今年も数々のヒットを生み出し、お茶の間にさまざまな話題を提供した連続テレビドラマ。各クールでその盛り上がり方にも特徴がみられたなか、ORICON STYLEでは2006年の全ドラマの満足度を総決算。年間満足度ランキングを発表した。
話題作・人気作など目白押しだった2006年のテレビドラマの中で、最も視聴者に満足感を与えた作品は、今クールで大人気をみせ高視聴率を誇っていたフジテレビ系『Dr.コトー診療所2006』。今年の全ドラマ中で1位を獲得という圧倒的な強さを見せた。
「配役に変更がなくてホッとしました」(関東圏/30代/女性)という安心感と期待度は「他人は他人のこの世の中で、人とのつながりで悩む姿や、助け合う姿に心うたれる。派手さはないのだが、毎回エンディングの時間には涙があふれてくる」(関東圏/30代/女性)という感動へと変わり、「日本ドラマの最高傑作」(関西圏/40代/男性)とまで思わせる不動の国民的ドラマシリーズの誕生を予感させる。
2位には、タイトルからして既成のドラマ観を打ち壊してやろうとする姿勢を感じさせた『アンフェア』がランクイン。「最終回に意外な結果が起こるのに期待」(関西圏/30代/男性)といった、視聴者の“お手並み拝見”的な期待度を上回ってあまりある予測できないストーリー展開で一躍、1〜3月クールの主役に躍りだした。
「毎週毎週安心して観ていられる回が全くないというジェットコースタードラマで、先の読めない展開に翻弄されて面白かった」(関東圏/40代/女性)。映画化決定も当然と言える人気の高まりが印象的だった。
3位にも『結婚できない男』を送り込み、トップ3を独占したフジテレビ系ドラマはさらに6位までを網羅してしまう。旬の男優・阿部寛を主役に起用した『結婚できない男』は、現実問題としての“結婚率の低下”をテーマに、阿部のディテールに凝った演技が絶妙に絡み合い、夏のクールを代表する作品として注目を集め続けた。
「阿部寛のダサ男がリアルでおもしろい。ああいう人って結構いそうな雰囲気で、身近だ」(関東圏/40代/女性)とまで言わせた演技の幅は確か。『トリック』や『ドラゴン桜』とはまた違った一面を見せた当代切っての個性派は、2007年も大いに期待できそうだ。
「放送終了後」の調査に間に合わなかった秋クールの作品を除いて、全作品中最も「放送終了後」の満足度の高かった作品が『医龍Team Medical Dragon』。『白い巨塔』以降、医学ものが続々制作されているドラマ界にあって、“バチスタ手術”にスポットを当て、その生々しいまでの術行程と医者としてのヒューマニズムを適確に描いた“硬派”なストーリーが、放送を重ねるごとに視聴者の心を捉えていった力作だ。
「私自身が医者を目指しているので、このドラマを見て、改めて『医者になりたい』という気持ちが強くなりました。医療に携わることの素晴らしさを伝えてくださってありがとう、という気持ちで一杯です」(関東圏/中・高校生/女性)。
『Dr.コトー』や『医龍』のようなコミックを原作にした重厚な作品もあれば、コミカルさを際立たせることでストーリー全体にリズムを与えるものもある。その最たる成功例が『のだめカンタービレ』だ。クラシックという“食わず嫌い”な音楽ジャンルをここまで楽しく見せられたら、原作ファンでなくとも十分満足だろう。ぐんぐん評価を高めてきた作品だけに、視聴者の最終ジャッジが知りたかったところだ。
金曜深夜枠ながら、自由度の高い個性的な設定でオダギリジョーの新生面を引き出した『時効警察』(テレビ朝日系)や、インパクトの強い韓国の原作を日本のお茶の間でも親しめるストーリーへと昇華した『マイ★ボス マイ★ヒーロー』(日本テレビ系)など傑作は多く、そういった意味でも2006年のドラマ・シーンは充実していたと言えるだろう。
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〔ポイントについて〕
*ドラマ総合満足ポイント:100点満点 *ドラマ全体:30点満点 *「主演(演技・役柄など含む)」、「主演以外キャスト(演技・役柄など含む)」、「ドラマテーマ」、「ストーリー・脚本」、「映像」、「音楽」、「美術(ロケーション含む)・小物・ファッション」:10点満点
2006年各クール連続ドラマの期待度・満足度を「放送前」「放送直後」「放送中間」「放送終了後」に調査。その平均ポイントをランキング化 ※10〜12月クールのみ「放送終了後」を除く(年間集計期間に間に合わないため)
(各調査:中高生、大学生ほか学生、20代社会人、30代、40代の男女。各100人、計1000人(関東圏500/関西圏500)にインターネット調査)
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2006/12/27