演歌・歌謡曲カテゴリーで、最後に『日本レコード大賞』を受賞したのは、2006年、氷川きよしが歌った「一剣」。レコード大賞受賞曲といえば、かつては年齢性別を問わず誰もが口ずさめる歌というイメージが強かったが、演歌や歌謡曲から大賞曲が生まれなくなったこの20年、子どもから高齢者まで幅広く支持される曲が少なくなってしまったのは残念だ。
しかし、そんな現在の音楽シーンに異彩を放つ存在がいる。新浜レオンだ。新浜と言えば昨年の『NHK紅白歌合戦』に、演歌・歌謡曲のジャンルで純烈以来6年ぶりとなる初出場を果たし、今や歌だけでなく、ドラマやバラエティにも引っ張りだこ。まさに老若男女を問わず多くのファンから愛される昭和の“スター”の面影を宿している。そんな新浜の人気ぶりをオリコン・モニターリサーチが行った調査結果を基にひも解いてみたい。
■2023年と2025年、数字が示す変化 認知は3倍、好感は1.5倍に急伸
演歌第7世代のひとりとして活躍していた新浜の快進撃が始まったのは、2022年に4thシングル「ジェラシー 〜運命にKissしよう〜」のカップリング曲、「捕まえて、今夜。」が、アニメ『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』(Netflixにて世界独占配信中)のオープニング主題歌に抜擢されたことがきっかけと言えよう。
翌23年に同曲が5thシングルとしてリリースされると、オリコン週間演歌・歌謡シングルランキング1位、オリコン週間シングルランキング10位(ともに23年5月15日付)、TikTok総再生数1億回突破、ミュージックビデオのYouTube再生数420万回突破などなど大バズリ。歌いながら両手を突き出し、円を描くように動かす“窓ふきダンス”が注目を集め、中高生を中心に「踊ってみた動画」をアップするユーザーが続出。常々「昭和歌謡の魅力を現在のリスナーにも伝えたい」という熱い思いを語ってきた新浜の魅力と、世代を超えた多様な価値観を音楽に昇華する“歌謡曲”が持つポテンシャルが、令和の若者にも受け入れられた瞬間だった。
これにより新浜の認知度は大幅にアップ。オリコン・モニターリサーチの23年の調査では、認知率は17.0%、好感度は3.7%。この年、TBSの日曜劇場『下剋上球児』にバッティングセンターの店員役でレギュラー出演したことも、認知度を上げた要因のひとつだろう。ただ、演歌歌手としては上々の滑り出しだったが、“知っているけど聴いたことはない“SNSで見ただけ”という層が多く、実際のファン層としてはまだ“種まき”の段階だった。
しかし25年の調査では認知率49.2%、好感度5.8%を記録。認知は3倍、好感も1.5倍以上の伸びを示した。男性層では認知率が17.2%から42.3%へ、女性層では同じく16.9%から52.6%へ上昇。
この数字が示すように、新浜の人気が不動のものとなるのが24年。3月に木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞・作曲という布陣で発売した6枚目のシングル「全てあげよう」が、オリコン週間演歌・歌謡シングルランキング1位(2024/4/8付ほか全7週)、オリコン週間シングルランキング5位(2024/4/8付)、2024年にリリースされた演歌・歌謡曲の中でオリコン週間演歌・歌謡ランキングトップ10入りの最長記録41週を達成するなど、歌謡曲としては久々のロングヒットとなったのだ。
しかし何といってもこの年のエポックはデビュー以来の目標だった『第75回NHK紅白歌合戦』に出場したことだ。「全てをあげよう」の熱唱とともに披露した“膝スラ”パフォーマンスは大きな話題を呼び、視聴者に新浜レオンを印象付けた。「新浜レオンを初めて知ったきっかけは」という設問でも「NHK紅白歌合戦」が14.1%で全項目中の2位、「新浜レオンについて知っていること、印象に残っていること」では、「NHK紅白歌合戦(への出場)」が64.3%でダントツの1位だった。
■ロングヒットで、本人とともに楽曲の認知もアップ
『紅白』での熱い歌声とトレードマークの“膝スラ”で視聴者に鮮烈な印象を残した新浜が2025年の勝負曲としてリリースしたのが両A面シングル「Fun!Fun!Fun!/炎のkiss」。「Fun!Fun!Fun!」は、アニメ『名探偵コナン』(読売テレビ・日本テレビ系)のエンディングテーマに選ばれ、『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』のオープニング主題歌「捕まえて、今夜。」の“窓ふきダンス”に続き、少年探偵団が可愛らしく踊る“WAKIWAKIダンス”が一気にバズリ、子どもたちのハートをがっちりつかんだ。
一方の「炎のkiss」は、「全てあげよう」同様、木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞・作曲の歌謡ロックナンバーで、ミュージックビデオにはふたりも参加。オリコン週間シングルランキングでも連続登場回数を伸ばしており、2025/10/6付オリコン週間演歌・歌謡シングルランキングで4度目の1位を獲得するなど、今回もロングヒットを記録している。
