• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

一人の頭から生まれた二つの異なる物語 女池充監督インタビュー

 2004年、現役のピンク映画監督が初めて文化庁 芸術家在外研修員としてニューヨークへの留学を果たした。その名は女池(メイケ)充。彼は、1年間インディペンデント映画のプロデュース方法を学び、今年10月に帰国。11月26日(土)からは、全くタイプの異なる2つの作品(『花井さちこの華麗な生涯』『ビタースイート』)を連続上映させる。

 『花井さちこの華麗な生涯』は、世界が抱える様々な問題を上っ面の理解と勢いだけで作ってしまった、おバカでポリティカルなピンクコメディ。もともとピンク映画用として撮影された60分の作品を90分のディレクターズカット版として再編集している。このディレクターズカット版は、アメリカを始めイギリスやドイツなど世界各地の映画祭に出品され、会場を爆笑の渦に巻き込み、「こんな映画は始めて観た」と言わしめるほどの大成功を収めている。

 一方『ビタースイート』は、<セックスから始まる恋愛>を愛しくも切なく、そして官能的に描いた、大人の恋愛ドラマ。こちらもピンク映画として撮影されたものだが、完成度の高さから一般劇場での公開が待ち望まれていた作品である。しかし女池監督は、そんな評判とは裏腹に「脚本は面白いけど、全ての登場人物が嫌いだったんです」と語る。そのうえで「好き嫌いで判断をすることは、同じ価値観を持った人には伝わりやすくても、違う価値観を持った人には全く伝わらない可能性がある」と考え、最終的には自分の好きな人に演じてもらうことで、この“嫌い”を克服したという。

 タイプの異なる作品を手掛けることについては「自分が面白いと思えば、基本的には作っていけるものです」と柔軟な思考の一部を垣間見せる。何よりも自分が“楽しむこと”これが女池ワールドを構築する重要なアイテムと言っていいだろう。留学中は、コメディ映画を多く鑑賞し、自分のルーツであるコメディ映画の魅力を再認識したという。将来的にはピンク映画だけでなく、『アメリカングラフィテイ』のような青春映画が撮りたいと語っていた。

 『花井さちこの華麗な生涯』『ビタースイート』は、11月26日(土)よりポレポレ東中野にてレイトロードショーされる。

■『花井さちこの華麗な生涯』オフィシャルサイトhttp://www.argopictures.jp/lineup/hanai.html
■『ビタースイート』オフィシャルサイトhttp://www.argopictures.jp/lineup/bittersweet.html
タグ

    オリコントピックス

    あなたにおすすめの記事

     を検索