日本の伝統ある劇場芸能の保存や向上に寄与した人に贈られる『第28回 松尾芸能賞』の授賞式が3月29日（木）に東京全日空ホテルにて行われ、演劇特別賞を受賞した女優の浅香光代が、27日に呼吸不全で亡くなった植木等さんへの想いを語った。

　浅香と植木さんは35年来の付き合いで「残念でしょうがない。人間的に素晴らしい人でした」と言葉を詰まらせながら話した。そして「自宅の玄関に誰か男の人が座っている気がしたのに誰もいなかった。あれは植木さんが別れを言いに来たのかも…」と自身の身に起こった体験も語り「植木さんのような素晴らしい役者になりたい」と話した。

　また、以前舞台の稽古で大怪我をしたことも告白。「あの時は50針縫った。でも、今思うと怪我をして良かった。（怪我に）“負けていられない”と思うことができた」と話し、その頑張りが今回の演劇特別賞の受賞につながったことに「賞には無縁だと思っていたけど、役者になってよかったとこんなに思ったことはない！」と喜びを語っていた。