ちなみに、「新浜レオンについて知っていること、印象に残っていること」の設問では、「捕まえて、今夜。」をあげた人は全体の30.3%、「Fun!Fun!Fun!」をあげた人が35.5%といずれも高く、本人とともに楽曲の認知度も高まっていることが分かる。
■2023年の“注目株”から、2025年の“シーンの担い手”へ
認知度の高まりを背景に、歌番組以外でも活躍の場を広げている新浜。かつてインタビューの中で「『NHK紅白歌合戦』『NHKのど自慢』『徹子の部屋』に出演することが夢のひとつ」と語っていたが、今年は『NHKのど自慢』『徹子の部屋』への出演も実現し、3つの夢をコンプリートした。いつも明るくて礼儀正しい新浜には珍しく、「徹子の部屋」では、サプライズとして黒柳徹子が代読した母親からの手紙に思わず涙した新浜だったが、そんな素直さもファンからの支持を集める要因かもしれない。
演歌歌手の父からは「(上記の)3番組に出られたら芸能人だ」と言われていたというが、今の新浜には、永年の「夢」だったことも一気に叶えてしまう勢いがある。新浜が「いつかは出演したい」という野望を持っていたもう一つの大きな夢、NHK大河ドラマへの出演がそれだ。8月に放送された「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で江戸浄瑠璃の一流派である富本節の全盛時代を支えた実在の人物・富本斎宮太夫を演じ、歌声を披露。Xには「歌声素敵だった」というコメントが多数寄せられた。
新浜の今後について、「新浜レオンに期待すること」という設問では、「紅白歌合戦への出場」が55.6%、「音楽番組出演」が51.2%と、当然ながら歌を聴きたいというファンが多いが、それに続くのが「バラエティ出演」の34.4%。すでに昨年の『紅白』出演以来、テレビのバラエティ番組やラジオなど各メディアからひっぱりだこだが、『紅白』出演前からスタートしている冠番組、STVラジオ『特選!うたわたり 新浜レオンの歌を聴いておくレオン!!』(2023年4月〜)、そしてTBSラジオ『明治チョコレート効果 presents 新浜レオン 今日も元気にがんばレオン。』(2024年10月〜)も好評継続中。元野球少年らしい一途で礼儀正しい素顔の魅力がラジオを通じてさらに伝わりそうだ。
認知、好感ともにアップし、歌謡曲の担い手としてユニークな存在に成長した新浜レオン。野球少年だった彼にとって最大の目標だった『紅白』出場は、「甲子園の1回戦に出場したにすぎない」と話す。甲子園優勝を目指し、今年はまず2回戦進出を狙う。
歌、演技、トーク…、エンターテイナーとして一日一日、新たな経験を積み、よりスケールの大きい歌手として成長する新浜レオン。2023年の“注目株”から、2025年の“シーンの担い手”へ。演歌歌謡の可能性を広げる存在として、新浜レオンは今、とても面白いところにいる。
文・河上いつ子
【調査概要】
調査対象:全国男女 10〜70代
サンプル数:総調査数 N=4220
調査期間:2025年8月26日〜9月1日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
しかし、そんな現在の音楽シーンに異彩を放つ存在がいる。新浜レオンだ。新浜と言えば昨年の『NHK紅白歌合戦』に、演歌・歌謡曲のジャンルで純烈以来6年ぶりとなる初出場を果たし、今や歌だけでなく、ドラマやバラエティにも引っ張りだこ。まさに老若男女を問わず多くのファンから愛される昭和の“スター”の面影を宿している。そんな新浜の人気ぶりをオリコン・モニターリサーチが行った調査結果を基にひも解いてみたい。
■2023年と2025年、数字が示す変化 認知は3倍、好感は1.5倍に急伸
演歌第7世代のひとりとして活躍していた新浜の快進撃が始まったのは、2022年に4thシングル「ジェラシー 〜運命にKissしよう〜」のカップリング曲、「捕まえて、今夜。」が、アニメ『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』(Netflixにて世界独占配信中)のオープニング主題歌に抜擢されたことがきっかけと言えよう。
翌23年に同曲が5thシングルとしてリリースされると、オリコン週間演歌・歌謡シングルランキング1位、オリコン週間シングルランキング10位(ともに23年5月15日付)、TikTok総再生数1億回突破、ミュージックビデオのYouTube再生数420万回突破などなど大バズリ。歌いながら両手を突き出し、円を描くように動かす“窓ふきダンス”が注目を集め、中高生を中心に「踊ってみた動画」をアップするユーザーが続出。常々「昭和歌謡の魅力を現在のリスナーにも伝えたい」という熱い思いを語ってきた新浜の魅力と、世代を超えた多様な価値観を音楽に昇華する“歌謡曲”が持つポテンシャルが、令和の若者にも受け入れられた瞬間だった。
しかし25年の調査では認知率49.2%、好感度5.8%を記録。認知は3倍、好感も1.5倍以上の伸びを示した。男性層では認知率が17.2%から42.3%へ、女性層では同じく16.9%から52.6%へ上昇。
