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クラシック界にもイケメン旋風!若手・実力派が続々登場!

 冬季オリンピックでのスケート陣の活躍、モーツァルトイヤーで活気づくクラシック界。折りしも今年は、才色兼備の若手スターたちの来日が相次ぐ。果たして彼らは今のクラシックブームを定着させることができるのか。

 どんな世界でも今やビジュアルは大切。いわゆる「見た目」だが、その重要性は、政治界の元祖イケメン、J.F.ケネディが映りを計算したテレビ演説で好成績を収め、大統領選に圧勝したことで世界に証明した。ケネディと相前後してオペラ界で活躍していたプリマドンナ、マリア・カラス(1923―1977)は、「世紀の歌姫」として未だ頂点に君臨するが、20キロとも言われるダイエットに成功し、美しく変身。スレンダーな美貌をも手に入れ、驚異的な歌声を聴かせた。彼女こそ身を挺して「オペラ歌手はデブでブス」というイメージを払拭した張本人だろう。

 彼女の存在以後、オペラ歌手は歌唱力・演技力はもちろん、俳優並みの美しさも不可欠となった。今や「モデルのようなオペラ歌手」時代の到来。男性歌手にとっては、舞台から女性ファンにフェロモンを発した「3大テノール」の存在が一つの指針になっているに違いない。

 とは言え、「見てくれ」はクラシック音楽の世界でも昔から大切な人気のバロメーターだった。元祖アイドル、リスト(1811―1886)など、ピアノの名手としてその超絶技巧はもちろん、彼のハンサムな容貌や優雅な身のこなしが女心をくすぐり、ロック歌手並みの大騒ぎを起こしていたのは有名な史実。このリスト同様、追っかけファンを失神させるような例はカストラートのファリネッリら綺羅星のごとく。いつの時代からクラシック音楽はお堅くなってしまったのか。あくまで実力者という前提付だが、「イケメン」を指針にクラシック音楽を楽しんでもいいのでは。しかも近頃そんな「才色兼備」なクラシックのアーティストが増えている。

 例えば、オペラ界でも実力とビジュアルを備えた「ポスト3大テノール」探しに躍起だが、それはオペラ界のイケメン探しに等しい。その「ポスト3大テノール」候補、ロベルト・アラーニャ、ホセ・クーラ、そしてファン・ディエゴ・フローレス。彼ら3人が揃って、現在、ボローニャ歌劇場来日公演にともない来日中である。特に彗星のごとくオペラ界に登場したフローレス(1973〜)は、あのパヴァロッティの超難関の十八番、ハイ―C(高い「ハ」音)を歌えるリリック・テノールとしてデビュー以来、ペルー生まれというそのラテン系のイケメンぶりと相まって人気大沸騰。今や何年も先までスケジュールが埋まっているトップスターだ。

ファン・ディエゴ・フローレス(テノール)
ペルーのリマ生まれ。ボローニャ歌劇場の来日公演で、アラーニャ、クーラと競演。ロッシーニ、ベルカント・オペラのテノールの第一人者

ダニエル・ハーディング(指揮者)
イギリス・オックスフォード生まれ。新世代指揮者のリーダーと目される存在。今年10月にはマーラー・チャンバー・オーケストラで再来日の予定

ファジル・サイ(ピアニスト)
トルコ生まれ。クラシックとジャズの「聖地」音楽祭両方から繰り返し招かれている稀有なピアニスト。10月に紀尾井ホールでリサイタルを行う

 このラテン系のイケメンに対し、アングロサクソン系知的ハンサム・テノールはイアン・ボストリッジ(1964〜)。彼はイギリス生まれ。ケンブリッジ大とオックスフォード大で歴史と哲学を収め、学者となった後、声楽に転向した頭脳派。素敵だ。リートも素晴らしいが、オペラにも進出。ヨーロッパで最もチケット入手困難と噂される彼の、11月の来日が待たれる。

 そんなボストリッチと親友だという指揮者ダニエル・ハーディングもまた頭脳派イケメンと言えよう。1975年、イギリスのオックスフォードに生まれた彼は高校生の時にサー・サイモン・ラトルに会い、ラトルのアシスタントに。94年、18歳で、バーミンガム市交響楽団を指揮して本格的デビュー。この若き指揮者の誕生はクラシック界で大きな話題となった。クラウディオ・アバドのアシスタントも務め、96年にはベルリン・フィルを指揮。「今世紀の巨匠」と目される彼は、10月、マーラー・チェンバー・オーケストラを従え来日予定だ。 独創的なピアニストとして快進撃中なのはエキゾチック・イケメン、ファジル・サイ。彼は1970年、トルコ生まれ。17歳で国家奨学金を得てデュッセルドルフに留学。25歳の時にニューヨークのヤング・コンサート・アーティスト国際オーディション第1位、ベラカーサ財団賞を受賞し、一気に世界の音楽界へ。作曲家としても活躍するなど、才気煥発。21世紀のピアノ界を代表する一人とされる奇才サイは、10月に来日する。

 ノーブルな雰囲気を漂わせるのは、ギタリストのアンドレアス・フォン・ヴァンゲンハイムだ。それもそのはず。彼はドイツの男爵家出身。1987年の国際学生ギター・コンクールで「バッハ賞」を受賞後、世界各地で活躍。さらに、作曲家としても活動し91年ダブリン映画祭で最優秀作曲賞を受賞。そんな彼は6月下旬、来日する予定だ。

 最後に2003年に新日本フィルの音楽監督に就任したクリスティアン・アルミンクを挙げたい。彼は1971年ウィーン生まれ。ウィーン国立音楽大で学んだ指揮者だが、現代音楽を積極的に取り上げ、若々しく独創的なプログラミングで、新日本フィルを変革させている。彼の才覚の賜物だ。人格、品格をも備えた、真のイケメンだろう。
(文/山口眞子)
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