2006年最後のクールに突入したドラマ戦線もいよいよゴール間近。そのストーリーの結末も気になるところだが、現在、どの番組が最も視聴者に受け入れられているのかも知っておきたい。これまでに発表してきた秋の新作ドラマの「放送直前の期待度ランキング」「放送直後の満足度ランキング」に続いて、ORICON STYLEでは「放送中間での満足度ランキング」を発表する。

　そのアンケート結果によると、『Dr.コトー診療所2006』が“放送直前”“放送直後”での人気を維持し続けたまま、“放送中間”においても首位を守り通した。前評判だけでもない、前シリーズでの人気に慢心もしていない、そして中だるみも感じさせない“最強のドラマ”として燦然と輝いている。

　「命の大切さをわかってほしいのでオススメしたい」（関東圏/中・高校生/女性）、「命の大切さを改めて感じさせてくれる」（関東圏/20代社会人/男性）など、暗い話題が多い時代だからこそ、そのメッセージが観る者の心を揺さぶるのだろう。「日本ドラマの最高傑作」（関西圏/40代/男性）という絶賛の声も多い。主題歌「銀の龍の背に乗って」を歌う中島みゆき自身も熱心な視聴者だという。

　この不動のトップを猛追してきたのが、同じフジテレビ系の『のだめカンタービレ』だ。直前6位、直後3位、そして“折り返し”では見事2位にまで浮上。常に注目を浴び、過去のヒット作と比較されることの多い“月9”の作品としては、異例とも思える“後半の伸び”を見せている。

　「出ている役者のキャラが今までにない役柄なので観ていてとても新鮮。月9っぽくない感じが最高」（関東圏/専・大学生/男性）、「クラシックをとても親しみやすく表現しており､ドラマ展開・テンポ・ユーモアなどすごく面白く観やすいので」（関西圏/20代社会人/女性）。

　“月9”という呪縛に縛られることなく、原作を忠実に映像化したことの賜物だと思われるが、やはり白眉はクラシック音楽への取り組み方。毛嫌いされる傾向の強いこのジャンルを親しみやすく、かつ原作では聞こえてこない“超絶技巧”ぶりを楽しく表現しきった制作陣の汗と涙が光る仕上がりぶりだ。

　3位にもフジテレビ系の作品が飛び込んできた。草なぎ剛主演の“道シリーズ”の第3弾『僕の歩く道』だが、直後調査から1ランクアップのベスト3入りは大変な健闘と呼べるのではないだろうか。

　これまでのものと比較されやすいシリーズものでありながら、主演の草なぎ以外はキャストも設定もまったく変わっており、一から構築しなければならなかったこと。しかも過去の2作が高い評価を得ており、ハードルも高かったこと。主人公が自閉症という特異な設定ではあるものの、ドラマの世界ではけっして意外性のあるものではなかったことなど、ネガティブ・ファクターを積み込んでのスタートだったのだからなおさらだ。

　「学校に通う子どもを持つ親達に観て欲しいドラマだと思う」（関東圏/専・大学生/女性）、「僕道シリーズは全て完璧」（関東圏/30代/男性）、「とても上手に演技をしていると思います。気持ちが暖かくなって幸せな気持ちになれます」（関東圏/40代/男性）など、草なぎのファン層とは異なるミドルエイジの男性層にも多数支持されているところが強みだ。

　この他では、『家族〜妻の不在・夫の不在〜』、『功名が辻〜山内一豊の妻』が新たにランクイン。タイトルに“妻”の文字が共通しているところが面白い。上位作品を含め、ただ愛や恋に終始するのではなく、人と人の接し方や心の通わせ方などが丁寧に描かれており、視聴者が優しい気持ちになれたり、考えさせられたりするところに今という時代性を感じさせられる。



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〔ポイントについて〕
*ドラマ総合満足ポイント：100点満点　*ドラマ全体：30点満点　*「主演（演技・役柄など含む）」、「主演以外キャスト（演技・役柄など含む）」、「ドラマテーマ」、「ストーリー・脚本」、「映像」、「音楽」、「美術（ロケーション含む）・小物・ファッション」：10点満点
（11月22日〜11月27日、中高生、大学生ほか学生、20代社会人、30代、40代の男女。各100人、計1000人（関東圏500/関西圏500）にインターネット調査）
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