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　今月10日、今年で7回目を迎える“漫才日本一決定戦”『M-1グランプリ2007』の決勝進出者8組が都内で発表された。史上最多となる4239組の応募のなかから勝ち上がったツワモノ達が勢揃いしたわけだが、その裏ではM-1常連組や決勝進出が確実視されていたコンビの敗退も目立った。決勝戦が開催される23日（日）、およそ60組で敗者復活戦が行われるが、そのなかから決勝へ駒を進めることが出来るのはたったの1組と狭き門となっている。

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　麒麟、東京ダイナマイトetc・・・決勝戦の記者会見場に、見慣れたコンビ名が無かった。それだけではない、東京勢ではスピードワゴン、オリエンタルラジオらが、大阪勢ではNON STYLE、アジアン、そして史上最年少で準決勝まで勝ち上がった9歳と7歳の兄弟コンビ・まえだまえだらが全て敗れ去っていたのだ。また昨年、史上初となる5人での決勝進出を果たしたザ・プラン9は、メンバーの浅越ゴエが急性肝炎を患い、準決勝に残りながらも出場を辞退していた。

　さて、決勝進出を果たせなかった1組、麒麟は決勝戦会見の同日夜、都内で行われたイベントに出席し「（決勝戦は）断りました」と余裕の表情だったという。田村裕の著書『ホームレス中学生』は、大ヒットを記録、また相方の川島明は昨年の決勝戦の司会を務めた眞鍋かをりとの交際が明らかになるなど、公私共に絶好調。紳助も会見で「印税生活で、漫才がおろそかになってる！」とギャグを交えつつ、彼らの今年1年の飛躍を認めるコメントを残しており、敗者復活を遂げる最右翼といっても過言ではない。

　そんな中、今年の目玉に挙げられるのは、かつて上方漫才を席巻したタレント・上沼恵美子が審査員として名を連ねていることだ。これは大会委員長の島田紳助が自らオファーし、上沼はしぶしぶ承諾したという。だが、決勝戦を制作・放映する大阪・ABCテレビは「審査員については、現段階でお話しすることはできません」（番組宣伝担当者）と、他の陣営を含め直前まで詳細は明かさない意向だ。

　では今年の決勝戦の顔ぶれや流れについて、専門家はどう見ているのだろうか。放送作家で芸能コラムニストの山田美保子氏は「『M-1』はあくまで漫才の上手い人が集まる場所。ただ、決勝進出者の顔ぶれを見た時、制作サイドの視点から見ると、キングコングとハリセンボンは実力もあるが、番組を盛り上げるために選ばれた側面もある」と分析した。麒麟については「確かに『M-1』の優勝というのは大きいのですが、今年の活躍ぶりを見ると頭１つ抜けた感じがする」。すでに多忙な彼らには、『M-1』に対するネタ作成などの時間確保が大きな課題となっていると指摘したが、その一方で「チュートリアル、ブラックマヨネーズの活躍を見れば、やはり『M-1』優勝の影響力は、まだまだ大きい」と語った。

　また山田氏は、デビュー以降次々のゴールデンタイムへのテレビ番組出演が続いたオリエンタルラジオに関しては「タレントとお笑い、どちらの道に行くのかとても悩んでいるような気がする。彼らを見ていると、かつて決勝戦で1回目よりも2回目の方が採点が低かった南海キャンディーズと被ってしまう」とコメントした。

　では、今年の見所はどこにあるのか？ 山田氏は「上沼さんが審査員をするのは好みの問題も出てくるので、大変だと思う」とコメント。さらに「敗者復活戦で、同じ女漫才師のアジアンには頑張って欲しいだろう。私としては、NON SYTLE、天津なども十分『M-1』を制することができると思う」とした。その他、結成半年足らずで頂点を目指すまえだまえだには「リアルキッズよりも漫才をしている」と評価。兄・前田航基も、緊張の一戦を前に「世界中のお腹がすいた子供達が待ってるから、絶対に頑張る！」と賞金1000万円は、恵まれない国へ寄付すると宣言している。

　気分的に余裕を持って当日を迎えられる決勝進出8組が、その名に恥じることなく天下を獲るのか、それとも地力のあるコンビが敗者復活を経て意地を見せつけるか、また“ナニワの次世代キッズ”が夢の舞台で一気に頂上へと駆け上がるのか・・・興味は尽きない。また一部ではこれまで出演が予定されていた審査員の入れ替えも囁かれており予断を許さない状況となっている今年の『M-1グランプリ』から目が離せない。

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