6月21日の夜、東京都内の某競技場で行われたのは、サッカーの試合でも陸上の競技会でもない。ランジェリーショーだった。
ピーチ・ジョンの新作ランジェリーのファッションショー。ガールズ・ホーン・バンド、ピストルバルブのライブパフォーマンスが華を添えた
トラックには一夜限りの巨大なテントが出現。その中で、若い女性に人気の下着通販会社ピーチ・ジョン(本社・東京都渋谷区)が、新作ランジェリーのファッションショーを兼ねた大規模なパーティを開いた。会場には、雑誌を通じて招待した一般客のほか、ファッション関係や芸能・音楽業界関係者など、豪華セレブも多数来場。ピーチ・ジョンのブランドカラーでもあるピンクに彩られたセクシーな宴は、深夜3時過ぎまで続いた。
洋服からランジェリーへの早変わりや、ランジェリーと同じ素材で作られた特別仕様のドレスなどが披露された
パーティの目玉は、米のバーレスクダンス界の第一人者、ディータ・ヴォン・ティースのパフォーマンスショーだ。19世紀末に米で登場したストリップを取り入れたバーレスクダンスを、ディータが独自にアレンジ。白い肌に、抜群のプロポーション、煌びやかで美しいコスチュームを脱ぎながら、“見せずに魅せる”。その芸術的で官能的なパフォーマンスは、『ルイ・ヴィトン』のパーティでも披露されるなど、欧米のセレブリティの間でいまやぴっぱりだこ。
photo by Junko Kimura
そんな世界中から注目を集めるディータをピーチ・ジョンは、最新のカタログ『PJ‘07夏号』の表紙&グラビアに起用。今回のイベントのシンボルとして招き、日本初となるパフォーマンスショーの舞台を整えた。
「20年近く下着ビジネスに携わってきた集大成」と力強く話したのは、野口美佳社長だ。
ピーチ・ジョンの会社設立は1994年だが、下着通販のカタログが生まれたのは1988年。初期のカタログで扱っていたのは輸入品だけだったが、胸をボリュームアップして見せる米国製のボムバストブラが大ヒット。以来、「元気・ハッピィ・SEXY」をコンセプトに、オリジナル商品の開発も始め、女性の心をつかむ数々のヒット商品で急成長した。梅宮アンナ、吉川ひなの、ジェシカ、ケリー、アンジェリカら、トップモデルが登場するブランド広告も毎回話題を呼び、年4回発行されるカタログの発行部数は1回につき220万部にものぼる。
昨年、女性下着業界最大手のワコールホールディングス(本社・京都府)と資本業務提携を締結。ランジェリー業界では“結婚”と称された両者が、初めて共同で開催したのが今回のイベントだった。
ちなみに、使用した競技場でファッションのイベントが開催されたのは、今回が2度目。前例は昨年11月30日に、『フェンディ』が新作バッグの発表を記念したパーティを開いている。
イベントとしては、ルイ・ヴィトンやフェンディと、見事、肩を並べることに成功したピーチ・ジョン。日本のランジェリー業界の寵児は、ますます加速していくのだろう。