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さだまさし最後の平和コンサート開催、そして来年はアンコール!

 広島原爆忌の8月6日にもう一つの被爆地長崎で歌うことにより、平和の大切さを集まった人々に実感してもらおうと1987年にさだまさしが始めたのが「夏 長崎から」。年を追うごとに長崎夏の風物詩として定着しつつあったが、20年目を迎える今年でさだ自身がこのイベントを最後にすることを決意。そして、8月6日長崎稲佐山野外ステージで最後の「夏 長崎から」が行われた。

 無料、座席指定なし、ということで、例年6月頃からファンが並び始めることでも有名だが、今年は4月には最初のファンが並び始め、その時点からファイナルということでのファンのヒートアップが予想された。

 ラストとなった今回はゲストに10年連続の加山雄三の他、コロッケ、BEGIN、平原綾香、佐田玲子、チキンガーリックステーキらの出演で4時30分にスタート。スタート時点ですでに3万人収容の野外ステージは満員状態で、山のふもとにある専用バス発着所では会場に向かえないファンが数千人足止めされるという状況に。最終的には客席脇の楽屋通行用の車道まで開放してファンを収容、それでも足りずに山中の木の上で観覧する人も出るほどの大入りとなった。

 結果、昨年までの19回47万人の動員に4万人をプラスすることになり、20回で延べ50万人以上を動員、この種の平和祈念イベントとしては破格のスケールとなった。

 ゲストのステージが終わった後、さだまさしの「夏長崎から」最後のステージが始まった。
 「吸殻の風景」から始まり、2時間15分余り。途中森川由加里が飛び入りで「本当は泣きたいのに」を歌い、大竹しのぶの歌詞朗読で「フレディもしくは三教街」や「防人の詩」が歌われるなど、フィナーレにふさわしい趣向も。特に大竹しのぶが朗読する「防人の詩」から会場内は「これが平和祈念のイベントなんだ」という空気が支配し、そのままアンコールまで流れ込んだ形になった。さだのステージの後半、集まった人々は「広島の空」「祈り」「しあわせについて」「遥かなるクリスマス」「長崎の空」と続く曲を聞きながら、間違いなくこれまでのどの年よりも強く平和への想いを感じたに違いない。

 アンコールが終わったところでさだが爆弾発言。
 「来年、8月9日に広島で平和コンサートをやります! これをやらなければ僕の行は終わらないんです」
 実は、この発言内容に関しては、スタッフもごく一部の人間を除いては知らされていなかったという。広島の日に長崎で歌うだけでは片参り状態。長崎の日に広島から歌うことで、彼の行は完了するというわけだ。

 いずれにしても、この20年間さだが長崎で撒き続けた種。131組のゲストがその種を胸にそれぞれの活動に戻り、そこからBEGINの「うたの日コンサート」が生まれるなど、その輪は着実に広がっている。
 9月13日にはニューアルバム『美しき日本の面影』を発売する病んだ国を憂う彼の心の寂しさが伝わる内容で、「夏 長崎から」にも通じる内容となっている。また、この日の模様はNHK総合で8月27日に全国放送される。その番組をみながら、平和について一度考えてみてはどうだろう。

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