き手としての将来性、読者の満足度などが評価され、斉木香津の『千の花も、万の死も』が小説賞を受賞。藤井建司の『ある意味、ホームレスみたいなものですが、なにか?』が優秀賞に選ばれた。

 『千の花も、万の死も』は、銭湯の次女である主人公が、見合い相手の男性の初恋の相手である謎の女性に興味を持っていく、昭和19年の横浜を舞台にする物語。選考では、終盤で謎が明らかになることで生まれる登場人物の内面の厚み、それによってそれまでの対話に深みが加わるといった展開の呼吸が高い評価を受けた。また、安定した文章力と完成された文学的世界観も決め手になったという。斉木は贈呈式で「個性的な文体よりも、的確な表現力を身につけ、味わい深い小説を書いていきたい」と豊富を語っている。

 『ある意味、ホームレスみたいなものですが、なにか?』は、ひきこもりの主人公に不良の妹、アル中の母に家出した父という崩壊した家庭が、借金の取り立てのおかげで立ち直っていく皮肉でユーモラスなストーリー。逆説的な展開が最大の魅力となる本作だが、選考では予定調和的な結末で終わらない点も高く評価された。藤井は「普段ひきこもりのような生活をしています(笑)。話すのは得意ではないので、その分、よい小説を書いていきたい」とスピーチし、会場を和ませた。

 贈呈式の最後には、『感染』で第1回の小説賞を受賞し、その後も『転生』『繁殖』などヒット作を世に送り出している作家の仙川環が登壇。受賞によってさまざまな周辺の環境が変わることをアドバイスし、「原稿を書き続けてください」とふたりにエールを送った。
 今回の受賞で、小学館文庫小説賞が送り出した作家は9人(2008年の優秀賞を含む)となった。その分野は、ミステリから時代小説、恋愛小説まで多岐にわたり、今後の活躍が期待されている。

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  • 第9回小学館文庫小説賞の贈呈式 

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