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トレンディドラマとともに訪れた90年代のミリオンセールス時代

 音楽に触れる環境の激変。90年代を総括するうえで、この言葉ほど相応しいものはないだろう。下記チャートを見ても分かるように、シングル30位内がすべて150万枚以上、アルバムは240万枚以上という、つまりCDバブル時代が到来する。

 日本経済という観点だけで言えば、91年に「バブル期」は崩壊したと言われているが、音楽市場的にはむしろここからピークへと向かっていったところが興味深い。80年代中盤に訪れた、アナログからCDという音楽メディアの移行期を経て、ユーザーのなかで手軽に聴ける音楽メディアとしてCDが定着し、またそれを助長するかのように、ドラマやCMタイアップ、カラオケと、これまで以上に音楽に直接触れる機会が増えていったことが、音楽業界全体にかつてない好景気をもたらした。バブル期の贅沢な遊びよりも、リーズナブルに楽しめるアミューズメントへの傾斜である。カラオケはその代表的例だろう。

 当時トレンディドラマと呼ばれた一連の作品群は、社会現象となるほどの国民的ヒットとなり、フジテレビの大多亮氏、TBSの貴島誠一郎氏といった名物プロデューサーまで生み出した。その代表作の主題歌はほとんどがミリオンセラーを記録。小田和正「ラブストーリーは突然に」や浜田省吾「悲しみは雪のように」はその象徴といえる作品である。

 ミリオンヒットはシングルばかりではない。97年にはGLAY『REVIEW BEST OF GLAY』やドリームズ・カム・トゥルー『BEST OF DREAMS COM -E TRUE』、さらに98年にはB’zによる『B’z The Best “Pleasure”』など、いずれも初動売上で100万枚以上のセールスを記録、そして極めつけとなる99年の宇多田ヒカル『First Love』が700万枚を突破し、ここに音楽マーケットのピークを迎えることになる。音楽的なことで言えば、彼女の登場で、日本における「R&B」が本格的に認知され、その後のディーバ・ブームを牽引していく。


 この好景気は前述の要素以外にも、外資系CD店の出店やFM局の開局が加わる。流通及びメディア独自のヒットが生まれるようになり、ヒットが多様化。またインディーズバンド・ブームが加わり、音楽ソフトの普及に拍車がかかっていく。それにより今までにないほど音楽とユーザーの距離は密接なものになっていったのも事実だが、結果的には購買層の細分化を生み出し、ヒット曲のみを楽しむ層とコア層との二極化を招いていったことは現在まで続いている。 90年代後半には携帯電話やPCといった次世代メディアの普及により、音楽の楽しみ方も変化が求められ、音楽業界は次のステージを迎えることになる。
(文・スズキダイスケ)

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