この数字が示すように、新浜の人気が不動のものとなるのが24年。3月に木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞・作曲という布陣で発売した6枚目のシングル「全てあげよう」が、オリコン週間演歌・歌謡シングルランキング1位(2024/4/8付ほか全7週)、オリコン週間シングルランキング5位(2024/4/8付)、2024年にリリースされた演歌・歌謡曲の中でオリコン週間演歌・歌謡ランキングトップ10入りの最長記録41週を達成するなど、歌謡曲としては久々のロングヒットとなったのだ。
しかし何といってもこの年のエポックはデビュー以来の目標だった『第75回NHK紅白歌合戦』に出場したことだ。「全てをあげよう」の熱唱とともに披露した“膝スラ”パフォーマンスは大きな話題を呼び、視聴者に新浜レオンを印象付けた。「新浜レオンを初めて知ったきっかけは」という設問でも「NHK紅白歌合戦」が14.1%で全項目中の2位、「新浜レオンについて知っていること、印象に残っていること」では、「NHK紅白歌合戦(への出場)」が64.3%でダントツの1位だった。
■ロングヒットで、本人とともに楽曲の認知もアップ
『紅白』での熱い歌声とトレードマークの“膝スラ”で視聴者に鮮烈な印象を残した新浜が2025年の勝負曲としてリリースしたのが両A面シングル「Fun!Fun!Fun!/炎のkiss」。「Fun!Fun!Fun!」は、アニメ『名探偵コナン』(読売テレビ・日本テレビ系)のエンディングテーマに選ばれ、『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』のオープニング主題歌「捕まえて、今夜。」の“窓ふきダンス”に続き、少年探偵団が可愛らしく踊る“WAKIWAKIダンス”が一気にバズリ、子どもたちのハートをがっちりつかんだ。
一方の「炎のkiss」は、「全てあげよう」同様、木梨憲武プロデュース、所ジョージ作詞・作曲の歌謡ロックナンバーで、ミュージックビデオにはふたりも参加。オリコン週間シングルランキングでも連続登場回数を伸ばしており、2025/10/6付オリコン週間演歌・歌謡シングルランキングで4度目の1位を獲得するなど、今回もロングヒットを記録している。
ちなみに、「新浜レオンについて知っていること、印象に残っていること」の設問では、「捕まえて、今夜。」をあげた人は全体の30.3%、「Fun!Fun!Fun!」をあげた人が35.5%といずれも高く、本人とともに楽曲の認知度も高まっていることが分かる。
■2023年の“注目株”から、2025年の“シーンの担い手”へ
認知度の高まりを背景に、歌番組以外でも活躍の場を広げている新浜。かつてインタビューの中で「『NHK紅白歌合戦』『NHKのど自慢』『徹子の部屋』に出演することが夢のひとつ」と語っていたが、今年は『NHKのど自慢』『徹子の部屋』への出演も実現し、3つの夢をコンプリートした。いつも明るくて礼儀正しい新浜には珍しく、「徹子の部屋」では、サプライズとして黒柳徹子が代読した母親からの手紙に思わず涙した新浜だったが、そんな素直さもファンからの支持を集める要因かもしれない。
演歌歌手の父からは「(上記の)3番組に出られたら芸能人だ」と言われていたというが、今の新浜には、永年の「夢」だったことも一気に叶えてしまう勢いがある。新浜が「いつかは出演したい」という野望を持っていたもう一つの大きな夢、NHK大河ドラマへの出演がそれだ。8月に放送された「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で江戸浄瑠璃の一流派である富本節の全盛時代を支えた実在の人物・富本斎宮太夫を演じ、歌声を披露。Xには「歌声素敵だった」というコメントが多数寄せられた。
新浜の今後について、「新浜レオンに期待すること」という設問では、「紅白歌合戦への出場」が55.6%、「音楽番組出演」が51.2%と、当然ながら歌を聴きたいというファンが多いが、それに続くのが「バラエティ出演」の34.4%。すでに昨年の『紅白』出演以来、テレビのバラエティ番組やラジオなど各メディアからひっぱりだこだが、『紅白』出演前からスタートしている冠番組、STVラジオ『特選!うたわたり 新浜レオンの歌を聴いておくレオン!!』(2023年4月〜)、そしてTBSラジオ『明治チョコレート効果 presents 新浜レオン 今日も元気にがんばレオン。』(2024年10月〜)も好評継続中。元野球少年らしい一途で礼儀正しい素顔の魅力がラジオを通じてさらに伝わりそうだ。
認知、好感ともにアップし、歌謡曲の担い手としてユニークな存在に成長した新浜レオン。野球少年だった彼にとって最大の目標だった『紅白』出場は、「甲子園の1回戦に出場したにすぎない」と話す。甲子園優勝を目指し、今年はまず2回戦進出を狙う。
歌、演技、トーク…、エンターテイナーとして一日一日、新たな経験を積み、よりスケールの大きい歌手として成長する新浜レオン。2023年の“注目株”から、2025年の“シーンの担い手”へ。演歌歌謡の可能性を広げる存在として、新浜レオンは今、とても面白いところにいる。
文・河上いつ子
【調査概要】
調査対象:全国男女 10〜70代
サンプル数:総調査数 N=4220
調査期間:2025年8月26日〜9月1日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
2025/10/01



