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来年45周年、都はるみの歌唱説明

都はるみ来年45周年に向かって助走開始
新曲は“十八番歌唱”の「風雪夫婦花」


 1月24日発売の新曲「風雪夫婦花」が好調。“夫婦”と言えば、昭和59年の引退直前の歌が「夫婦坂」だった。
 「“夫婦”と付けば自分のもの、と思っています。あの時、市川昭介先生はこうおっしゃった。“これは引退するお前ひとりの歌ではなく、皆に唄って欲しい歌なんだよ”と。新曲も同じく、私の歌ではなく皆様の応援歌です」

 作詞は「夕陽坂」など故・市川昭介氏とコンビを組んできた坂口照幸氏。作曲は“市川先生が大好き”な杉本眞人氏。
 「市川先生だったら、きっとこんな感じ…と考えて作られたそうです」

 その歌唱は当然“はるみ節”。その歌唱解説は稀だろうから、詳しく訊いてみよう。
 「デビュー翌年の「涙の連絡船」や復帰後の初シングル「小樽運河」などは、うならずに唄っていますが、新曲は私の十八番の唄い方にぴったりです。唄い出しの♪ここで逢ったが〜の「こ」の母音化「ぁ」を響かせ、「が」で溜めて、♪百年目〜の「ひゃ」「め」を母音化して響かせつつポポッと上げて走らせているのかなぁ。五木寛之先生にこう言われたことがあります。…唄い尻を上げる人・下げる人がいるが、はるみさんは上げますね。きっと持って生れたものでしょう…と。私は母から譲り受けたものだと思っていますが」

 





「風雪夫婦花」 1月24日発売

 歌唱説明を続けてもらう。
 「引退後、新人をプロデュースしていた時に“うぅうぅ〜〜わっ!”(音が向うから来て反対側に飛んで行く感じ)という練習をよくさせたものです。言葉を勢いよく飛ばす練習。お腹から声が出ていないと飛んで行かない。これが出来れば小さい声でも言葉と心を、遠くに届けることが出来るようになります」

 ここにも“はるみ節”のヒントがある。新曲には巻舌もある。
 「先生が“はるみの巻舌はいいよなぁ。僕は一番好きだぁ”とおっしゃった。でもこれも無意識なんです」

 ラ行に巻舌。フッと力を抜いた優しさの表現、各言葉が強弱、方向、硬軟の音色多彩で粒立っている。新曲には3拍子の心地良さもある。

 「皆さんがワルツでノリ易いとおっしゃる。そう言われて後で3拍子だと気付いた(笑)。メロディも唄い易く、それも良かったのかなぁと思っています」
 16歳でデビュー。来年が45周年。この新曲をもって早くも助走開始。眼が輝いている…。

 「市川先生が亡くなった昨年は辛かったが、今年は光が射し込んできたようです。昨年1月に故郷・京都府の文化賞をいただいた折、西陣織の人間国宝・山口伊太郎先生(105歳)が帯を作って下さるとおっしゃって、それが今年完成したのです。手にすると温かくて眩しくて…。それからいい事が拡がってきたようです」

 山口氏には亡き父の面影もダブるという。野外コンサート、日生劇場のロングランリサイタルなど、動員力が際立っていることでも知られるが、今年は春から全国ツアー約60会場。
「今、団塊世代がコンサート会場に積極的に足を運んで下さっているんです。今まで武道館が8回。来年に10回目ができたらいいなぁ」

 同世代の代表としてもクローズアップ。これからどんな世界に誘ってくれるのだろうか。
 「私は着物ですが志向はポップス。J-POP歌手がどんな発声で…と口許が気になります」
 その姿勢は前向き。都はるみの挑戦がジャンルの枠を外してくれそうな気もする。
 (文/スクワットやま)




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